ハードとソフトが合わさって効果的な施策となる 特急大雪特別快速化 2025年3月15日ダイヤ改正
こんばんは。 JR北海道から、2025年3月15日のダイヤ改正について発表がありました。https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20241213_KO_kaisei.pdf 今回のダイヤ改正の目玉の一つは、石北本線を走る特急のうち、特急大雪2往復の特別快速化です。 特急から、普通乗車券のみで乗車可能な「特別快速」になります。これに伴い、キハ283系特急用気動車車両を使用していたものを、今年新たに投入したH100形普通列車用気動車を投入することとなります。 併せて、特急、特別快速のダイヤ見直しと、現行の特別快速きたみの快速化と網走までの延長運転がなされることとなりました。(北見~網走間は普通列車として運行)また、運休日のあった特急大雪と比べ、特別快速大雪は毎日運行とされています。 実は私、以前から石北本線特急の快速化を期待していました。それは、旭川から遠軽、北見、網走方面に抜ける普通列車・快速列車(石北本線では特別快速)が2往復しかなく、特急乗車以外の選択の余地が少ないことから、どうせ走らせるならば、いっそ特急料金不要、青春18きっぷでも乗れる快速化のほうが、余程人が乗るのではないか…などと妄想していました。 いやそれは、鉄道マニアの戯言…という批判は受けるでしょうし、そもそも特急料金を手放したくないJRが、そんなことをするはずがないと思っていました。今、その「マニアの戯言」が現実のものになりつつある。いささかの戸惑いを以て受け止めています。 戻りまして、今回のダイヤ改正について、石北特急特別快速化に絞って、ダイヤ、車両、営業施策の3点から考えてみたいと思います。 1点目。ダイヤに関しては、所要時間だけ見ますと現行の特急と遜色ないスピードを持っています。これは立派な事であり、評価されていいと思います。元々、特急大雪の特別快速化は、北海道新幹線札幌開業が2038年度にずれ込んだことによる、特急用キハ283系の延命を目的としたものとも言われていて、加えて新型のH100形であれば、性能的に特急と遜色ないスピードを出すことは、可能なのだと思います。(曲線区間を高速で走ることを可能とする機能である振り子装置は、キハ283系に搭載されていますが、石北本線区間では使用されていません) 列車の順番に関しては、札幌直通の特急オホーツク2往復を、現行ダイヤでは朝一番と夜の最終に設定していますが、改正後は朝一番と午後、14時台から15時台に札幌駅、網走駅を出発する列車に設定しています。ここは議論の分かれるところで、最終列車を札幌直通としたほうが、疲れて帰るビジネスマンなどには、乗り換え不要で良いのではないかと考える一方で、夕方から夜間に特急料金不要の列車が走ることとなり、通学生や飲酒帰りの大人などの輸送で、地域間の利便性が増すという考え方もあるかと思います。朝の上りオホーツク2号の発車を約1時間繰り下げた(以前と同じ時間帯)ことも、出発が早過ぎない時間帯に戻ったという点で評価できると思います。 2点目、使用車両に関してです。普通列車用のH100形は、その座席数の少なさとリクライニングしない座席構造とで、旭川~網走間4時間弱を過ごすには、著しく快適さに欠けるという指摘を受けてきました。JR北海道も、沿線自治体からの要望を受ける形で、座席数の増加と座り心地の改善を行うとしています。但し、今回のダイヤ改正には間に合わず、年度が変わってから取りかかる模様です。 JR北海道のキハ54形車両には、新幹線あるいはキハ183系などの廃車発生品を利用して、転換クロスシートや簡易リクライニングシートを装備した車両があり、現在も根室本線末端区間(花咲線)などで使用されています。車内における他のスペースとの関係(H100形は身障者対応トイレや機器室の占めるスペースが大きい)や窓割との関係など、難しい問題もありますが、H100形のシート改善は、不可能ではないと思います。H100形の車両自体は、全体として悪いとは言い切れない印象を持っていますので、シートの改善は、今後特別快速が受け入れられるかの、重要なポイントとなると思います。 3点目。営業施策に関してです。現行の特急が企画乗車券で安価な設定をされていて、普通乗車券だけの金額より安くなる場合があります。旭川~北見間で見ますと、特急トクだ値1で3,240円、同区間の普通乗車券は4,510円となります。特急より居住環境が悪いとされる特別快速が、このままでは特急より値段が高いという状況が生じてしまいます。これでは、特別快速には誰も乗らなくなるでしょう。(現行の特別快速きたみが苦戦しているのも、そこに課題があると思われます) ここは、競合するバス会社の割引も横目で見ながら、きめ細かな割引商品を揃えるべきでしょう。特別快速は指定席がありませんので、単独でえきねっとトクだ値などの予約(=指定席)前提の商品は設定できません。シンプルな割引きっぷか、えきねっと絡みならば札幌から旭川までの特急と組み合わせた割引商品を揃える必要があります。 列車という「商品」は、ハードとソフトの部分が両輪となり、効果的に融合して初めて、その魅力を増して、利用者の増加につながっていくと考えます。ダイヤはハード+ソフト、車両はハード、営業施策はソフト。どれが欠けても、どれがつながらなくてもいけません。今回の思い切った施策、どうせやるなら成功を収めてほしいと思います。 H100形の車内です。いいと思う部分もありますが、長時間を過ごすのに適した車内とは言えないでしょう。