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白魔女の館

お父さんありがとう

父が亡くなった日の話

 父が危篤だという連絡を受けた私は、父が肉体を離れるということには寂しさを感じましたが、一方で 魂の一番奥底で 何者かが喜んで踊りをおどっているのを感じました。それはドコドコと私のなかで歓喜のリズムを刻んでいました。本当にそれは今まで感じたことのない気持ちでした。これから起こることをしっかり味わおうとおもいました。

 前日から意識が朦朧となって血圧も低下して危篤となっていた父は、それでもまわりの状況がわかるようでした。

 父と二人で病室にいると、なんだか父の意識が流れ込んできいるように感じました。病室にはねっとりとした甘く重い空気が満ちていました。父は この人生でいろいろあった人のことを全て許すことにしたように感じました。『もうみんな許してるんだね』私は父にいいました。お金もうけが下手でごめんとも思っているようでした。たしかに父はお金もうけは下手だったのです。『でもお父さんの子どもで良かったよ』父は聞いているようでした。
 父は死ぬのがちょっと楽しみみたいでした。『違う世界にいっても必ず連絡してね』といいました。

 面白かったのは父と一緒にいる母が神々しいまでに美しかったことです。父の精神がまわりの空間にしみ出して 母にまで作用している感じなのでした。

 父が亡くなった後すぐ病室に入ると、ベッドの真上の辺りの空間から父の気配が強烈に感じられました。そして頭の中で『わし、おもろかったデ』というでかい声がきこえました。その場に居合わせた妹二人にも同じ声が聞こえたそうです。

父は身をもって魂の不滅を教えてくれたのだと思います。

 これからいろんな人に連絡して来る。といって父は病室を飛び出していきました。いかにも愉快な父らしい行動でした。

 魂が去っていった後の 父の亡骸は本当に抜け殻のようでした。病室にはもう父の気配はありません。古くなった肉体を脱ぎ捨てたということが良くわかりました。

 亡くなったのが真夜中でその日の午後がお通夜だったのですが、びっくりするほどたくさんの方が来てくれました。

 中には朝、ジョギングしていると父の顔がぱっと見えたという方や、夜中に玄関の呼び鈴がなったという方など、不思議な体験をした方が何人もいました。やっぱり父が行ったんだと嬉しく思いました。

 父の死を通して、魂って本当に不滅なんだと実感できました。父は元来、好奇心のかたまりのような人なので、死に臨んでもあの世がどんなになっているのかわくわくしていたとおもいます。

 次元の違う世界であれこれおもしろがりながら宇宙の不思議に目を見張っている父の様子が目にうかびます。たまに私のいる三次元に様子をみに来て、物事が上手く行くようにちょっと流れを調節してくれたりしているのが分かります。

『未知への扉をこじ開けてくれたお父さん ありがとう!』


●父が亡くなる日を予知夢で見ていました●

 父がなくなる3ヶ月ほど前、目が覚める直前に指輪のサイズがどうのこうのという 夢というか短いイメージを見て 起きた瞬間に、2・10という数字が見えた。 気になったので十年日記のその日付けに何が起きるか分からないけど、気をつけましょう。 と書いておいた。

 2月8日、母から電話があり、かねてから入院中だった父の容態が急変したとの連絡がはいりました。 この時2月10日に、父がこの世を去るのだと直感した。 2月10日父は異界へと旅立ったのでした。


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