『釣りと自分』遠い記憶・・・ 1いつからだろう・・・釣りに対しこんなにも意識をしたり、違和感をかんじるようになったのは・・・
ふとタバコの煙をまわしながら、彼はそう呟いた 彼とは同じ趣味からブログで知り合い、いつしか僕の店の常連になった男。 釣り仲間やブログでは銀影と呼ばれている渓太だ。
年は僕より5つ下くらいだから、30の真ん中くらいだろうか。 落ち着いて見えるのは、彼がもう10年以上営業をやっていて、 年上のお客とばかり商売をしているからかも知れない。
僕の趣味も釣りなのだが、商売をしているからそんなにも色んな釣りは出来ない。だから、今もっぱらのめり込んでいるのは鮎の友釣りだ。 渓太もいろんな釣りをやるようだが、やはり色んな事情で、最近は鮎ばかりという感じらしい。本人はその辺りも面白くないみたいだ。二人とも今はオフシーズンという感じなので、鮎の話は少なくなり、良く店で仕事の愚痴をこぼしていく。
年も新しくなり、今年はどうするの?なんて久々の鮎釣りの話から、 『そういえば鮎釣りはいつ頃から始めたの』 そんな会話から、一人の青年の釣りや魚との関わりや人間が分かってきたのだ。 |