Quid Pro Quo
よく土壇場で自分の都合を主張する人っていませんか?直前で言うなよ、お前っていう。しかもうまくいってしまう。ゴネ得っていうやつですね。Quid Pro Quo、consideration、約因、というのはコモンローの契約の特色。契約内容でAさんがPをするなら対応してB君がQを、と債務に対応する対価、ということかな。歌手が25,000ドルでコンサートに応じました。客が集まっている直前の状況で、「私30,000ドルじゃなきゃ歌わない」と駄々をこねる。オーナーが口頭で了解。でも歌い終わった後で5,000ドルを追加で払うのを拒否。この場合、オーナーは5,000ドルを払わなくて良いらしい。というのは新しい約因がないと契約は修正できないルール。例えば、サイン会でもやって追加で対価を払わない限り契約を修正できない、ということ。大概の法律制度が存在する理由は、それがないと自分の都合で好き勝手する人がいて不公平になったり社会的にマイナスになるから。何でこんな約因なんて仕組みがいるのかよく分かった。つまり、こちらの方々は、そういう仕組みにしておかないとこういう直前の駄々コネを、やりかねないから。。歴史的にそういう人がたくさんいたということでしょうね。今生活していても、そういう人が多そうに思う。アメリカ人と仕事で交渉することがあれば、こういう駄々コネには気をつけましょう。きちんと「約因がないからやだ」とつっぱねましょう。逆に言えば、こちらから駄々コネしてみてもいいかもしれません。ちなみに普通の州だと紙で30,000ドルを確約しても約因がない限り25,000ドルのままなのですが、NYの場合は書面で合意すればそれは要らないとか。NYでする契約は、書面で合意すれば結構何でもあり。州によって違うとか正直やめてほしいんだけど。