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米ドラマ『アメリカンホラーストーリー』のファンブログです。あらすじ(ネタバレあり)、作品の背景、元ネタ(演劇・小説・映画・事件)、監督役者のインタビュー等交え、本作品のスクリプトを確認しつつ書いています。無断転載禁止です。

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October 7, 2017
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テーマ:TVドラマ
カテゴリ:ドラマ



あらすじ


2016年3月15日 
2015年放送の『ロアノークの悪夢(マイ・ロアノーク・ナイトメア)』の出演者たちは​トリクシー・マテル​と​エドワード・ハンセン​が司会を務める​ペイリー・フェスト​に出席し、世界各地から集結したファンたちと交流する。
ロンドン在住で番組の熱狂的なファンの一人であるブリストルは自らの人生の苦しみをリー・ハリス本人の境遇と重ね、この日を待ちわびていた。念願であったリーとの抱擁に感激した彼女だったが、2016年の『ロアノーク2(リターン・トゥ・ロアノーク)地獄の3日間』の放送内容はブリストルの番組に対する信頼を打ち砕くものだった。続編はオリジナルにあった芸術性が失われており、金儲け主義に走ったシドニーの目論見が前面に出たことで悪趣味なものに成り下がったというのだ。実際に人が死ぬ映像が話題となり下品な論評の的となったことを嘆く彼女はYouTubeに番組批評を投稿、多くの高評価を集めた。一方同じ頃、生き延びたロット・ポークもまたYouTubeで自身の見解を披露していた。「ポーク家は不当な扱いを受けている」


ドキュメンタリー番組『崩壊(crack'd)』
内気で有能なリーは警官として勲章を受賞し2005年の秋、メイソン・ハリスと結婚。最愛の娘フローラが生まれる。しかしリーの薬物依存は夫婦関係に亀裂をもたらし、メイソンとの親権争いに発展する。フローラ誘拐、メイソンの不可解な死はリーの仕業であると警察は踏んだが彼女には状況証拠しかない。地方検事マーク・フィリップスはメディアの取材を受けTV番組に出演するリーを「犯罪ネタで稼ぐ女」とカメラの前で断罪した。しかし薬物専門家マーカス・ミニアーはポーク家で発見されたマリファナは特殊なもので幻覚作用があることを発表。ポーク家での残酷な映像を見せられた陪審員はリー・ハリスの行動に共感し始める。リーの弁護士ステファニー・ホルダーは「幻覚、トラウマ、監禁状態は心身衰弱に陥る典型的な要因である」と彼女を弁護した。リー・ハリスは全件で無罪を勝ち取った。
地方検事マークはリーの容疑を夫殺し一本に絞ることにする。防犯カメラの映像、リーとメイソンの通話記録、そして目撃者である娘フローラの供述によりリーは苦境に立たされるが、「幽霊の友人」プリシラの存在を実在のものとして話す少女の目撃談は信じるに値しないと判断され、16日間を要した評決はリーの無罪であった。リー・ハリスは刑を免れたが、娘の信頼は失ったままである。


生放送『ラナ・ウィンターズ スペシャル』
ブライヤークリフを生き延びたジャーナリスト、ラナ・ウィンターズ​との対談に応じるリーは、元夫の家族に引き取られたフローラとは未だ会えずにいるものの、生きる原動力の全ては娘だと答える。裁判後リーは体験談を出版、話題の人物の本はベストセラーとなり、講演で高収入を得ていた。ラナから1時間前にフローラが失踪したことを告げられたリーは狼狽する。生放送中のスタジオ内に銃声が轟いた。ロット・ポークが復讐を遂げに来たのだ。説得するラナを攻撃したロットはその場で射殺された。


超常現象追跡番組『スピリット・チェイサーズ』11月18日放映分
『ロアノークの悪夢』でクリケットを演じた俳優アシュリー・ギルバートをゲストに迎え、ボブ・キナマン、デイヴ・エルダー、そして技術担当のトレイシー・ローガンらスピリット・チェイサーズ・チームはロアノークハウスへ不法侵入する。ブラッド・ムーンの期間中何か起こるのか検証するためだ。トレイシーの機材が異常な数値を示し、ベッドシーツが吹き飛び、部屋のドアが突然閉まった。窓ガラスに映った人影はフローラを探すリーだった。リーは彼らに今すぐここから避難するように警告する。アシュリーを含むスピリット・チェイサーズは屋敷内で活動を始めた霊たちによって全員殺された。


ニュース映像
ロアノークハウスは警察によって包囲されている。リー・ハリスが娘を人質に立てこもったまま14時間が経過しようとしている、とレポーターは伝えた。『ロアノークの悪夢』でイライアスを演じた俳優ウィリアム・ヴァン・ヘンダーソン、自宅静養中のジャーナリスト、ラナ・ウィンターズがそれぞれインタビューに応じた。「彼女にとってフローラが全て」とラナは語る。


夕闇迫るロアノークハウスにて
フローラと再会を果たしたリーは自らの過ちを認め、再び一緒に暮らすことを提案するも、フローラにはねつけられる。フローラはトマシーンから友人を守るためプリシラと一緒にいたいのだ。リーはフローラに可能性を与えるべく自分が犠牲となってプリシラの保護者になることを約束する。屋敷内にガスを充満させたリーはフローラを逃し、プリシラに持たせた銃で自らの命を絶った。爆風と炎に包まれるロアノークハウス、そして警官に保護されパトカーに乗るフローラをプリシラと手を繋いだリーの霊が見守っている。空に赤い月が昇る頃、松明を掲げたトマシーンの一団がロアノークハウスへ向かった。





終わり








感想

結果的にトマシーンとの約束(クリケットを通じて「ロアノークハウスを焼いてこの地を去る」と契約していた)を果たしましたね。リー・ハリス。その代償として自らの命を捧げて娘を守った訳で、母親が薬物依存(で現在は殺人犯)、粗暴な父親、という環境で育つよりフローラの人生のためには良かったと思うし、ハッピーエンドと言えるのでは。ラナ・ウィンターズとよく似たリーですが、彼女とは逆に子供を守って自分が犠牲になった。ラナはリーを「怪物と戦い、彼女自身が怪物となった」と評していましたが、人生の終え方は立派でした。森の魔女スカアハに命を与えられた者同士、トマシーンとリー、今後の両者の戦いの予感も感じさせます。

終わり方はシーズン4(フリーク・ショー)に似た形だったと思います。「死は、時間のない状態が始まる」と言った哲学者がいますが、フリーク・ショーではエルサ・マーズ(ジェシカ・ラング)は舞台上で死に、死後の世界で永遠のスターになるという筋書きでした。エドワード・モットは同じくシーズン4のダンディの先祖でしたし、思い返してみれば霊能者クリケットは「ニューオーリンズから来た」と言っていて、彼はシーズン3(魔女団)の一員かもしれない。森の魔女も魔女団の最初のスプリームとも考えられます。さらに、リーの死に方は最愛の存在のため自己犠牲で火あぶりになったマートル・スノーを思い出させるものでした。また、リーの薬物依存のくだりはシーズン5(ホテル)に通じるものがある。そして今回シーズン2(アサイラム)の主役ラナが登場。今回のシーズン6第1話で「幽霊屋敷がテーマか、シーズン1もマーダーハウスだったなあ」と思っていましたが、全てのシーズンとつながりがありました。

ラナ・ウィンターズの番組のオープニングがローズ・クオーツの色調だったことに気づきましたか? Pantone によればローズ・クオーツ(ピンク)とセレニティ(水色)は2016年のトレンドカラーで、「気品・流行に敏感・かっこいい女性の色」だそうです。2016年、ローズ・クオーツの色はカルバンクラインの広告やグッチのファッションショーなど至るところで見られ、イヴァンカ・トランプ.com では今でも使われています。ラナは現在それなりの年齢に達しているはずですが若さを保っている(老けた特殊メイクはしていましたが、それでも若い)のは、いまも鋭い感覚のまま第一線で活躍していることとシーズン2の最後に短縮ダイヤルで医師に電話していた部分に秘密がありそうです。

19世紀末アメリカ文壇の大御所ウィリアム・ディーン・ハウェルズの『サイラス・ラッパムの向上』(1885年)の主人公で、ペンキ製造によって財を成した田舎者サイラス・ラッパムは上流社会に仲間入りを目指す野望の一環としてボストンに豪邸を建てます。
アメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸さんによれば、
「<自己創造の意志が外の世界に投影されるとき、アメリカ文学では「館」を建てる(あるいは買う)という形を取ることが多い>ということになると思う。要するに、家を作ることは自分を作ることなのだ。例えばサイラス・ラッパムのように、self-made man(自分で自分を作った男、自力で叩き上げた男)というアメリカ起源のフレーズがいかにもふさわしい、経済的には相当「向上」し、すでにある程度の自己創造を成し遂げた人間にとって、豪邸を建てることは、社会的に自己創造を遂げるための必要不可欠のステップなのだ(結果的には、豪邸は建設中に焼失し、ラッパムは経済的に没落するが、それを機に愚かしい栄華の夢からさめて人間的に「向上」する、というのがタイトルの意味)」
と解説しています。
地獄の3日間を生き延びたことで経済的には申し分のない生活を送っていたリー・ハリスですが、最初から最後まで一貫して願っていたのは娘の幸せでした。館に火を放ち残りの人生を全て娘の未来に捧げたことで彼女の人生は完成したと言えます。









Last updated  October 8, 2017 05:29:41 PM
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