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テーマ:ブックレビュー(17)
カテゴリ:本
あらすじ:在日コリアンの男性がねずみ講ビジネスに翻弄される話
感想: パスカルのパンセに書いてある内容を思い起こさせる内容の小説でした。 ・一人息子を失ってうちひしがれているはずの男が今は不幸のことなど考えていない。なぜか。そのとき男は狩りという『気晴らし』に引き込まれていたため。 ・人間というのはどれほど悲しみで一杯でも『気晴らし』に引き込まれている間は幸せ。 ・狩りで手に入れるウサギの中に真の幸せがあるのではない。ウサギをいきなり差し出されたら、そんなものはいらないと言うはず。人が求めるのはそうした弛緩した平穏なものではない。不幸の状態から目をそむけさせ、考えないでいられるようにしてくれて、気を紛らわせてくれる喧噪こそが求められている。 (パンセ断章139より適当に要約) 【睡魔】の主人公は「在日同士じゃないか」「同胞を助けたい」等の甘い言葉に惑わされ、義理としがらみと腐れ縁に導かれるがまま、怪しげな健康マット販売という『喧噪』に酔いしれてしまう。 目的意識を持ったとき人は挑発的で自己中心的になりがちだが、喧噪に酔いしれるあまり、本来の目的とは違う方向に進んでしまう場合もある。そしてそうなったとき、他人の助言は耳に入らなくなっている。 皆「自分だけは引っかからない」と思いがちだけれど、誰もが陥る可能性のある話だと思った。在日コリアンコミュニティの特殊性についても興味深く読んだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 21, 2012 01:03:05 PM
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