2006/10/03(火)18:06
あの日の約束~第一夜~
『銀ちゃん!』
『また、夕ちゃん?』
『またとはなによぉ~!・・・あのね?』
『ん?』
『あたしね、遠くにいっちゃうの。』
『・・・』
『あたし銀ちゃん以外信じられない!この江戸の人たちは皆怖いもん』
『俺やさしいから待ってるよ。』
『本当?』
『うん。だから絶対約束して?俺のところにまた戻ってくるって。』
『・・・うん///』
―ねぇ、銀ちゃん。あの時の約束覚えてる?
私戻ってきたよ?・・・銀ちゃんの元に―
『じゃぁ!頼むよ!!天然パーマのアンタにしか頼めないんだからね!』
『うん!!!』
あの日の約束~第一夜~
「んあぁ~めんどくせ~」
銀時は食器を荒いながらいう。
今日は、神楽がそよ姫の元へ、新八はお妙と(というか無理やりで)買い物に行き、夕方になるので、すぐ夕飯の仕方が出来るようにと、新八が銀時に皿洗いを頼んだのだった。
「すっいませぇ~ん!!!」
馬鹿でかい声が玄関からいきなり聞こえて、銀時は思わず食器を落としてしまう。
数秒もしないうちに、どすどす足音がこっちに向かってくる。
「おいおい。不法侵入者登場ですかこのヤロー」
「だれが不法侵入者よっ」
「あぁ!?」
玄関の方の足跡の持ち主であろう女の声が後ろからいきなり聞こえたので、あわてて振り向く。
しかし、そこには少女の姿がなかった。
「こっちだよ?」
今度は反対から声が聞こえ振り向く。
「なんなんだよ!」
「よっw」
少女はいつの間にか、銀時に肩車をされている常態だった。
「んあぁ?」
銀時は少女を見上げようとするが、首が回らない…というより、少女が首をしっかり抑えている。
「んもぉぉ~忘れちゃったの?私のこと!銀ちゃん…」
「……!!その声まさか!」
「そのまさか!」
そういうと少女は、銀時の首から床に空中を一回回転して綺麗に着地すると、こちらに向いた。
「夕!」
「おはようございますわ。銀時さん。」
少女はにこっと微笑んだ。
第一夜END