舗道の絵(その3)
今回も前回に引き続き、フライブルクの旧市街の舗装道路上に舗石を使って描かれた、様々なマークについて紹介したいと思います。前回紹介したように、お店の正面の舗道に描かれたマークにはたくさんの種類があり、一つずつ観察していくと興味深い発見がいくつもあります。お店の正面に描かれているマークは、「円の中にそのお店にまつわる絵が描かれている」という形のものがほとんどです。例えば、このアイスクリームの絵は、写真のように、アイスクリームを売りにしているカフェの正面の舗道に描かれています。こういった形をとっているマークはこの他にもたくさんあり、さらに例を挙げてみると、こちらは靴屋さんの前のマークで、黒いブーツの絵が描かれています。また、こちらのマークのお店は、室内の照明を専門に扱っている電器店です。こういったマークの中には、円の形を上手に利用したものもあります。下の写真のような、時計屋さんのマークは、円の丸い形を利用して時計を表現しています。このように、マークのほとんどは丸い形をしていますが、中には「円」という形をとっていないものもいくつかあります。上の写真のお店では、お店の名前をそのまま地面に描いています。まるで広告のようです。下の写真のマークも円を使ってはいません。リンゴの絵の中に、さらに何か別のものの絵が描かれています。いったい何のお店のマークでしょうか?実はこのリンゴの中に描かれているのはコップで、このマークの正面にあるお店はフルーツジュースのお店なのです。「フルーツ+コップ=フルーツジュース」というわけですな。では、次のマークは何のお店を表しているでしょうか?こちらは可愛い女の子の絵です。こういった形のマークは中でも珍しいものだと思います。実はこのマークは…子供服・ベビー服を専門に扱っているお店を表していました。このマークのように、「それ自体では何を表しているのかわからないマーク」の正体がわかったとき、何か新しい発見をしたような気がして、うれしくなります。上に紹介したフルーツジュースとベビー服のお店のマークは、同じ通りに描かれています。それは、この Augustinergasse という通りです。この通りに描かれているマークは、フルーツジュースやベビー服のお店のもののように、他のお店のデザインとは少し変わっています。そういった点で、ここはフライブルクの観光スポットの一つだといえます。最後に、Augstinergasse にあった、わかる人にはわかるマークを紹介したいと思います。それは、こちらのマークです。この“A”のマークはドイツのどこの薬局にもあるものです。ドイツで薬局を見たことのある人ならすぐに気付くマークですな。ここまで紹介した以外にも、お店にまつわるマークはいくつもあります。買い物をしながら、各お店のマークを見ていくのも、旧市街でのショッピングの楽しみ方の一つかもしれません。ただし、一度に全部のお店のマークを見ようと思うと、時間がかかる上にショッピングに集中できないでしょう。私がそれを証明済みです。…疲れました。