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明日への道しるべ@ジネット別館

2004.09.07
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カテゴリ:社会・生活
1.指定管理者制度
 平成15年9月の改正地方自治法の施行により、「公の施設」の管理運営に指定管理者制度が導入され、従来、委託先が公共団体等に限定されていた施設の管理運営について、民間事業者も含めた幅広い団体に委ねることが可能となりました。コスト縮減を狙った規制改革の一環ですが、問題も含まれるように思えます。

2.導入と目的
 「公の施設」の管理運営主体については、公共性の確保の観点から、地方自治法により公共団体等に限られていました(管理委託制度)が、地方自治法の一部を改正する法律が平成15年6月13日公布、同年9月2日から施行され、「公の施設」の指定管理者制度が設けられました。
 これにより、施行日から3年以内(平成18年9月1日まで)に管理委託をしているすべての「公の施設」について指定管理者制度に移行することとなりました。
⇒それで、あっちでもこっちでも指定管理者制度を導入しているわけだ。
 目的はHPを見ると、次のように記述されている。
 指定管理者制度とは、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とするものです。
⇒体裁よく書いてあるが、要はバブルの時期に作り過ぎて、その維持・管理費に悲鳴を上げる自治体が、民間へお荷物の”箱物”の管理を預けようというご都合主義に基づくもの。中には民間でも困り果てるものが含まれている。でも、一方ではビックビジネスに繋がるものも多い。今まで如何にいい加減な管理をしてきたかということが背景にある。

3.公の施設とは
 公の施設とは、具体的には次のものがあります。
1)民生施設… 保育所、母子寮、養護老人ホーム、老人福祉施設センター、老人憩いの家、福祉会館、児童館
2)衛生施設… 屎尿処理施設、ごみ処理施設、下水処理施設、下水終末処理場、公衆便所、健康センター
3)体育施設… 体育館、陸上競技場、プール、野球場、武道館、キャンプ場
社会教育施設… 中央公民館、地区公民館、勤労青少年ホーム、青年の家・自然の家、中4)央図書館、地区図書館、博物館、資料館、小・中学校の開放
宿泊施設… 国民宿舎、その他宿泊施設
5)公 園… 公園、児童館
6)会 館… 市民会館、公会堂、文化センター、勤労会館、婦人会館、コミュニティセンター、集会所
7)診療施設… 病院、診療所

* 庁舎や競輪場、競馬場、教護院などは、「住民の福祉を増進するための施設」ではないので、「公の」施設」には含まれません。
* 「公の施設」でも、学校や病院、特別養護老人ホームなどのように個別の法律で定めがある場合はそれが優先するので、現時点では「指定管理者制度」の対象とはならず、営利企業が受託することはできません。しかし、これについても政府は、「地域再生法」(仮称)という一括法の制定を検討中であり、「公の施設の管理」を抜本的に見直し、全面的に民間に開放することを狙っています。

4.指定管理者制度の問題点 (東京自治労連中央執行委員会による)
1)利用者から見て   ⇒不都合があれば、利用しないだけ
(1) 平等・無差別の原則が守られるのか
(2) 無料、あるいは廉価な使用料が保障されるのか
(3) 施設運営に住民の意向が反映されるのか
(4) プライバシーは保護されるのか
2)労働者にとって   ⇒もっと利用者の視点にたって取り組んでいくべき
(1) 自治体労働者……住民本位の仕事をしたいという自治体労働者の願いに逆行する
(2) 指定される団体の労働者……「価格競争」の中で、雇用条件の劣悪化につながる
(3) とりわけ、これまで公務員並みを一定確保してきた出資法人などで、民間との競争の中で成果主義の強化や労働条件の大幅な改悪と雇用の不安定化を招く
3)公務の本来の役割との関係で  ⇒(1)無駄な税金を使わないが第一
(1) 自治体が住民福祉の向上に寄与する点でマイナスとならないのか
(2) 兼業禁止規定の不適用により、不公正、癒着の温床とならないのか
(3) 議会の関与が形骸化しないか
等の問題点が危惧されます。

5.最後に
 本当に問題があるとすれば、3)の(2)、(3)でしょう。なお、(3)は住民参加のよるコミュニティー事業が進展すれば同じような意見がでると思われますが、議会の役割を認識すれば、その心配がないことは容易に理解されるでしょう。議員は住民の代表なのですから、最後にはその議員の決議を待って進めるということになります。
 最大の問題は、
(2) 兼業禁止規定の不適用により、不公正、癒着の温床とならないのか
ということになります。これには、私も少し疑念を持ちます。
 一旦選定されますと、民間事業者が、施設管理を長い期間独占することになりますので、誰にでも納得のいく業者選定を行って頂きたいものです。コストだけではなく、内容も評価れるような仕組みとプロセスを明らかにして頂きたいものです。そのためには、オンブズマン制度やISOの導入を上手く使う仕組みも必要かも知れませんね。ここでもISOが業者の篩い分けに利用されることになるものと思われます。仕方ない面もあります。

追伸
自治労のホームページに指定管理者制度のQ&Aがあります。様々な疑問と回答が用意されていますので、参考になります。

<参考資料>
1)(NIKKEI.NET H16.09.07)「島根県が指定管理者制度を導入へ、25施設を民間に委託」
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20040906c6b0602s06.html

2)横浜市総務局 「指定管理者制度 関連情報」
http://www.city.yokohama.jp/me/soumu/gyoukaku/siteikanrisha/

3)東京自治労連中央執行委員会 「指定管理者制度に関する当面のとりくみ方針」
http://www.yo.rim.or.jp/~tokyojic/news/040115b.htm

4)自治労 究極の「自治体リストラ法」「株式会社委託が可能になれば 税金でつくった施設で大もうけ?」
http://www.jichiroren.jp/restora/p01-3.htm

5)ジネット本館 「水道事業・下水道事業関連業者にISOが普及・拡大!」
http://members.jcom.home.ne.jp/g-net-db/ISO_suidojigyo.htm









最終更新日  2004.12.04 00:02:56
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