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カテゴリ:教育
実に40年ぶりに文部科学省が、学校教員の勤務実態を調査することになった。
調査対象となるのは、悉皆ではなく抽出のため全体の六分の一程度に留まるだが、先ずは歓迎したい。 最後に全国調査が行われたのが、1966年、つまり昭和41年であるから、現職教員は、任用以来一度も調査を受けていないということか。 文部科学省の怠慢、恐るべし。恐るべし。 管理されることを嫌う、日教組が勤務評定反対、主任制度反対とデモにストに明け暮れていた時代でも、教員は他の地方公務員よりも優遇されてきた。 文部省は、一体何を基準にして教員の給与水準が適正であるか、適正でないかを判断してきたのだろうか。 一昨年来の首相肝いりの「経済財政諮問会議」の席上、他の出席閣僚、民間委員から「文部科学省は何を根拠に義務教育費の国庫負担が必要と主張するのか」「現場のデータを蓄積しなくて、どうして国の支出でなければならないと言えるのか」と詰問されて、文部科学大臣は縮み上がり、ようやく腰を上げたのだが、そんなことは財務大臣や総務大臣から問われるまでもなく、自らやっておくべきことだった。 「日教組の抵抗が激しくて」という逃げ口上は、文部科学省の事なかれ体質を隠蔽し、結果を見れば公立学校に通う子供と保護者を犠牲にして、日教組と文部科学省は水面下で癒着していたということである。 戦後教育は、文部科学省の詰め込み教育とか、競争主義で批判されることが多いが、そうしたことよりも、何故ここまで荒廃し、公立学校が国民からあきれられるほどの体たらくに至るまで、放置し続けてきたのか、その不作為こそ問われるべきである。 文部科学省が、自らの教育政策について、その結果を検証し、国民に公表して信を問うという姿勢で一貫していれば、文部科学省への同情も集まったことだろう。 平沢勝栄議員が言っていた。「大病院では、患者が医師の経歴や手術の実績などを知ることが出来、自分で選択することが出来る。気に入らなければ帰られる。義務教育では、学校を選ぶことも、先生を選ぶことも出来ない。その先生の経歴を知りたくても、「個人情報」といわれてしまう。問題教員に当たれば、諦めるしかない。保護者が私立に進ませたがるのは当然だ」と。 また、埼玉県の私立狭山ヶ丘高等学校の小川義男校長は、「埼玉の平均的な公立中学生は、月5万円の月謝を払って塾に通っている。学校以外で年に60万円以上払わなければ学力が身に付かない。塾に依存する公立学校の存在意義はどこにあるのか」と。 今回の調査が、教員の身分のあり方について現行の地方公務員のままが良いのか、それとも独立行政法人の職員のように準国家公務員とするのが良いのか、また終身免許か更新制か、懲戒処分の強化の是非などの議論に寄与することを望む。 願わくば、次の調査が40年後になりませんように。 (以下引用) 40年ぶり、教員の勤務実態調査へ (読売新聞) 文部科学省は28日、小中高校などの教員の労働時間や超過勤務の状況について全国調査を行う方針を固めた。国がこの種の調査を行うのは1966年以来40年ぶり。 高過ぎるという指摘のある教員の給与水準が適正かどうかを判断する資料にする目的で、今秋の調査結果とりまとめを目指す。 調査は全国の公立小中高校や養護学校などに勤務する教員約90万人から抽出した十数万人規模で行う見通しだ。具体的な項目は年度内に詰めるが、〈1〉通常の勤務時間〈2〉超過勤務時間〈3〉超過勤務の理由(放課後指導、教材研究、部活動指導、会議など)――を中心に調査する方針だ。テストの採点を自宅で行うといった「持ち帰り残業」の実態についても調べる方向だ。 また、「先生たちも夏休みの間は休んでいる」との誤解も多いことから、夏休み中の勤務状況についても初めて調査する。 教員の勤務実態調査が40年間も行われなかった背景には、日教組が「管理強化につながる」などとして強く反対してきた経緯がある。しかし、組合員から「教育現場で過重な負担が教職員にかかっている実態を明らかにする必要がある」などの声が上がったことから、日教組自身が93年からほぼ2年に1度、実態調査を実施している。2004年調査では時間外勤務の合計は1日平均2時間9分、1か月換算で約43時間と、厚生労働省調べによる同年の全産業平均(10・3時間)の約4倍となっている。 教員給与は一般行政職より優遇されていることから批判され、公務員の総人件費改革の一環として来年度、見直しを検討することになっている。文科省や自民党の文教族は見直しに反対しており、調査の実施には「基本的に残業手当が付かない教員の給与が、勤務実態と比べて高いのか低いのかを示して国民の理解を得たい」(文科省幹部)との思惑もあるようだ。 [ 2006年1月28日14時34分 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年01月30日 19時57分52秒
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