仕上げのとき
ラストランは掲示を始めた初日から次々と申し込みが来ている。 残り一か月となり、自分が何をしなくてはいけないのか。 その答えが、きっとみんなにも分かってきているのだろう。 頑張ろうという連鎖が広がることはいいことだ。 「真剣に本気でやるか?」 「はい!」 履修届を出しに来た生徒への問いに、 元気な声が返ってきた。 仮に本気の時間が全体の5分の1であっても、 そこで掴んだものは正のエネルギーになる。 待っていては得られないものが周りにはたくさんあるのだ。 自宅にて自分のやり方で勉強するのが悪いのではない。 ただ、行動によって生まれるチャンスや発見を大事にして欲しいのである。 家でやる時間は夜にあるではないか。 ゼミも毎日休みなくやっているわけではない。 限られたゼミの時間には集中して参加し、知恵を持ち帰り、 さらに家でも自学を頑張るのである。 力というものはそういう手順を踏みながら具わっていくものだと思う。 もうひとつ、この時期の考え方で注意しておきたいことがある。 それは、残りの期間、入試まで、 「この科目は大丈夫」という意識を一度捨てなさいということだ。 それぞれ得意科目や苦手科目があると思うが、 得意なものを大丈夫とし、苦手科目ばかりやっていると、 せっかくの得意が錆付いてしまうので注意したい。 やはり直前は全体を満遍なく押さえておく必要がある。 また「得意」というのも何をもってして得意なのか、 得点力はどの程度なのか、さらに伸ばしていく余地はないのかなど、 もっと細部にまでこだわって欲しい。 何度も言ってきたが、入試は全体力で決まるのである。 苦手の数学の+5点も、得意の社会の+5点も、同じ価値がある。 残りの期間で効率を考えた仕上げをどうしたらいいか。 各自考えてみよう。