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久しぶりに、夕方を歩いた。
本当にきれいな夕方だった。 8ミリフィルムの中に入ってしまったかのような 夢のようなオレンジの世界は、一瞬時間が止まってしまったかのようだった。 赤とんぼを歌いながら歩いた。 雨上がりに出来た水溜りの鏡に、透き通る空が映ってた。 更地になった広い土地を、おじいさんが眺めていた。 おばあさんと、あばあさんと、おばさんが道端でおしゃべりしていた。 芋の煮える匂いがしてきた。 きっと、夕飯ができるまでピアノの練習をしているのだろう、ギコチナイ音が聞こえてきた。 きっとこれからデートの約束をしてそうなお姉さんが街を眺めてた。 首からIDタグを下げてる働く人が、緑道のベンチで一服していた。 これから飲みに行きそうなサラリーマンが笑っていた。 いい時間だ。 夏の特別な時間だ。 そのまま帰るのがあまりにももったいないので、下北によって帰ることにした。 下北についたら夕方は終わってしまっていた。 残念。 夕方の次の世界は、暗くても楽しい、光る街だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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