2009/01/03(土)01:09
エカマイのパブで大晦日に火災・・・
新年早々、とても悲しいニュースを聞かされました。今タイに里帰り中のカオマンガイ専門店「プイ」さん一家の親戚の家へ、昨日、今日とぷち「うるるん滞在記」させてもらいに行っていたのですが、車に乗った瞬間、A子さんと飲みに行くのが大好きなプイぷいさんの弟、プーさんが「よっしーさん!しってました?」と言ってきたので、「な、なんですか?」と話を聞いてみると・・・
大晦日のカウントダウンイベントをやっていたソイエカマイにあるパブ「SANTIKA」が全焼。現在のところ59人の死者が出て、重体を含めけが人も多数。日本人の負傷者の方も含まれているとか。
その日はタイで有名なJOY BOYが出演したり、このパブの最終営業日であったり、さらにはカウントダウンであったりという、混み混みになるべくしてなった日だったので、当然多数のお客さんがいたのだということ。
・・・え?SANTIKAって・・・何度か行ったことがあるぞ・・・なんかいつも混んでて、前のほうにあるステージに行くには入り口から下のほうへ降りていかねばならず、面倒くさくて入り口近くカウンターでお酒たのんで、後ろの方にしかいたことしかない気がするんだけど。
金持ちそうな人がたくさんきてたような気がするよ・・・なんかドリンク1杯の値段も高かったし。
あたしのカウントダウンはこちらで知り合ったは●みねぇさんのお誘いでタイ人の皆さん総勢20人近くとクレット島に遠足に行き、タイ人のみなさんと大はしゃぎし、大好きなチャオプラヤ川で花火を見て「おわったらクラブでも行く?」なんて話になっていたんだけど、かなり眠くて花火終わって帰っちゃったのよね。
にぎやかに騒ぎたいカウントダウン。自分の好み、誘われた人の好み、見たいショーや、カウントダウンの瞬間の盛り上がりのシチュエーション・・・その日の気分や一緒に行った人とののりで、その場所を選択し、小さなきっかけで誰でも巻き込まれていたかもしれない、そして誰にでも起こるかもしれない最悪の瞬間だったのだなあと思うのです。
出演する人によっては、気分によっては、もしかしたら自分も選んだかもしれない場所だったはず。
セントラルワールドのカウントダウンに行く、チャオプラヤ川で花火を見る、旅行に行く、犠牲者の方々はいろんな過ごし方の中からそのパブをとっておきのカウントダウンの場所に選んだだけで、何も悪いことをしていない。ただ新年を楽しく祝いたかっただけ。
なんだか気が沈みます。自分もバンコクでカウントダウンを楽しんでいた、ところまでは同じだったのですから。
恐らくカウントダウンの瞬間はあたしが花火を見て「うわあ!きれい!」と感動していたように、最高潮の盛り上がりだったのでしょうね。
そのすぐ後に起こる悲劇を、その瞬間、その場にいた人たちはしらなかったことでしょう。楽しい場所から一瞬にして地獄のような場所へ。
火事だと知るまでたくさんの笑顔があったことでしょう。乾杯をたくさんしたでしょう。
バンコクって建物の安全基準が甘い。日本はコンサートで火に関する取り扱いはとても厳しく、「特効ではここまでしかできないから」と法律の厳しさに頭を痛めるスタッフさんの姿をよく見たし、プロモーションビデオを撮影するにも、火を使えるのはここまでだから、バンコクで撮影した、なんてバンドの話も聞いたものです。
そう思うと、日本の撮影やイベントでの火気の取り扱いの法律の厳しさは、このようなことが起こらないための最善の厳しさであったのでしょうね。
安易に火が使える。地震がないから建物の建築やデザインも、斬新で突拍子もないことができる・・・その先にあるものの恐さを危うさを、このような悲劇が起こってからしか認識できないのは悲しい。でも情けないことにタイがそういうことが甘い国であることを、忘れていました。自分の身は自分で守らないといけないんだなと思いました。
でも・・・楽しいイベントの最中に何度も非常口の確認できるかな。
あ、そういえば日本は公演のセットの邪魔になろうがなんだろうが、非常灯の電気は消さないもんね。
タイの新聞にはとてもリアルに写真が掲載されるので、思わず目をそむけてしまうような犠牲者の方たちの写真が載っていました。
みんな逃げようと同じ方向を向き、折り重なって倒れていて・・・生きようと、その瞬間まで生きようと。
その瞬間がおとずれるまで、今年はいい年であるようにと願ったはずです。サラブリの田舎の平和なおうちで新聞を見て涙が出ました。
犠牲者の方の冥福を祈ると同時に、せめてイベント時の火の取り扱いに関する法律を見直し、それをきちんとお店が守るようにしてもらえたらと願わずにはいられません。
この滞在の4ヶ月の間、空港閉鎖とか・・・なんだかタイの悲しいニュースを書くことが多かった気がします。楽しいことはもっとたくさんあったけど。
それが残念でなりません。
読売新聞より引用
バンコクのクラブで火災、死者59人…邦人1人重体・3人けが
タイの首都バンコクの高級人気ナイトクラブ「サンティカ」で1日午前0時(日本時間同2時)過ぎ、年越しを祝うイベント中に火災が発生し、地上2階地下1階建ての同クラブが全焼した。
この火事で客59人が死亡、邦人男性4人を含む229人が負傷。邦人のうち、休暇でタイを訪れていた東京都文京区の会社員、和田桂一さん(38)が背中などのやけどで重体、3人は重軽傷を負った。
タイ警察によると、死者のうち42人はタイ人で、1人がシンガポール人。残る16人(うち女性12人)の身元は確認できていない。在タイ日本大使館は邦人が含まれていないかどうか確認を急いでいる。
出火当時、タイ人や外国人客ら約1000人で満員状態で、花火を多用した新年カウントダウンイベントが行われていた。
警察は、1階ステージ付近から上がった花火が天井やカーテンなどに燃え移った疑いがあるとみて調べている。
捜査関係者は本紙に「クラブ側が避難誘導を怠った」と語った。同クラブは老朽化などの理由で移転を計画、越年イベントがこの施設で最後の営業だった。
(2009年1月2日22時08分 読売新聞)
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