徒然なる五星亭

2008/09/23(火)00:11

秋深し

凡庸凡福のモノ(46)

夏は遠くへ過ぎ去って、季節はいつの間にか秋。お彼岸のお墓参りした帰り道、利府町の沿道には秋の風物詩、梨直売所が立ち並んでいた。立ち寄ったのは利府街道沿いの立派なやつじゃなくて、裏道に入ったトコにある農家の軒先のお店。7個1山で1,000円。市場に出荷するには形が不ぞろいで多少傷もある。店の選択を間違ったか!?失敗したかなぁと一瞬躊躇するも大好きな梨の誘惑に勝てず、店番をしていたおばあちゃんにコレ頂戴と大ぶりで比較的綺麗そうなやつを指差した。「そいづ、かてぇやつだけんど、やぐもっちゅう梨だがらおまけでこのやわっけい梨けっから、こっつのは幸水だがら。」と、にこやかにそしてキツイ訛りで梨のコトを説明してくれた。ハナシの半分も理解出来なかったが、梨を4個おまけしてもらい、気さくなおばあちゃんに少し気後れしながらもありがとうとお礼を云って帰路についた。その夜、梨をテーブルの上に並べて、改めてマジマジと眺めたが、形は不ぞろいどころか大きさもマチマチ。ちょっと傷もあるも、なんとなくその不恰好なのに愛着がわいてくる。少しくらい不恰好の方が味があるもんさ。と、独り言ちて梨の皮をむき、シャリッと口に放り込む。 うん、思ったとおり、見てくれに反比例した甘みと瑞々しさ。なんとなく梨売りのおばあちゃんを思い出して、感謝しながら秋の味を楽しんだ夜長なのでした。

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