ナイスです、社長様♪

この不況はいつまで続くのでしょうか。

他人事だったニュースが、とうとう我が家にも押し寄せ…

そして、現実に。






本日で、　母が解雇　されます。

２ヶ月前、５０歳以上の社員全員に通告があったらしいのです。

３０名の社員の内、該当は５名。


「私はまだ女やから。
　でも、他の人は大変やと思う。
　そんなにショックは受けてへんよ。
　全く受注がないんやから仕方ない。
　大丈夫、大丈夫！　それほどショックやないよ」


強がる言葉が切ない。

納得いかない…　言葉とは裏腹な母の表情。




あれから、あっと言う間に２ヶ月。



３月３０日。

「こんな大きな花束貰ったの、生まれて初めてやわぁ♪」


送別会で手渡された花束。

カサブランカとバラの大きな花束。


「クビになるんかぁって思ったけど、
　長年お世話になったし、
　ちょっと早いけど、定年やと思うことにしてん」


花束を抱えた母は、晴れやかな顔でそう言った。



「努力不足で申し訳ない。長い間、本当にありがとうございました」

肩を震わせ、一人一人に頭を下げる社長さんの姿が気持ちを和らげたらしい。




退職金はない。

有志一同からの餞別が僅かばかり。

長年働いても、特に残るものはない。


でも、ほら♪

蕾だったカサブランカが一輪、今朝の光で花開いたよ。





今日は期末でちょっと遅くなるけど、

帰りに定年祝のケーキを買って帰るからね♪

大好きなアップルパイとモンブランを。







社長様。

早く事務所に出て来てください。

近々、扶養手続をお願いしたいのです。








今日の一品。

お母さん、定年おめでとう！