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テーマ:お勧めの本(7478)
カテゴリ:大人の読書感想文
椎名家の一家の話を描いた作品としては、かなり最近 の話。とは言っても10年ほど前だろうけど、息子の岳君 は既に25歳。サンフランシスコに留学した息子、ニュー ヨークに住む娘と、数年ぶりに家族4人が揃い、どこか ギクシャクした家族の風景を自然に描いている。 この作品も比較的新しい作品なので、文体はしっかり しているし、きちんとわかりやすい設定になっているので、 ちゃんとした私小説となっているのだが、やはり僕は 昔の椎名流の荒削りで、ルール無用のエッセーの方が 何となく好きですね。 この小説では青年となり、大人となった子供達と彼ら と微妙な隙間ができてしまった椎名さんの、ちょっとした 苦悩というか、うろたえている姿が多く描かれている。 岳物語で、あれだけ仲の良かった親子が、何となく ぎこちない会話をする、何だか気を使いあっている感じ のコミュニケーションを取り合っている。どちらかと いうと変化することに頑張っている子供達に対して、 応援しつつも、昔の親密な関係が忘れられなくて、 どうして良いかわからなくなってしまっている椎名さん の方が、ちょっと老いたなーと思わせるところもある。 僕の心のバイブル、ドラマ「北の国から」シリーズでも 純や蛍と五郎さんの関係って、そんな感じだったような 気がする。まぁ、五郎さんは開き直って、無償の愛情を いつでも投げてくるので、毎回涙腺が緩みまくってしまう のだけどね。 思えば、僕も両親と一緒に過ごす事に対し、苦じゃなく なったのは30過ぎて結婚してからかもしれない。それまで は、親と一緒にいても話すことも大してないし、不自由さ を感じていたのだが、僕にも家族ができたことで両親との 過ごし方も、随分変わってきたようだ。 恐らく、僕と同世代の岳君はどうしているのかな?少しは 両親との距離は縮まっているのだろうか?北の国からでは 同世代の純や蛍の成長が面白かったのだが、椎名家の子供達 が、どのような成長を遂げているのかも気になっている。 もう既に椎名さんは、描いているのかな?? GOLA お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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