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テーマ:お勧めの本(7892)
カテゴリ:大人の読書感想文
ムムムムムなのである。 もっと言えばム?ムムムムムムムムム~!?!?なのだ。 この物語、単純に言えば探偵もどきが事件の闇を暴いていく という一般的なミステリ。終盤まではそんな風に思っていた。 正直、文体はあまりしっくりこないし、物語の展開もこれと 言って引き込まれるような内容でも無いけど、まぁ読めなくは ないなぁと思っていた。 ところが、だ。 終盤、物語の全容が見え始めたころに、ム?なのだ。 そしてあっというまにムムムムムムムム~!?なのだ。 詳しくは書かないが、アヒルと鴨のコインロッカー を読まれた方ならば、似たような作風とだけ言っておこう。 小説という文字だけのエンターテイメントは、読み手が勝手な イマジネーションを脳内に展開させることで、世界感を伝える ことが初めて可能になる。演劇や映画であれば、実像や映像で、 漫画でも絵で具体的に視覚に訴えることで、世界を見せること ができる。インパクトとしては後者のエンターテイメントの 方が高いと思うのだが、小説の場合はテクニックを駆使する ことで、読み手を欺くことができる。 今回読んだこの小説は正にそのテクニックで、読み手を完全に 欺いて、ムムムと思わせることに成功している。決して嘘を ついているのではなく、必要と思われる情報を書かずに、何と なくイメージを誘導することで、見事に欺いているのだ。 人は知恵をつけ、経験を積むことで、少ない情報からイメージを 膨らませて、存在する情報以上の妄想をすることが可能になる。 そんな能力を逆手にとったような、この作品。ムムムなのだ。 嘘をついていなければ、だまされる方がアホなんだなぁ。 深い意味はありませんが。 GOLA お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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