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テーマ:お勧めの本(7891)
カテゴリ:大人の読書感想文


この本、2/26に紹介しようかと思っていたのですが、
何しろ600ページ以上ある分厚い本なので、読み終わる
まで時間がかかってしまいました。宮部みゆきが綴る、
二二六事件を舞台にしたタイムトラベルミステリー、
「蒲生邸事件」です。

タイムトリップもの、二二六事件が舞台といえば昨年
読んだ恩田陸の「ねじの回転」を思い出す。ねじの回転
は二二六事件そのものを題材にして、歴史を検証する
ような物語であったが、この蒲生邸事件は二二六事件は
あくまでも背景であって、舞台となるのは元陸軍将校の
屋敷、蒲生邸である。この蒲生邸で起きた自決事件を
めぐるミステリーが本書の軸になっているのだが、この
小説が読者に問うのは犯人当てではなく、人にとって、
歴史とはなにかということだった。

現代でホテル火災に会い、窮地を謎のタイムトラベラー
平田に救われた主人公の孝史。彼が連れられて着たのが
二二六事件がまさに始まる寸前の帝都東京。とまどい、
傷つきながらも、この時代に生きている人々と接する
ことで成長していく主人公の姿が、なかなか良かった。

あまり書くとネタバレになるのだが、クライマックスの
シーンは良かったなぁ。宮部みゆきの文章力と構成力が
存分に活かされた作品だったと思った。

こういう本を読むと、元々歴史好きなので昔の史実とかを
詳しく知りたくなりますね。宮部さんの本をまたいろいろと
読みたくなりました。

GOLA





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最終更新日  2008年02月29日 22時18分45秒
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