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テーマ:お勧めの本(7422)
カテゴリ:大人の読書感想文
畠中恵の「しゃばけ」シリーズ第三弾、「ねこのばば」読了。 史上最弱の主人公、長崎屋の若だんなこと一太郎。江戸の町 で起こる事件を推理し、妖怪達の力を借りて解決していく、 大江戸人情推理帳です。 本編は、茶巾たまご/花かんざし/ねこのばば/産土/たまや たまやの五つの短編で構成されており、いつものとおり洗練 された推理と、江戸情緒たっぷりの物語となっている。 シリーズを重ねる毎に、それぞれのキャラクターを深堀する 内容が盛り込まれており、次も読みたくなってしまう展開が 心憎い設定となっている。また扱っている題材も、程よく 洗練されており、読み手にとっては面白くなるばかりだ。 例えば、ある物語で殺人を起こした犯人が語る言葉。 「なぜ人を殺してはいけないのか?」という言葉。 このような言葉は、ここ数年実際に起きている無差別殺人の 犯人が語っている言葉と微妙にリンクしており、現実社会が 抱えている病的な現状を風刺していると思われる。また、 ある物語でも、殺人事件の犯人は「人助け」の為に金が必要 だから人を殺したと言う。これもまた視野の狭さから事件を 起こしてしまう最近の若者の事件を思い起こさせる。 読者を楽しませ、ぐっと引き付け、ちょっと考えさせる。 そんな軽さと深さを兼ね備えた一冊でした。すごく面白かった です。 GOLA 追伸:試験勉強の為、しばらく読書から遠ざかります。11月に なったら読書を再開予定です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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