グラスホッパー
伊坂幸太郎のグラスホッパーです。伊坂幸太郎の本、何冊目だろう?とりあえず、文庫本で出ているものは全て読んでいることになりますね。「死んでるみたいにいきたくない」この本の帯にも入っているこのメッセージが物語りの軸になっています。妻を殺され、犯罪集団に潜り込んで復讐を狙っている元教師の鈴木。ある種の催眠術のようなマインドコントロールで、ターゲットを自殺に追い込む殺し屋の「鯨」。そして俊敏な動きと、余計な慈悲を持たずにターゲットをナイフで殺す「蝉」。三人の物語がパラレルに進み出し、そしてある事件をきっかけに三人の人生が交錯していく。この物語で共通しているのは、「死」が日常になっているような登場人物達が、死から逃げるのではなく、現状のしがらみを打破するために、流されながらも自力でもがいていくという部分。そこらへんに「死んでるみたいにいきたくない」というメッセージが重なるのであろう。相変わらずの絶妙な会話のテンポと、言葉の選び方は秀逸。そして物語が入り組んで交錯していく構成も絶妙。だけど、正直なところ、今まで読んだ作品と比べると、特別に優れた部分はあまり感じなかった。今までは何か一つでも心に残る強烈なメッセージがあった(神様に悩みを打ち明けたら、「自分で考えろ」という啓示をうけたとか)。ところが、今回の小説では、まぁ上手な言い回しは多いのだが、それほど胸に響いてこなかったという感じである。とは言え、現状を打破するための、それぞれの生き方という部分においては、何となく今の自分を重ねて見てしまう部分があったりして、何となく深く考えてしまう部分もあったりした。うーん。ちょっとハードボイルド寄りすぎたかなぁ。もう少し軽めのストーリーで、ハードなメッセージがあるような小説の方が好みだったりします。伊坂幸太郎だからこそ、期待しすぎているのかもしれませんけどね。今日のところは以上。あ、飲みに誘ってと昨日のエントリーで書いたにも関わらず、誘ってくれているのはこのブログを知らない人ばかり。来週、まだ予定が空いてたりするので、早く僕を誘うように!GOLA