百鬼夜翔完結編三部作
シェアードワールド・ノベルズ 百鬼夜翔
霧が閉じる黄昏(上巻)・ 霧が惑う暗夜(中巻) ・霧が開く黎明(下巻)
友野詳・グループSNE 著 角川スニーカー文庫
輸入版テーブルトークRPG、GURPSの第三版対応。
日本オリジナルの世界設定シリーズ”百鬼夜翔”の世界観サポート小説、完結三部作。
前シリーズとして、”妖魔夜行”が存在する。 |
…ファン曰く、問題のシリーズ完結編。
その意見、深く賛同します(涙)。
"絶対に人間不信にはならない、アングラにおちない"という前提の下で、シリーズのほのぼの担当であった『ひかり』。その彼女を『サバドの魔女』として主犯格に引き抜いたのはまずかったのでは(汗)。
死人を出しまくった<バグの製作者>を、人間というだけでほとんど無罪放免にしたり(頭痛)、ワヤンと石動が必死で守ったルゥを犬死させたり。
その、その結末だけは無いですよ…。
細かいところでは、マリアンヌと早坂神父のエピソードが進行しないまま、神父が滅びました(涙)。
短編の『狂う傷』が大好きだった自分としては、号泣するしかないです。
ラストに向かっての石動の変化だけは素晴らしかったです。
震災前の感情をゆっくり取り戻しつつ、ハードボイルドもさらに決めていく彼が渋い(惚)。
対照的に、律子は悲惨そのものです。
幼馴染には振られ、二度も記憶を奪われ、妖怪には取り付かれ、妖怪を大量虐殺し、憧れは二人とも死亡、最後には妖怪を押し付けられ…。
番外編で少しは報われるといいんですが…。
いろんな意味で、シリーズがひっくり返されて放心状態です…(涙)。 |