カテゴリ:西遊記
「だけど、忘れんな!」
叫ぶ。心も魂も、全て虚空に吐き出して、この苦しみごと消えてしまえと言わんがばかりに。 いや、自分が消えることで、この絶望と悔恨が消えるのなら、迷わず消えてやる。 「五百年経っても、一千年経っても!死ぬ事を選んだ坊主の名前を想い出す度に! 心が、体が、ばらばらに砕けちまう奴が居るって事を!」 それでは、「展開へのツッコミ」Part2と、雑感を語りたいと思います。 一晩置いたら突っ込みたいところが増えていて、自分でもびびりました(笑)。それも含めて思いっきり語りたいと思います。 悟空の血を吐くような台詞はすごく良かった。役者さんの演技を思う存分堪能はさせていただいたのですが…。 やっぱり『悟空だけの説得で心が動く』のは、“感情リアル”としても、これまでの展開からしてもどーかと(汗)。 説得の基本は“受容”と“共感”です(←いや、それは説得じゃなくって『カウンセリング』の基本ですから、自分)。 ここでは悟浄が三蔵のやろうとしていることを一部『受容』、八戒が三蔵の気持ちに『共感』、その上で悟空が説得するのが一番です。 …カウンセリングでは、重度の患者さんの気持ちを全て受け止めると、カウンセラーごと自滅します(汗)。だから、一部だけ受け止めて、受け止めきれない部分を残す必要があるんです。 この『受け止めきれない部分』=『三蔵の死』を、間違っていると悟空が論破すると良かったのではないでしょうか。 ここは“感情がリアル”であるほど盛り上がるシーン。だからこそそういった感覚にも鋭敏であって欲しかったかな。 ★7.竜宮の悟浄 確かに“悟浄と金魚”がくっつく展開はすっごく嬉しい。第四話からのリンクでもあるわけですし。 …ですが。 「ここで竜宮を出してどーするっ(全力ツッコミ)!」 『旅をしている』という雰囲気を出すには、“移動距離と移動時間”を肌で感じさせるのが大切です。 それなのに『第四話で通過した場所の近所』に、すぐさま戻ってきてるのはまずいでしょう(滝汗)。 これまでは“八戒(&悟浄)ダッシュは金斗雲より早い”などと苦笑いしていました(第一話その六など)。 でもよりによって『天竺←→砂の国』の距離を悟浄&八戒に速攻移動させてどうするんですか。 徒歩で旅する意味が無くなるので止めて欲しかったです(汗)。 せめて『迎えに出た金魚と一緒に竜宮に向かう』途中で、悟空が捕まえるという演出はできなかったかな(遠い目)。 それができなければ、 “純血の妖怪は『龍穴(時空の裂け目のようなもの)』を利用し、時間を短縮できる” “一度行った場所ならすぐに行ける仙術を心得ている” などの理屈付けが欲しかったです。 ◆1.鈴 …もしも今回、一つでも『これまで出てきた小道具』の再登場が無かったら。 確実に九話並に吼えていた事と思われます(遠い目)。 忘れ去られていなくて良かった…。 錫上の鳴環の下についている、三色の紐の付いた鈴。それは一話からのリンクです。 今回は所々、一話からのリンクがあって楽しかったです。四話(金魚)と九話(勇気とは~)、八話(八戒の赤ちゃん)からもリンクはありましたね。 …欲を言えば他の回からのリンクも散りばめてくれると、もっと話に深みも出るし、続けてみていた視聴者へのサービスにもなったと思います(総集編シーンとかはサービスじゃない。キッパリ)。それが残念ですね。 鈴の使い方は良かったです。 ◆2.生きて帰る覚悟 「硬い鍵が掛かったぜ!」という台詞や、“ある程度敵を引きつけたら、すぐに逃げる”という思惑は良かったですね。 よく考えたら、『自己犠牲の無意味さ』を先に説いたのは三蔵なんですよね(第九話)。これを先ほどの説得の鍵に据えても良かった気がします。 “盲目に自己犠牲に走る主人公”はかなり嫌いです。 でも、“可能性がある限り、自分も守るべき相手も、両方が助かるように動く”キャラクターは好きです。その意味ではかなりツボに入りました。 ◆3.「お師匠さんなら、こうしたかなって」 なぜ私はここで、『竜の子太郎』を思い浮かべてしまうのだろう(遠い目)。 「誰かが飢えているなら、食べ物を分け与えるのではなく、食べ物を自給する術を与える」 という、そんな行動がツボに入りました。 …食べ物がそんなに早く実るかどうかは、突っ込まないでおくとして(苦笑)。 『お師匠さんならこうする』という考え方は、“彼が三蔵から心を分けてもらった”ことを上手く暗示していました。 この描写はかなり好きでしたね。 ◆4.お釈迦様 原著設定を知っていると、『大雷音寺』とお釈迦様の関係の描写に関してフジに講義したくなるらしいです(苦笑)。 まあ原著では“釈迦如来がトップに立つ、もっとも尊い寺院”ですから。 とはいえ、ドラマの中ではあくまで“人間が勝手に作った寺院”のようなので、その辺りは深く突っ込まないでおきましょう(その一参考に)。 『堺正章さんが、ゴダイゴに合わせて棒を振るう』メタ・フィクション展開。…『メタ・フィクション』って、やっぱり使いどころを選びますよね(遠い目)。 直前に『頑張った』連呼があっただけに、現実に引き戻されてかなり引きました。できれば『堺さんによる棒捌き』は別の回にお願いしたかったかも(滝汗)。 ラストに『お釈迦様誘拐』の下りが来た時には噴きましたね(おひおひっ)。 仏教の世界観ではそれこそ、“天地がひっくり返っても起こりえない”出来事。 でも“世界を支える至高の存在が倒れる”パターンは、無いわけじゃないんですよね。 考えられるケースとしては。 A.“三蔵にはまだ経を読み解く能力が足りない。故にわざと行方をくらませた” B.“世界の乱れを、自身の力で抑えていた。しかしその途中で力尽きてしまった。” C.“人間に憧れていたので、力を封じて人間になってしまった(←『ドラゴンクエストV』の竜神がそれ)” D.“世界を支える四神が弱ってしまったため、彼らに力を分け与えていた。だが分け与えすぎにより弱体化。その時点で、今度は邪神に誘拐された” E.“至高者の世代交代のため、一時的にいなくなってしまった” F.“他所の宗教(一神教)の神が襲ってきた” …この他にも『魔法騎士レイアース』第一部のエメロード姫のケースもあります(…あの『自殺願望』ネタだけは無い。絶対無い。汗)。 まぁ、Dは『SMAP残りメンバーによる四凶役』ネタが忘れられない管理人による妄想としても(汗)。 『大雷音寺』を腐敗させたフジ版『西遊記』なので、どれであってもおかしくは無さそうですよね。 …続編、やる気満々ですね(苦笑)。それはそれで楽しみですが。 続編やる気満々ですよね。 でも個人的にはプレ・ストーリーを作成して、『悟空や八戒や悟浄の過去、西安の街などの設定』を掘り下げてもらいたいです。 そちらの方が観たいですね。 願わくば『フードファイト』(日テレ系)のような“ネタ丸投げのまま、未完”という悪夢だけは止めてくださいませ、スタッフ様(深く、深く、頭を下げる)。 さて、次回はSP。どんな話になるのか、楽しみです。 SPの感想と一緒に、感想の総括もお送りしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/03/26 09:47:06 PM
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