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GOlaW(裏口)

2007/02/28
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「どういう、意味ですか?」
 違和感が少しずつ降り積もり、警告を発する。
 何かが、おかしいと。
 されど、歯車はとうに狂っていた。

 ──34年前に。


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 今回もまた、『爺さん暗躍』の回でありましたね(頭痛)。
 主軸である『高炉爆発』も印象的ですが、私に強く印象を残したのは『ミラー・イメージ』、そして鉄平が『己は潔癖な存在でない』と自覚するラストでした。

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 『エロスとタナトスは仲良し』。

 これは久美沙織さんの小節指南書からの引用です。
 物語において、相対する二つの事象は、互いに互いを引き立たせる。そんな意味です。

 ──幸福の直後こそ、破滅は際立ち。
 ──焦りの中でこそ、チャンスに喜び。
 ──絶望の中でこそ、希望は輝ける。

 それらの対比が一際際立っているのを感じました。

 何より、鉄平の『どんな不遇であろうと、夢を諦めない』という決意が、何よりも輝いていました。
 『大川や玄さんの死』が、『父親からの拒絶』が、『鉄平という銑鉄』の中の『青臭い甘えという名の炭素』を燃やし、『刃金の強さ』を与えたのを感じたのです。

 事故現場に立つ鉄平は、そのときこそ本当の魅力を解き放っていました。

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karei7
『だれよりも潔癖であろうとし、それを求められる鉄平』。
 これは私が『第三話』感想の中で書いた一文です。

 どんなに万俵家の歪みを目撃しようと、彼自身はこれまで潔癖でした。
 それは『その歪みの渦中にいない』、『自分だけは違う』と確信できたからです。

 しかし、今回のラストで
『自分こそが、万俵家の歪みの中心』
であると知ります。

 例え、望んで『そう生まれてきた』訳でなくても、彼は『不義の子として罵られる存在』。
 『潔癖である』『潔癖であれ』と常に思い、言われ続けてきた鉄平にとっては、アイデンティティの崩壊にも等しい事実であるはずです。

 一度解け崩れ落ちた『鉄平』という名の鉄は、次はどんな鋳型に納められるのでしょうか。
 その形は歪むのだろうか。
 それがとても不安です。

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 『爺さんの負の遺産』。

>「『銀行』よりも『鉄作り』の道を選んだこと、敬介さんが亡くなる前に心配していたんです」

 …………『鉄作りの道』を鉄平に焚き付けたのは爺さん、あんたでしょうがっ(第二話参照)!

>「鉄平は父と戦わなければならない日が来るかもしれない」

 …………その原因(風呂場での強姦)を作ったのはあんたでしょうがっ!

>「自分の道を、自分の信じる道を貫けと」

 …………だから焚き付けてどーすんですかっ!


 どこまでもツッコミどころ満載な爺さんであります(ぜはぜは…)。
 ここまで先見の明があるなら、『風呂場の強姦』がどんな結末を導くかぐらい、実行前に見抜けっ(渾身のツッコミ)!

 死んでから7年後まで、どこまで子孫を不幸にしたら気が済むんだろう…。

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 『敷かれたレール』。

 大介が銀平に用意した椅子。それは幾人もの死人の血に染め抜かれた地位。
 大介が銀平に用意した未来。それは数多の呪詛により切り開かれた道に敷かれたレール。

 そこに求められているのは『大介の血を引く子』という記号。
 銀平という、『人間の感情と弱さ、そして理想を信じる青二才』ではないのです。


 物語の冒頭でこそ、彼は諦観していました。
 しかし物語が進むに連れて、その禍々しさに打たれ。逃げ出すことが絶望的であることを確信し。そして理想が崩壊します。
 レールの上を歩くことが更に苦痛となり、少しずつ自我が壊れていきます。

 だからこそ、兄がレールごと『阪神銀行』を壊すことを望んだのです。
 『阪神銀行の崩壊』こそ、銀平にとって『自己再生』への希望であったのです。

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 『ミラー・イメージ』。

 それは『自分の思考や概念を、相手の中に虚像として落とし込むこと』。
 つまり、『自分の考えや概念で、相手の気持ちを推し量ること』です。

 大介が陥り、自滅していった理由こそ、『ミラー・イメージ』です。
 『自分と同じ顔立ちをし、同じ道を選び、血を引いている』からこそ、大介は銀平に対して強烈な『ミラー・イメージ』を抱いてしまったのです。

 “どんなに苦しんでいても、拒絶の言葉を発しても、いつかは理解する日が来る。自分のようになる”
 そう無条件に信じ、説得の詰めを緩めたのは、大介の『ミラー・イメージ』故。
 そして、『爺さんの影』に怯え、自分の思考に篭るほどに、他人の感情に気づくことが困難になっていったのです。

 結果として、大介は『銀平の本当の気持ち』を理解できず、狂気まで追い込んだのです。

 大介は『負けた』のではありません。勝手に自滅したのです。

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 『ミラー・イメージ』っていうのは、世の中にはたくさん溢れています。
 私の周りにも、『ミラー・イメージ』の持ち主がいます。行動力があって、悪気も無く、だからこそ性質が悪い人だったり(…でも、立場的に見放せる人じゃないからなぁ…)。
 だから、銀平の気持ちがほんのちょっとだけ分かります(苦笑)。

 ネットでも『ミラー・イメージ』によるトラブルは結構多いですね。
「自分の概念や思想こそ、大勢の感覚! だからこそ自分が正義、あんたたちは間違っている」
とばかりに、わざわざ考えの違う人の所に乗り込んでいって、攻撃する人もたまにいますし(頭痛)。
 そういうのは、すごく危険です(汗)。

 むしろ
「自分と違う意見をきっぱり言ってくれる人が好き(by稲垣吾郎君)」
という感覚でいる方が、健全なのではと思います。

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 家族だからこそ、自分の思考への理解ばかりを押し付けてはいけない。
 家族だからこそ、相手を『一つの思考と概念の持ち主』として尊重し、理解しようとしなくてはいけない。

 銀平と大介の姿に、そのことを痛切に感じさせました。

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 これから父親世代の暗躍が始まります。
 その様子が、ゾクゾクしながらも楽しみで仕方がありません。

 そして予告に見え隠れする、鉄平の狂気も。

 彼らがどうなるのか、本当に楽しみです。

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「もっと違った人生を生きていたんだろうな」
 『もしも』に焦がれる。
 それは、現実からの救いを求める声。

──だれもが救われようとし、救われ方を見失っていく。






Last updated  2007/03/01 06:40:55 AM
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