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2008/04/16
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 心に被る仮面(ペルソナ)。
 それをきつくかぶり過ぎた時、外せなくなる。


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 前々回視聴後の号泣からしばし。
 あの後、二人がどうなったのかを知るのが怖くて、私は残りの回の録画映像を見るのを先送りにしていました。
 ですが、ようやく腹を据えてみることにしたのです。

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◆ 法の網に囚われて。

 二人は、一家庭人である前に、弁護士でした。
 力の無い正義を振るっても、決して結果には結びつかないことを、二人は嫌というほど知り過ぎていました。

 それが、二人の不幸の始まりだったのだと思います。

 二人は世間に正義を認めさせる状況を作らなければ、法は通らないことを、体で思い知っていたからです。
「絶対に認めさせなきゃいけない」
 その焦りが、手段を選ばせなくなるのです。
 そしていつしか、手段と苦しみの中で『弁護士としての顔』、つまり心理学でいうところの『心の仮面(ペルソナ)』の一つをきつく被り過ぎ、自分では外せなくなっていくのです。

 人はいくつもの『心の仮面』を抱えて生きているけれど。
 その一つを外せなくなるのは、緊急事態でもあると思います。

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◆ 法とは、正義では無く、道具にすぎない

 これは、私の持論です。
 法律そのものは、歪な決まり事にすぎません。
 だからこそ、社会に適合しないような医療保険制度が施行されたり。
 『闇金融が主人公の法律ドラマ』が成り立ったり。
 弁護士集団が死刑廃止論のために、一つの裁判を悪用したり。
 ……などというおかしなことがいくつも起こるのはないでしょうか。

 法を知る者こそ、法を作る者こそ、社会の強者となる。
 それが法社会の悪い面だと思うのです。

 そんな法律を正しく導くのは、弁護士と検事、裁判官の良識と良心でしかありません。
 ゆえに、これらの職業には何よりも人格的な成熟を求めざるを得ません。


 …だからこそ、法律を武器に争う二人の姿は、『法律絶対視』の危険性の象徴のように思えます。

 法を道具と割り切り、その場をしのごうとする律子。
 法的に正しいならば、何をやってもいいと割り切る法倫。

 どちらも、弁護士としてもっとも陥ってはならないところまで、陥ってしまったのですから。

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◆ 夫婦の仲間たち

 そんな『弁護士の仮面』を外せなくなった二人を見て、彼らの友人や仲間達は動き出します。

 桜庭君は事態に振り回されるまま、少しでも修繕しようとして。
 他の仲間は、『弁護士の仮面と、信念が食い違っている』ことを指摘して。

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◆ 仮面を剥ぎ取る――法倫の場合

>「そんなもので脅迫しようとするのか」
 法倫は法的な正義などもうすでに見失っている。非倫理的なことも、すでに辞さなくなっている。
 そのことを、蝶野は遠回しに指摘しました。
 つまり、『金を出す=買収する』という手段を取らせたことによって。

 かつて、食事で証人を買収したことを罵倒した法倫。
 しかし、彼は自分も同じことをしていて、しかもその矛盾すら感じていなかったけれど。

 桜庭はその矛盾に、法倫の狂気を感じて逃げ出した。そのことに、気づいているのだろうか。 

 蝶野は、『脅迫されるほどのことをしている=あなたが信念を曲げている』と気づかせたうえで、本心を問うたのです。

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◆ 仮面を剥ぎ取る――律子の場合

>被告である律子

 『勝たなくてはいけない、勝たなければ生きていけない』
 精神的、肉体的ぎりぎりまで追いつめられた律子。

 そんな彼女にとって、『弁護士としての仮面』は、命をつなぐ術でもありました。
 それを手放すのは、社会的な死すら意味していたのですから。


 けれど、その思いを揺らしたのも法倫でした。
>「僕の知っている佐々木律子は、そんな女性じゃない」
 『誰も自分のことを分かってくれない』
 そんな思いを抱えていた彼女にとって、意外なところからの『理解』が送られたわけです。

 『理解』による混乱が『仮面』を揺さぶります。
 そして仲間によって与えられたきっかけが、仮面を外したのです。

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◆ 愛情の反対は

>「愛情の反対は無関心」
 数学の証明問題では無いけれど。

 愛情の裏返しが憎しみであって、愛が無い状態は無関心だと。
 だから本当は、“愛していないなら拘置所にずっと放り込んでおけばいい”はずなのに、それを出して、わざわざ云い負かそうとするのだと。
 そして自分も、ムキになってしまうのだと。

>「弁護士資格の剥奪」
 その極論をちらつかせることで、友人は『本当にそれでいいのか? そこまで突き進んでいいのか?』と言外に匂わせていました。
 そんな警告を受けることによって、彼はようやく、
 今更ながらに、自分が律子を追いやっていることを――自分の罪を――おぼろげながらに自覚したのです。

 ……彼のことなので、決して認めたり謝罪したりはしないだろうけれど(汗)。

 そして蝶野の警告を受けて、ようやく『弁護士としてでなく、一個人としての顔』を取り戻し。
 そのうえで彼は、律子がどれだけ自分に尽くしてくれたのかを認めることになったのです。


 本当に、律子がいなければどうなっていたのか分からないのに。
 そんな彼女を、ゴミ屋敷よりももっと残酷な、非人間的環境にまで追いやって。
 私などは、『気付くの遅すぎだ、ばかっ』などと言いたくなるのです。

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◆ 律子の信頼

 事態は、律子の愛情に気づかず、律子の信頼を裏切り続けた、そんな法倫に責任があります。
 自分に罪があっても、なぁなぁで誤魔化し、自分が潔癖でなければ許せない
 『自己弁護と自己正当化』の姿しか彼女の前で見せ続けなかった彼を、どうやって信じろと言うのか。

>「これってダメ男にはまる女」
 その言葉に、私も納得しちゃいましたよ(苦笑)。

 それを取り戻すきっかけこそ、前述した『律子への理解』でした。
 彼女の行動を隅々まで理解し、どんなに怒っている時ですら、一点では理解している。
 それこそが律子の信頼を取り戻すための行動でした。

 口先だけの謝罪や、演技よりも、ずっと深い、時間と絆が生み出したものだと、分かっているから。

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◆ 猪木の行動

 彼が叫んだのは、『この状況のままでは、律子が壊れる』という恐怖によるものだったのでしょうね。

 『律子が子供を抱え込んで、自滅していく』のを止めなくてはいけない。
 その思いが、形にならないまま、法廷での証言へとつながっていったのでしょう。

 その方法が正しいのかどうか、分からなくても。
 破滅することだけは止めたい、そんな友情だけは本当だったのですから。

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◆ 裁判最終日に、法を捨てて

 二人の質疑応答。
 それは裁判用語ひとつない問答でした。

 それは二人がようやく、『弁護士としての顔』から『夫婦の顔』に戻ることができたからです。

 法律用語とか、世間の目という――正面的で薄っぺらい正義を捨てて、彼らは本音をぶつけ合います。
 彼らはその過程で、夫婦という形を再生していくのです。

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◆ 成長した明日について

>「僕が悪い、でいいよ…」
 昔の自分を見るようです…(虚ろな視線を明後日に投げる)。
 譲らない人間を相手にする場合、最終的に丸く収めるには自分が全部背負うしかないんですよね。

 この時は喧嘩の矛先をすぐに納めているからいいけれど。
 もしも片方だけしかいなかったりして、一日中話を聞いていたりする状況になったら……嘔吐しますね(管理人の幼少時の実体験)。

 まぁ、何かがあったら、明日の場合は猪木とかの逃げ道があるから大丈夫かな?
 とにかく、強く生きてほしいと思います、うん。

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 収まるべきところに収まって、本当にホッとしました。
 ほんとにやきもきさせられたけれど、二人が仲直りできて、本当に良かったです。

 法倫と律子の二人が、これからもうまくやっていけますように。
 自分のだめな部分を、自己弁護で正当化をする。そんなダメ人間の二人だけど。
 そんなダメ人間を好きになってくれる人も、お互いにしかいない。

 真逆のようでいて、ここまで互いに足りないものを補っていける二人はいないのだから。

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 そして、二人は三人になって、歩いていく





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Last updated  2008/04/17 08:37:36 AM
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