カテゴリ:その他、芝居(ドラマ・映画・舞台)
堅く握られた手は、科学を超えた物への祈り。
『多重人格』編のレビューです。今回のタイトルはPlay(演技)、もしくはPray(祈り)。 これが一番、似合うと思います。 ◆ 多重人格? 今回のネタを知ったとき、私は思わず腕をぐっと握りしめました。 草なぎ君の『ミアネヨ』の時にも言いましたが、私は二重人格ネタも大好きなんですよね。 九十九がその事実を推理していく過程にもすっごくどきどきしました。 実際は、『多重人格』という狂気を演じていただけだったのですね。 でもその狂気を演じることで、彼女自身はどこかで救われていたのかもしれません。 演技とは、自分の違う一面を組み上げること。その過程で抑圧されていたものを解放することは、その人の心を癒すこともあるのですから。 彼女は演じることで深層の願望を解放し、狂気に走り、そして狂気への憧れを増していったのですね。 ◆ 和音の不幸 今回、特に悲惨な目に遭う和音。 大衆の面前で『男性トイレに誘導された』とばらされたのも可哀想ですが、暗闇の中に閉じ込められたのはもっと悲惨でした。 いや、私も処遇には軽く引きましたし。九十九をぶん殴っていいですよ、うん。 ◆ Pray(祈り) 多重人格の確証を得るために九十九が行ったのは、誤誘導でした。 その誤誘導が失敗することを願ったのは、誰よりも九十九でした。 彼が平然としているように見えたのは、演技だったのか。あるいは、感情の出し方を失ってしまったからか。 その奥底に眠る本心は、ただその手だけに表されました。 俊介という人格に全ての情報を与えず、一部の間違った情報を与えるという誤誘導は九十九らしい方法でした。 だからこそ、『自分の手で追い詰める』という事実に、彼は押しつぶされそうになっていたのかもしれませんね。 個人的に『蒼い空が好き』というキーワードにはドキッとしました(←私も普段、同じことを言っている人間なので)。 色んな意味で印象に残る話になりましたね。 九十九に関しては、公演でいきなりぶっ飛んだ演出しちゃったり、弁当にビビる変人ぶりは全開ですね。 でもどんな変人ぶりも、その手の祈りに勝るインパクトはなかったと思います。この一瞬に、彼の魅力が凝集されていた気がします。 残りは1エピソード。 全力でレビューしたいと思います。 蒼く遠い空へ、ただ想う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/07/08 10:32:30 AM
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