1039194 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

イクメンへの道 by 弁理士GolferPA

H18 再現答案(商標)

■商標法(4ページ)      評価:B

1.設問(1)について
 (1) 拒絶理由(15条)の検討
    丙の出願は、乙の出願に対して先願先登録(4条1項11号)である。
    両出願の商標は「CBA」で同一、指定商品は「家具」は同一、
   「マグカップ」は「家具」とは非類似である。
    よって、指定商品「家具」については法4条1項11号違反の拒絶理由
   は妥当である(15条1号)。
 (2) とりえた対応策
   1 意見書提出(15条の2)
     以下の対応策によって、拒絶理由(15条1号)が解消した旨を
    主張できる。
     指定期間内に提出する必要がある点に留意する(15条の2)。
   2 権利譲受
     丙から当該商標権を譲受けられれば、「他人」の要件がはずれ、
    法4条1項11号の拒絶理由は解消するからである。
     移転は登録が効力発生要件である(準特98条1項1号)。よって、
    乙は、丙から商標権を譲受けた旨の譲渡証書を添付して、移転登録
    申請書を提出する必要がある点に留意する。
   3 商標権消滅に係る措置
     丙の商標登録に、無効理由(46条1項)、異議申立理由
    (43条の2)、取消事由(50条等)があれば、乙は、申立て、
    審判請求をすべきである。
     認められれば、丙の商標権は消滅し(43条の3第3項、46条の2、
    54条)、拒絶理由は解消するからである。
     なお、申立可能期間(43条の2)、除斥期間(47条、52条等)に
    留意する。
     また、法4条1項13号違反に留意する。
     更に、決定、審決確定まで審査を中止してもらえるよう請求する
    こともできる(準特54条1項)。
   4 手続補正書提出(68条の40)
     前述の対応策は、「家具」についても権利取得するためのもの
    であるが、「家具」については断念し、「マグカップ」のみ
    権利取得する場合には、指定商品「家具」を削除補正する
    (68条の40)。拒絶理由は解消するからである。
     審査に係属中にする必要がある点に留意する(68条の40)。
   5 分割(10条1項)
     「家具」と「マグカップ」を分割することもできる(10条1項)。
    「マグカップ」については、出願日の利益(10条2項)を得つつ、
    早期に権利取得を図ることが可能となり、拒絶理由を有する
    「家具」については、ゆっくり争えることが可能となる。
2.設問(2)について
 (1) 「マグカップ」について権利取得するためには、前述のように、
   分割出願(10条1項)を利用することができる。
    分割出願は、審査、審判、再審、又は拒絶審決取消訴訟の係属中に
   できる(10条1項)。
    よって、甲は分割出願を行うために、拒絶審決謄本送達日より
   30日以内に、拒絶審決取消訴訟を提起する必要がある(63条1項、
   準特178条3項)。
 (2) 「マグカップ」を分割出願とし、「家具」は原出願に残して
   おくべきである。
    逆の場合には、拒絶理由を解消するために、原出願から「家具」を
   削除する必要がある(準特施規30条)。
    ここで、法68条の40の補正は、遡及効を得られるが、審査、審判、
   再審に係属中にしかできない。
    よって、この「家具」を削除する補正は、法68条の40の補正とは
   いえず、遡及効を得ることができない。よって、拒絶理由は解消
   できないからである。
 (3) 他に拒絶理由(15条)なければ、乙は、指定商品「マグカップ」
   について商標登録を受けることができる。
3.設問(3)について
 (1) 侵害成否
   1 差止請求とは、商標権の侵害、又は侵害のおそれがある場合に、
    その侵害の停止又は予防を請求することをいう(36条1項)。
     侵害とは、権原又は正当理由なき第三者が登録商標若しくは
    その類似商標を指定商品等若しくはその類似範囲において
    使用することをいう(25条、37条1号、2条3項)。
   2 甲が顧客に無償提供するマグカップに表示している商標
    「CBAコーヒー」は乙の登録商標「CBA」と類似している。
    商品は「マグカップ」で同一である。
     甲の顧客へのマグカップの無償提供は、商標の形式的使用に
    該当する(2条3項1号)。
   3 よって、甲の当該行為は、甲に権原等なければ、形式的には、
    乙の商標権の侵害を構成する(37条1号)。
 (2) 甲の主張
   1 広告的使用
     甲は自己の役務である「コーヒーの提供」の顧客に対して、
    そのサービスとしてマグカップを無償提供している。
    よって、「マグカップ」は、甲の役務「コーヒーの提供」の
    広告媒体にすぎない。
     商品「マグカップ」と役務「コーヒーの提供」は必ずしも類似
    するとはいえないから、その場合は、甲の当該行為は、乙の商標権
    の侵害とはならない。
     よって、甲は、非侵害の旨主張できる。
   2 無効理由に係る抗弁(準特104条の3)
     甲の商標「CBAコーヒー」は全国的ではないものの、周知と
    なっている。
     よって、乙の出願時(4条3項)に周知となっていた場合には、
    乙の商標登録は、法4条1項10号違反の無効理由(46条1項1号)を
    有することになる。
     この場合は、乙は権利行使できない旨の抗弁を甲はすることが
    できる(準特104条の3)。
   3 商標権の効力が及ばない旨の抗弁(26条1項1号)
     甲の商標「CBAコーヒー」は自己の名称の略称といえる。
     よって、この略称が著名になっている場合には、乙の商標権の
    効力は及ばない旨の主張を甲はすることができる(26条1項1号)。
                                以上


Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.