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イクメンへの道 by 弁理士GolferPA

H19 再現答案(意匠)

■意匠法(3.6P、1,853字)          評価:A

問題Iについて
 1.意匠権が設定登録されると(20条2項)、意匠公報が発行され
  (20条3項)、登録意匠は公開される(20条3項4号)。
   そうすると、意匠公報を見た当業者等は、意匠権の効力(23条)を
  回避しつつ、当該意匠をモチーフ等にして似た意匠の創作、実施
  (2条3項)が可能となる。
   これでは意匠権者に酷である。意匠は美的外観であり(2条1項)、
  模倣されやすいものだからである。
   そこで、先願の地位を確保(9条)しつつ、将来の流行を予測した
  ストック意匠のため、登録日から3年以内の秘密期間を設定可能な
  秘密意匠制度が設けられた(14条1項)。
 2.なお、秘密請求は、出願時と第1年分登録料(42条1項)納付時
  (14条2項)にすることができる。審査期間の短縮のため、出願時は
  不要と判断したものの、実施の時期よりも先に登録査定となってしまった
  場合に、秘密請求が可能となった(14条2項)。
問題IIについて
 1.小問(1)について
  (1)意匠ハは意匠イ、ロと類似である。また、出願A、Bは、出願Cの
    先願である。
     そうすると、Cをしても、A、B引用して9条1項で拒絶されてしまう
    (17条1号)。
     よって、この場合、ハは意匠登録を受けることができない。
  (2)そこで、甲は、関連意匠制度(10条)を利用することができる。
    適法に行えば、当該拒絶理由を解消できるからである(10条4項)。
  (3)甲が、関連意匠制度を利用するためには、自己の出願意匠又は
    登録意匠のうちの1つを「本意匠」とし、それに類似する意匠を
    「関連意匠」とし(10条1項)、本意匠の出願日以後、
    意匠公報発行日前に、関連意匠の出願をする必要がある
    (10条1項)。
     また、本意匠について専用実施権が設定されていないことが必要
    である(10条2項)。
     更に、関連意匠にのみ類似する意匠は適用を受けることができない
    (10条3項)。
  (4)イを本意匠にした場合について
     意匠イに類似するハについて関連意匠の出願をすることができる
    (10条1項)。
     イは審査係属中であるため、10条2項の適用はない。
     よって、イの公報発行日前にハについて出願すれば、
    ハは意匠登録を受けることができる(10条4項、18条、20条2項)。
     ただし、意匠ロはイと非類似のため、関連意匠の出願をすることが
    できない(10条4項)。
    そうすると、ハには9条1項の拒絶理由が残る(17条1号)。
     そこで、Bを取下げ、又は放棄すべきである。そうすれば、
    ロの先願の地位は消滅し(9条3項)、ハは登録を受けることができる
    (10条4項、18条、20条2項)。
  (5)一方、ロを本意匠にすることもできる。ロはハに類似しているため
    である。
     ただし、その場合、Aを取下げ、又は放棄する必要がある。
    そうすれば、イの先願の地位は消滅し(9条3項)、
    ハは登録を受けることができる(10条4項、18条、20条2項)。
 2.小問(2-1)について
  (1)丁は、乙からイについて許諾を受けた通常実施権者(28条1項)
    である。
     そうすると、丁は、ロについて自由に実施することができる
    (28条2項、23条)。
     ここで、丁は、イと類似するロについても実施することができる
    と解する(28条2項、23条)。
  (2)しかし、ロと二が類似することから、丁が二を実施することは、
    丙の意匠権の侵害となる(23条、2条3項)。
     すなわち、丁の通常実施権と丙の意匠権とは、事実上、
    抵触の関係(26条2項)にあると解される。ここで、抵触とは、
    一方を実施すると、必ず他方を実施する関係をいうと解する。
    この場合、先願優位の原則に基づき、後願の実施が制限される
    (26条2項)。
  (3)本問では、AがBに対して先願である。そうすると、
    丁の通常実施権は実施制限されないと解する(26条2項反対解釈)。
     よって、丁の当該行為は、丙の意匠権の侵害とならない。
 3.小問(2-2)について
  (1)乙のイに係る意匠権の存続期間満了により当該意匠権は消滅し
    (21条1項)、丁の通常実施権も消滅する。
     そうすると、丁が二を実施すると、丙の意匠権の侵害となる
    (23条、2条3項)。
  (2)しかし、AはBの先願であり、類似範囲が抵触関係にあるため、
    丁は32条1項の通常実施権を有すると解される。この場合、
    丁は、二の実施をすることができる(32条1項)。
     ただし、丁の通常実施権は登録されていたことが必要である
    (準特99条1項、32条1項)。
     また、丙に対価を支払う必要がある(32条3項)。
    もともと実施のために、乙にも対価を支払っていたためである。
                                 以上


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