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イクメンへの道 by 弁理士GolferPA

H19 再現答案(商標)

■商標法(4P、2,053文字)          評価:○

 ※丸数字が表示不可のため、「○数字」で表記してあります。

設問(1)について
 1.無効審判の請求(46条1項)
   甲の商標権を遡及消滅させることができるからである(125条)。
   無効審判を請求するためには、利害関係が必要とされているが
  (46条1項柱書)、甲はAの元取締役であったので、利害関係が
  認められると解する。
   Aは、以下の無効理由を主張することができる(46条1項1号)。
  (1)4条1項15号(46条1項1号)
     他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある
    商標は、登録を受けることができない(4条1項15号)。
    ここで、混同には、他人の商品等と混同する場合、
    いわゆる「狭義の混同」のほかに、他人と組織的、経済的に
    何らかの関係があると誤認される場合、いわゆる「広義の混同」
    も含まれると解する。
     本号の適用にあたっては、日本国内での周知・著名が必要である。
     ただし、全国的は周知・著名は必要とされていない。
     本問では、Aの商品について、標章イは、甲の出願時(4条3項)
    及び査定時に周知・著名となっており、また、甲の商標イと
    同一である。
     よって、Aの商品等と混同する場合、又は甲とAとが組織的、
    経済的に何らかの関係があると誤認される場合は、本号が
    適用される(46条1項1号)。
     なお、甲の指定役務と乙の使用商品とは非類似であるため、
    4条1項10号の適用はない。よって、4条1項15号の適用はあり得る
    (4条1項15号かっこ書)。
     また、除斥期間(47条1項)は未経過である。
  (2)4条1項19号(46条1項1号)
     Aの商品について、標章イは、甲の出願時(4条3項)及び査定時に
    周知・著名となっており、また、甲の商標イと同一である。
    更に、甲は、Aの取締役在任中に、Aの「ロポポ」人気を利用した
    ゲームセンター運営業務への進出計画を知って、退任後、
    それと同一又は類似の指定役務について出願をしていることから、
    「不正の目的」を推認できる。
     よって、4条1項19号が適用される(46条1項1号)。
     なお、前記4条1項15号にも該当する場合は、4条1項19号の適用は
    ない(4条1項19号かっこ書)。
 2.不使用取消審判の請求(50条1項)
   甲は、3年以上、イを指定役務について使用していないため、
  Aは当該審判請求することができる(50条1項)。
   当該審判は何人も請求することができる(50条1項)。
   認容されれば、甲の商標権は、当該審判請求の予告登録日に
  消滅したものとみなされる(54条2項)。
   ただし、甲に、不使用についての正当理由がある場合は、
  消滅させることはできない(50条2項ただし書)。
設問(2)について
 1.「不正の目的」とは、「不正の利益を得る目的」、
  いわゆる「図利目的」や、「他人に損害を加える目的」、
  いわゆる「加害目的」その他の不正の目的をいう
  (4条1項19号かっこ書)。
 2.○1の状況において
   Aがゲームセンターの運営業務についてイを使用すると、
  商標同一、役務が同一又は類似であることから、
  甲の商標権の侵害となる(25条、37条1号、2条3項)。
   そうすると、Aは甲から差止請求(36条1項)、損害賠償請求
  (民法709条)等の権利行使を受ける可能性がある。
  すなわち、Aはイについて使用できなくなり、
  また、損害賠償責務を負うこととなる。
   よって、このような場合、甲に「加害目的」を認めることができ、
  イ商標は、「不正の目的をもって使用するもの」に該当するといえる。
 3.○2の状況において
   Aの商品について、標章イは、周知・著名となっている。
   甲がBを設立し、当該役務にイを使用させることによって利益を
  あげることは、Aの周知・著名商標のフリーライドに該当する。
   よって、このような場合、甲に「図利目的」を認めることができ、
  イ商標は、「不正の目的をもって使用するもの」に該当するといえる。
設問(3)について
 1.イ商標の不使用を理由として本件商標権を消滅させるためには、Aは、
  不使用取消審判を請求する必要がある(50条1項、54条2項)。
 2.不使用取消審判請求が認容されるためには、甲が3年以上、
  指定役務についてイを使用していないこと(50条1項)、
  又は、使用してしたとしても、かけ込み使用(50条3項)に該当する
  ことが必要である。
   甲はイについて使用していることから(2条3項8号)、3年以上不使用の
  要件は満たさない(50条1項)。
   そうすると、当該使用が、かけ込み使用に該当するかが問題となる。
 3.Aが、商標権の買取り請求の際に、「甲が交渉に応じない場合は、
  50条1項審判を請求する」旨、明示的に伝えていれば、
  Aがそれを証明すれば、かけ込み使用に該当する(50条3項)。
   この場合、Aは、本件商標権を消滅させることができる(54条2項)。
   ただし、甲に、正当理由がある場合は、Aは、本件商標権を消滅させる
  ことができない(50条3項ただし書)。
 4.Aが、その旨伝えていない場合には、かけ込み使用に該当せず
  (50条3項)、
  よって、50条1項の審判は認容されない。
   この場合、Aは、本件商標権を消滅させることができない(54条2項)。
                                 以上


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