カテゴリ:勘違い系
昨日、何の偶然だったかミス・ミナコ・サイトウなる人のことを思いだした。全然別の情報を検索していたら、どこかのサイトで唐突にこの人の話が出て来たのだ。
あー、いたよいた、そんな人、いたっけなぁ。ほら、1990年代に「アッパー」だの「ロウアー」だのという言葉を使い、自分はヨーロッパの上流の人々とつき合いがあって、5カ国語に堪能。その上、こーんなに美人なのよぉ! ポジティブシンキングが大切よおおおお! みたいなくどーいお化粧のおばさんがいたではありませんか。 今で言う、叶姉妹の前座みたいな感じの人だけど、姉妹よりはかなり器量が落ちるし、化粧の量は多かった気がする。 で、その人、一昨年の1月あたりに死んじゃったんだってね。ぜーんぜん知らなかった。何でも乳ガンだったのに、「念じることで良くなる」と信じ込んで、病院にも行かずに亡くなったんだとか。 事情をご存じない方のために書いておくと(って、私も今回初めて知ったのだけれど)、ミス・ミナコ・サイトウという人は、ポジティブシンキングの権化。夜眠る前に3分間、つよーく念じると、すべてのことは実現する、という考えの持ち主だったそうだ。 で、体調が悪くなったときも、占い師かなんかに「あなたのようなパワフルな人に、悪いことが起こるわけがない」とか何とか言われて、病院にも行かなかった、という話だ。死者をむち打つようで心苦しいが、彼女は毎晩、つよーく健康を取り戻すビジョンを投影し続け、ついには手遅れで死んでしまった、ということなのだろう。 それにしても、思いこみも、ここまで激しいと立派なものだ。自分の妄想と心中までしたんだから、こうなると、信念と言っても良いレベルだと思う(ちょっと行きすぎだけど)。 そう言えば、私が最初にミス・ミナコ・サイトウという人を知ったのは、友達経由でだった。その友人はすっごい美人。どちらかというとミス・ミナコ・サイトウ(あー、めんどくさいな)に似た、派手な顔立ちの人だから、ミナコさんが唱えていた「派手なアイメークが似合うことは、誇りに思わなくちゃいけない」みたいな言葉に共感して、彼女の本を読んだりしていたらしい。 凝り性だから、ミス・ミナコの講演会のようなものにも行ったそうで、結局それが切っ掛けで、ミナコ教から足を洗うことになった。何故なら、会場に集まったのは 「ブスばっかりだったのよー。それもじみ~~~ぃでくらぁ~~~~い感じの。ミナコさんみたいなアクの強い人に、あれこれキツイことを言われるのが嬉しい、ってタイプ。あー、こういう世界もあるんだって、ウンザリしちゃった」 ミス・ミナコのことを思い出して、詳細が知りたくなった私は、色々、ネットを検索した。すると、ミナコさんが生きていた頃、非常に非常に心酔し、女はパワフルな美女にならなければ、みたいなノロシをぶち上げるサイトを運営していた人を見つけた。 ミナコさんが亡くなって、そのコミュニティサイトは消滅したらしいが、運営者は今も、「美女になるために」みたいな妄想を捨てずに、「美」に関わる商売をやっている。 その人の写真を見て、友達が言っていた「会場に集まっていた熱狂的な女性達」って、こういう人だったんだろうな、と納得がいった(じみぃーで田舎臭い)。気力で美女になれると信じるのは結構だが、せめて具合が悪くなったら病院へ行くんだぞ、と心の中で声をかけながら、そのサイトを後にした私だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年06月11日 23時21分12秒
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