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今日のヘンな人

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gomagoma0205

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2004年06月14日
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カテゴリ:虚言癖系
 ロンドンのその家には、旅行者から留学生まで、色々な人が住んだようだが、誰もが長くは居着かなかったらしい。だが一人だけ、1年以上住んでいた日本人男性がいた。その人は私と入れ違いのようにして、出ていってしまったが、彼は何度も、「ここの電話代はおかしい。システムもヘンだし、電話代そのものがヘンだ」とこぼしていた。

 システムがヘンというのは、電話代が請求された時点でその家に暮らしている人たちが、均等に分割して払う、というルールがあった点だ。例えば、私がその家に引っ越して行ったら、その月に請求される先月分の電話代を、私も分担しなければならない。その電話代には、先月中に出ていってしまった、Aさんが使った分が入っているかもしれないのに、だ。

 私と入れ違いのその男性も当然、引っ越して行った月に、使ってもいないかなり高額な電話代を負担させられたのだそうだ。しかもその時、その家には彼しか住人がいなかったから、誰かと折半することもできず、誰が使ったのかも分からない電話代を、一人で払った。彼が解せないと言いたくなる気持ちも分かる。

 そして、電話代そのものがヘンというのは、電話代が高い、ということだ。だいたいにおいてイギリスは電話代が高いが(現在はどうだか知らないけど)、それにしても異様なまでに高かったと言う。国際電話を毎日、ガンガンかけまくったかのような額のことが多かったのだそうだ。

 その家に、全部で3人の日本人が暮らしていた時、あまりにも高額な請求が来た。そこで彼らは、どこにかけたのかの明細を出してくれるよう、大家のおばさんに求めた(大家名義の電話だから)。ところが、「明細を出すサービスは有料だからと」ぐずぐず言って、結局、大家はそれを拒否したという。

 「●●子さんが、昼間誰もいないときに来て、日本に電話しているみたいなんだよね」と、その男性は嘆息していた。つまり、彼女はヒトに貸すようになってからも、日本へ国際電話をかける時には、その家の電話を使っていたらしいのだ(旅行者にしろ留学生にしろ、日中は大抵みんな留守だから、大家の出入りは自由だ)。

 彼は穏やかないい人で、しかも、長年つとめた会社を退職してイギリスに英語を学びに来ていたため、普通の語学留学者と違って裕福だった。そのことが、おばさんを図々しくさせたのかもしれない。

「家賃だって、当初はタダで良いって言ってたのに、お金を取ることになって、しかもそれも、だんだんに値上がりしたんだ」 

 ロンドンのかなり郊外にしては、そしてタダで住んでくれと言った割には、格安とは言えない家賃だったのには、たぶん、そういうワケがあったのだろう。

 電話代の件では、私も大家とトラブルになった。私は電話が嫌いなので、その家の電話は一切、使わなかった。それなのに、みなが出ていってしまい、私がその家にただ一人の住人になってしまった時、出ていく前にこれまでソンしたモトを取り返さなくちゃと、何人かの店子がヤケになって使った分を、私が一人で払わなければならなくなったのだ。数百ポンドという、あり得ない高額だった。だからとーぜん、払わなかった。

 すると、電話会社から「払わなければ電話を止める」と、大家の方に連絡が行ったらしい。ある晩、ばあさんから烈火のごとく怒った電話が来た。

「止められたらどうするの!!!!! 不便でしょう!!! どうするのっっっっっっ!!!!!」

で、私は答えた。

「別に不便とは思いませんけど。私でんわ、かけませんから」

 ばあさんは一瞬絶句した後、半狂乱になってとにかく払えと絶叫し続けた。一見穏やかそうに見える人だが、こういう姿を仕事の関係者が見たら、二度と雇わないだろうになぁと思ったりした。

 押し問答は続いた。一本だって電話をかけていない人間が何故、今現在一人で住んでいるからという、ただそれだけの理由で、出ていってしまった住人が使った電話代(しかも日本円にしたって、7万とか8万とかいう額)を払わなければならないのか。ヘンじゃないか。私はここに住んでいても今後、そんな電話代を使うことはない。断固、ない。だから、モトを取れる可能性も金輪際、ない。そんなものを負担するいわれは、ぜーんぜん、ない。

 と、しごくもっともなことを言ったつもりだが、半狂乱の大家には通じない。そんなこと言うなら、出ていけ、とわめき始めた。ばーか。人がいないと困るのはお前だろう。とは言わなかったが「良いですよ。じゃ、来週までに出ます」と告げると、彼女はようやく、冷静になった。人が住まなくなったらその家、2日もたたないうちに荒らされる。そういう土地柄なのだから。

 で、結局、大家がその電話代を払うことになった。と言っても、そんな大金を彼女が自腹で払うわけがない。立て替えだ。そして何故か、「出ていった人たちに連絡して、電話代を回収する役目」を私が仰せつかった。その上、電話を使っていないと言っても、いつでも通話できる便利さ、かけてもらえる便利さがあるのだから、私もいくばくか負担しろ、と言う。ま、それはもっともなので、(ちょっとバカバカしかったが)支払った。

 その事件があってから、こういうヒステリーばあさんと関わるのは避けたいと、本気で引っ越し先を探し始めたが、住居費をケチっていたので、なかなか適当なところが見つからなかった。それで、更に3ヶ月ほど、そこに住むことになったが、その間にも、ばあさんがどこかの道ばたで声をかけた日本人が何人か、やって来ては去り、去ってはまたやって来た。

 短期滞在の旅行者もいたから、そういう人たちの場合、電話代は事実上、回収できない。その後、数百ポンドというバカビルが来ることこそなかったが、私はヒトの電話代を払っているような状況に、ほとほと嫌気がさしていた。それで、その家を出ることになった最後の週は、これまでの分を取り返すべく、何度か日本に電話をかけることにした。

 とは言うものの貧乏性が災いして、やたら早口でしゃべっては、さっさと切ってしまったから、全然モトは取れなかったのだが、さすがの私もこのことが、帰国して数年たったある日、思いもよらないトラブルに発展することになるとは、思いも及ばなかったのだった。

                       ~まだまだ続いたりして~







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最終更新日  2004年06月14日 00時15分45秒
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