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株式会社SEES.ii

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2017.06.29
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短編一覧     ss一覧     『姫君のD!』一覧        
―――――

 ……岩渕の野郎。
 中村区にある《D》の名駅支店の入るビルの3階の社長室の窓の前で、《D》の社長で
ある男はスーツのパンツに両手を突っ込み、往来する人々の群れを眺めていた。
 岩渕は『出張査定』に行ったきり戻って来ない。携帯は通じない。私物は店内に残って
いる……仕事を放棄したと考えるのは早計だが……やはり何かのトラブルに巻き込まれた
可能性は高い……ンだろうな。
 イライラしていた。腹も減っていた。久しぶりの現場業務に、足も脳も疲れていた。しかも、
未だ終了していない業務も残っている。社員は全員居残っている。
「……ロクでもねぇ理由だったら……タダじゃおかねぇからな……」
 社長は舌打ちをし――怒りと困惑で唇が歪んだ。
 困惑――そう……1時間ほど前、自分の携帯電話のアドレスに届いた1通のメールの内容を
思い出す。腹立たしいが、思い出す。


 岩渕は現在《プチタンジュ》のオーナーに拉致・監禁されている。
 理由は岩渕と『伏見京子』と名乗る女が、オーナーの私物を窃盗したことが原因。
 女は現在逃走中だが、目的地は《D》名駅支店3階。あなたの庇護と助力を乞うことが
目的かと思われる。警察も動いており、名駅支店に捜査が及ぶのも時間の問題です。
《プチタンジュ》――ご存知かとは思いますが、ヤツらは元暴力団のチンピラや半グレの
外国人の混成マフィアです。下手に相対すれば《D》も痛手を負うでしょう。
 私は何の関係もない者ですが、一応、提案させて頂きます。
 岩渕を見捨て、いずれソコを訪れる女を捕え、オーナーに引き渡すのが最善かと思われ
ます。  
賢明な判断を。


 それは挨拶も礼儀も何もない、簡素で無礼なメールだった。
 実は《D》を開業してから20年、本店を東京に移して1年――これまでにも似たような
怪文メール、脅迫まがいの手紙を受けたことは何度かある。そのほとんどは、イタズラや
同業他社による嫌がらせに関するものだった。けれど……特定の社員の名を挙げて脅迫する
怪文書は、それまでのものとは比べものにならないほど手の込んだ――異常なものだった。
 異常だ。何があったかは知らねぇが……これは異常事態だ。このメールを送りつけた野郎も
含めて……何が起こってやがる?
 岩渕の野郎……いったい、何をしでかした?
 もちろん、《天使》のオーナーのことは知っている。薄汚いドブネズミのような男だが、
ウチに直接ちょっかいを出すとは考えにくい……クソ……クソったれ小僧が……。

 
 午後9時を過ぎた、太閤通り1丁目の交差点を見つめる。アニメイト名古屋店、北陸銀行、
ナゴヤグランドホテルの前の大勢の人々の雑踏を眺めながら――社長は、ふと……自身が
育てた中村区の《D》を任せた男のことを思い出す。岡崎の児童養護施設から追い出され、
まともに就職も就学もできなかった、カネに汚いだけの、自分と境遇の似た男のこと――。
 惚れた女でもできたのだろうか? 目先の欲に眩んで魔がさしたのだろうか? それとも、
もう……死んでしまったのだろうか?
 
 一生コキ使うつもりで雇った――殴り、罵り、蔑み、ヤツの人格を破壊するつもりで
教育し直し、社会とカネの仕組みを覚え込ませた。『死にたくなったら死ね』と告げ、
実際そうなっても別に構わなかった。……俺も似たようなことをされたから。そして、
ヤツは耐え忍んだ。
 もちろん、ヤツがどうなろうと知ったコトじゃあない。それがビジネスだからだ。けれど、
1度だけ、俺はヤツに尋ねたことがある。尋ねてみずにはいられなかったのだ。
『よく耐えられるな……辛いだろ? 苦しいだろ? 何で逃げない?』
 ヤツは俺の目をじっと見つめた。そして、呟くように言った。

『……捨てられたから、捨てたくない。何も間違ってないって、自分だけには言いたいから』
 俺はそれ以上は聞かなかった。いや……聞けなかった。


「『伏見京子』さんという方が、社長との面会を求めてます。……かなりの厄介事かと察し
ますが、いかがいたします? 追い返しますか?」
 総務課長の女が告げ、社長はアゴをしゃくり上げ、「通せ」と命じた。来やがったか、
と思う。メールの内容と合致したことにも――ふざけやがって、とも思った。
 そう。何者かは知らンが……くだらねー理由で《D》を巻き込んだなら、無事じゃあ
済まさねえ……岩渕の野郎を飼うのにいくら銭を使ったか、身の程を教えてやる。

―――――

「……現金が1千万、腕時計はタグ・ホイヤー。ネクタイはグッチ、靴はバリーか。一応、
手数料として頂戴しますが……スーツは……何だこりゃ、《テーラーチクサ》? 知らねえ
ブランドだが……オーダーメイドか? おいっ、岩渕さん、コイツはどこの店だ?」
 爬虫類のような男の目を見つめて岩渕は微笑んだ。心から微笑んだ。「名前見てわから
ないか? 千種区の洋裁店だよ……心配しなくても、このスーツは貰いモンだ、価値なんて
モンはないよ……」
 オーナーが薄汚く笑い、岩渕を見る。そして何度も何度も繰り返されたことを再度――
握った拳を岩渕の下腹部に強く叩き下ろした。「カッコイイね」
「ぐえっ! ……げえぇぇ……げえぇぇ……」
 岩渕の全身を猛烈な痛みが駆け巡り、たまらず悶絶し、呻いた……呻き続けた。

「……あの野郎のメールによると――そろそろ京子ちゃん、《D》に着いた頃ですね……
まあ、岩渕さんはもう2度と会うことはないでしょうが……」
 京子の名を聞いても、《D》の名を聞いても、岩渕はもはや思考を停止させかけていた。
ただ――少しだけ、思うことがあるとすれば……《D》にたどり着くことができたのならば、
最悪でも、当面の安全は保障してくれるハズだ……キチンと事情を話し、自分の素性を話し、
必要であればカネを払うことが可能なら……あの社長なら……少しでもカネの匂いのする者
ならば、《D》の今後に繋がる人物であれば……助けてくれるハズだ……。
 そこまで思い、ふと、思う。
 
 ……結局、俺はあの女のことを何も知らない。
 ……美しくて、上品で、プライドが高いくせに泣き虫で、そして――
 どうしようもないくらい、どうしようもないくらいに、優しかった。
 ……誰よりも、誰よりも、俺のような人間に、優しく……接してくれた。
 
 ……あの時――助けてくれた、手を差し伸べてくれた時――
 ……本当に嬉しかった。……涙が出るほど嬉しかった。
 ……だから……もう、いい……もう、いいんだ。
 あの女のことを何も知らなくても、あの女の持つ宝に何の意味があろうとも――……いや、
意味なんてもう関係ない……関係ないんだ……だから、これは、こうなってしまったのは、
すべて、俺のワガママ……自業自得なんだ……自分の責任なんだ……。
 ……女の頼みを引き受けたのも、しこたま殴られて血ヘドを吐くのも、身ぐるみ剥がされて
金品を奪われるのも、社長にドヤされて殴られるのも……親に捨てられたのも……全部、全部、
俺自身のせいなんだ……。

 そこまで考えた末に――なぜか、昔の、顔も覚えていない母親との会話を思い出す……。
あやふやな記憶を頼りに……思い出す、思い、出した……。

『アンタなんか死んじまった方が世の中のためなんだっ! 死ねっ! 死ねっ!』
 返事をしたことも、思い出す。『はい』と言った自分自身を……。
 
 全身を襲う痛みに耐えながら――岩渕はまた、微笑んだ。
 世の中のため? ……なあ、母さん……これで、満足かい? ……アハハ……ハハ……。

―――――

 白川公園を北に抜け、自分と似た名前の伏見駅へと辿り着く。街路案内を見て西へ進み、
錦橋を渡り、西柳公園方面へと駆け足で進む。名駅が見え、自販機でお茶を買って飲み、
また歩き、また進む。名駅へ入り、名駅百貨店を抜け、地下街へ入り、太閤通りへと出る。
そこで記憶を辿り、考えを巡らせる……。
 岩渕さん……。
 私を逃がすために時間を稼ぎ、私が探し求めていた物を取り戻してくれた――あの、
岩渕という男の顔を思い出す。あの、絶望を望むかのような……退廃的な、どこまでも
孤独で、どこまでも悲しい目を……。
 店をメチャクチャにした私を、あのオーナーが許すとは思えない。そして……私のために
残った彼を助けなくてはならない。何としても、《D》の力を借りなくてはならなかった。


「……まあ、だいたいの事情は理解したよ。だけどな……」
 会議テーブルの最奥にひとり座る中年の男が言い、私は息を飲み込んだ。
 広い会議室には10数人の男女が並び立ち、全員がスーツを着て、全員が京子を凝視し、
全員が何事かと囁き合っている。
「……岩渕の野郎はかつて、俺を裏切ってカネを儲けたこともあるクズだ。普段の仕事ぶりを
評価してスルーしてやってはきたが……リスクを背負ってまで助けだす義理はねえな」
 社長が言い、私は黙って頷いた。そう。そういう返答が来ることは予想していた……一筋縄
ではいかないことなど、彼の言葉から察することはできていた。だが、それだけで引き下がる
ほど……それだけで諦めることなど、絶対にできるハズがなかった。
「……謝礼なら、言い値で支払います。私の両親や祖父は資産家なんです」
 辺りを囲む《D》の社員たちがどよめき、またヒソヒソと囁いた。けれど、社長は動じず、
テーブルの上で腕を組んだまま――笑った。
「バカじゃねえのっ? ゼニなら腐るほど持っとるわっ! ナメたことヌかすなやっ!」
 社長の怒号が会議室に響き、京子だけでなく、辺りの社員たちまでもが委縮した。
 
 悔しい、悲しい、怒り、緊張……様々な感情が一気に押し寄せ、京子の心を支配していく
のがわかる。無力さと理不尽さが猛烈に悔しくて……悔しくて……どうしようもなかった。
「……岩渕の野郎は泣き落としに弱いのか? 本当にゴミだな……アイツは……」
 社長がそう言い放った時――その時、私はようやく、自分が泣いていたことに気がついた。
《D》に来た時も、社員の女性に案内されている時も、社長に事情を説明している時も……
私はずっと泣いていた。涙が流れて、とめどなく泣き続け、泣き止むことが、どうしても
できなかった。

「……去ね。というか、家に帰れ。《天使》のヤツに引き渡さないだけ、マシやろ」
 社長は溜め息をつき、小さな声で……メールの送信元も気になるしな、と囁いた。
「……社長さん」
 泣きながら、京子は社長の顔を見つめた。
「……何や? 岩渕のことなら諦めろ」
「……ダメ……ダメです……絶対にっ、ダメですっ!」
「……?」
 社長は訝しげに顔を歪め、首を傾けた。
 
 そうだ……。
 もう1度だけ、選択するのだ。
 もう1度だけ、決断するのだ。
 何をしてでも、何を捨ててでも、何が何でも――……
 ……――彼を救い出すのだ。

「……これを、あなたに捧げます」
 京子は傍らに置いたジェラルミンのアタッシュケースをテーブルに置き、開き、中身を
取り出し、くるりと回し、対面する社長の眼前にゆっくりと差し出した。大粒の涙は止まる
ことなく、ボタボタと滴り落ちた。……お許し下さい、そう思った。
「……まぁ、そういう話になるわな。……で、コレは何や? それと、アンタは何者や?」
 意を決し、服の袖で涙をぬぐい――その場にいる《D》社員全員へ向けて――……
 ……――京子は、言った。
 そう。
 選択は、決したのだ。

「……これは皇太子、徳仁親王殿下が皇位継承の際、伏見宮家から贈る御進物がひとつ
――《山崎製希少蒸留酒50年、菊花紋章――十四裏菊》……私は、伏見宮貞愛親王が祖、
伏見宮京子と申します。名を偽り、申し訳ありませんでした……」

 弛緩する空気が流れ――呆然、そして、長い沈黙と静寂。長い長い沈黙の後で、社長が
静かに呟いた。
「……ハッタリだ」
 腕をブルブルと震わせて社長が言った。「そんなハズがない。そんなコトがあってたまるか」
 間違いではないのだ。そもそも、信じてもらうほうがムリなのだ。
「……つまり、アンタ……あなたは、皇族ゆかり……というか、皇族の方?」
 呻くように社長が言い、私は静かに頷いた。
「……はい。皇位継承権はありませんが……」
 嘘も偽りも言う気はない。言う必要もない。そして、言った後にはもう――涙は止まっていた。
「嘘だろ? おいおいおい……皇女様が? こんな貧乏くせえ場所に?」
 社長はゆっくりと立ち上がり、目を回したかのようにフラつくと、ザワつく社員たちに
向けて声を張り上げた。「そんなバカなことがあるかっ!」
 京子は立ち上がり、なおも社長の目を見つめ続けた。社長は京子と目を合わせず、背後に
立つ役員らしき男の肩を掴んでいた。
 やがて……iPadを持った男性社員が社長の前に進み出て、弱々しく言った。
「……しゃ、ちょー……マジ、です」
 次の瞬間、社長は驚愕したかのように顔を歪めた。
 iPadの液晶に表示されたのは……おそらくは画像検索でもしたのであろう、天皇陛下と京子の
2ショット写真であった。
 ……信じて、くれたの?
「……岩渕さんを、助けてくれません……か?」
 呆然自失とする社長の顔をのぞき込むようにして、京子が囁いた。
「…………」
 社長は顔を歪めたまま沈黙し、ぶつぶつと何かを囁いていた。「……皇族の名を借りられれば
……一世一代のチャンス……中村区だけでなく中区、東区……あの千種区もナワバリにできる?
……いや、名古屋市全域? ……東海地区のシェアトップも夢では……」
 社長が何を囁いているのかが、京子にはわからなかった。「……聞こえてますか? お願い
します。岩渕さんを……助けては頂けませんか? 謝礼にこの品をあなたに……」
 そこまで京子が言い終えると、「……それは結構です」という社長の丁寧な返事が聞こえた。
「えっ?」
 思わず聞き返す。
「……存じ上げなかったとはいえ、数々のご無礼、どうかご容赦下さい……我々《D》一同、
当社社員である岩渕のクソ……岩渕君を救出するため、微力ながら皇女殿下のお手伝いを
させて頂きます……」
 深い一礼を見せた社長の――そのあまりの変貌ぶりに、京子は少しだけ微笑み――少しだけ、
また、涙を流した。


「……愛知全店全社員に召集命令やっ! これは《D》と《天使》の戦争だっ! ヤツらを
名古屋から叩き出すぞっ! そしてっ、岩渕の野郎を取り戻した者には、臨時ボーナスで
1000万くれてやるっ!」
 煽る社長と、目の色を変えた社員たちの鬨の声が響き渡る中で――京子は思った。
 ……《D》という企業もまた、私にとっては危険な……いや、そんなことはどうでもいい、
どうでもいいことなのだ……。
 
 今は、ただ、彼が――彼のことが、心配で心配でたまらなかった。
 岩渕さん、岩渕さん、岩渕さん……どうか……どうか無事でいて……お願い……。
 彼を助けたい。彼を救いたい。京子の心の中にはもう、その願いでいっぱいだった。


「俺のアトラスを持って来いっ! 大須に乗り込むぞっ!」
 社長の怒号は続いている……。

―――――

 『姫君のD!』 gに続きます。









 目を閉じて聞いて下さい。神曲です→  できっこないをやらなくちゃ/サンボマスター  
             新曲です→  YES/サンボマスター
    何度聞いても涙する私です…→  ロックンロール イズ ノットデッド /サンボマスター 
     
        
        サンボマスターさん↑ 「モテないねぇ……モテないよおおぉぉ!!」
         と叫ぶ、本物のロック・バンド。以前にも軽く紹介しましたが……
        ライブでのパフォーマンス、美しい日本語歌詞、チャリティ活動、心を
        揺さぶる山口氏の名言の数々……完璧かつ最高のグループ。
         当然、seesはアルバム全て持ってます!!



 お疲れサマです。seesです。デスクワークに膝と腰が疲れましたワイ(笑)
 さてさて、相変わらずの更新遅めでスイませんです。代打研修会やら戦略会議やらワケ
わからん業務が多すぎて……脳がパンクしそう(◎_◎;)ピギャーー!!
 問題の今作ですが――やはり構想の練りが足りず、お笑い回へと成り果てました💦ムダを
省くのがseesの本領なのですケド……どうにも、時間が足りぬ。もっとイイ展開もあった
ハズなのになぁ……はぁ……まぁ、いいか。残り2話? ガ、ガンバリマス(^_-)-☆
 でわでわ、ご意見ご感想、コメント、待ってま~す。次回は早めに更新予定……かな💦
 ブログでのコメントは必ず返信いたします。何かご質問があれば、ぜひぜひ。
 ご拝読、ありがとうございました。seesより、愛を込めて♪



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 sees  「……す、すごいカッコイイですね(^^♪ (……マジか……た、楽しそう……)」
      
      seesは思った。
      こんなステキな企業があったとは……転職しようかな……ガチで……。

                                 了₍〇ロ〇!!₎





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Last updated  2017.07.01 03:32:21
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Re:SEESの短編集 02 『姫君のD!』 f(06/29)   株式会社SEES.ii さん
前回までの流れを無視しかねない、お笑い回です。
相変わらずの誤字脱字……修正しときます、ハイハイ……。
失礼しました。 (2017.06.29 20:24:41)

Re:SEESの短編集 02 『姫君のD!』 f(06/29)   ★倉麻るみ子★ さん
お笑い回?そうですかね?
京子さんが《D》につくまで、《D》の社長はどんな態度で待ち構えてるっていう様子が見られてよかったと思います!
そして、岩渕さんの過去が少し明らかになったし、「絶望を望むかのような(略)目」をしている理由がわかった気がします。
そして、京子さんが皇族の人間なのは、そりゃ周りのみんなも驚くでしょうね。
素性をそのまま明かしていたら、その身分で狙われるってのもあるだろうし、偽ってたってのは仕方なかったって感じもします!
次回も楽しみにしていますね(*´∀`*)ノ。+゜*。 (2017.06.30 03:24:54)


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