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株式会社SEES.ii

2018.03.23
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カテゴリ:ショートショート
ss一覧   短編01   短編02   ​短編03
―――――

 愛知県名古屋市の北東に位置する愛知県瀬戸市――。
 約5万5千世帯、人口約13万人――。
 瀬戸物を中心とした陶磁器が有名なこの街で――。
 
 ――20年前、水田の中心に隕石が落下し、ひとりの犠牲者を出した。

 この隕石落下事件の翌日、この事件を取材した新聞記者のひとりが、友人の新聞記者に、
自分が見た凄惨な現場での話をした。
「……最悪だ。田んぼがクッションになって隕石自体はヒビ割れひとつない状態らしいが、
下にいた農家の息子は木っ端微塵に砕けちまったらしい……。警察の話だと、その子の体の
一部が隕石にこびりついてひどい臭いだと」
「こびりつくって……その隕石って、かなり大きいものなの?」
「みたいだな。衝撃波で水田がぐちゃぐちゃだし……」
「不運な事故ね。それで、その隕石、記事にするの?」
 犠牲者がいる以上、隕石そのものへの取材には時間がかかりそう……と思いながら、
新聞記者の女は聞いてみた。
「記事にはするが……扱いは小さいな」
「妥当ね」
 友人の新聞記者は、なぜか背筋が冷たくなるのを覚え、「外で畑仕事の手伝いをして、突然、
隕石が真上から落下して死亡するって……すごい偶然よね?」と聞いてみた。そんな天文学的な
確率――ありえないのだ。ありえないことなのだ。
「宝くじの一等を10年連続当てるより……難しいな」
 取材した新聞記者が答えた。「しかし……親御さんにとってはショックだろうな……」
 ありえないことながら、ふたりは偶然に幾重もの不幸が重なった農家の息子――男の子と
両親のことを憐れんだ。そう。そんな不幸な奇跡の連続は、自分には決して来ないだろうと
信じながら……。

 その後、瀬戸市で起きた隕石落下のニュースは新聞やテレビで大きく取り上げられること
なく収束し――やがて、人々の記憶から消えた。隕石の行方や、死亡した少年の遺族のこと
……調べようと動く者は皆無だった。
 
 そして……20年後のある日、突然――
 愛知県瀬戸市は、平和な田舎の小都市は――
 恐怖と戦慄が渦を巻く、深い闇に包まれようとしていた――……。

―――――

 家族で朝食を食べている途中、突然――パパはママを怒鳴りつけた。
「何だ、このマズいメシはっ? お前、俺の給料をこんなマズいメシに変えたのかっ?」
 ママに向かって、マンション中に響き渡るような大声でパパが怒鳴り、姉のキョウカも
僕もびっくりしてしまった。
 そう。キョウカも僕も本当に驚いた。それまでは、たったの一度だって、僕たちはパパ
が怒るのを聞いたことはなかったから。
「おいっ、ママっ! どういうつもりだっ? 俺にこんなマズいメシを食わせやがって、
外で不倫でもしてるんじゃねえだろうなっ?」
「ごめんなさい……ごめんなさい……明日から気をつけるわ」
 ママは泣いて謝っているのに、パパは怒鳴り続けた。
「ふざけんなっ! このバカ女がっ! クソォッ!」
 大声で怒鳴りながら、パパは牛乳が入ったグラスを壁に向けて投げつけた。粉々に砕けた
ガラスが部屋中に飛び散り、ママは小さな悲鳴を上げた。
「クソッ! こんな料理捨てちまえっ!」
 吐き捨てるように怒鳴り、パパは床を踏み鳴らして部屋を出て行った。
 パパが出て行った後で、ママは両手で顔を覆って泣いた。キョウカが慌てて駆け寄り、
「ママ、ママ、大丈夫?」と声をかけたが、ママは泣き止まなかった。
 僕もママが心配だった。そして、パパのことを最低な男だと思った。

「パパって最低――。ねえ、ソウタ、あんたもそう思うでしょ?」
 ママが作ってくれた卵焼きを頬張りながら、キョウカはとても怒っていた。
 食事のあとで、僕とキョウカは飛び散ったガラスを拾い、食器を洗い、祖母懐小へ行く
ための準備を始めた。ママは部屋に閉じこもってしまい、ずっと泣いているらしかった。

 一里塚町のマンションを出た時、僕は立ち止まって目の前の東公園を見た。
 そう。僕の目に、昨日までは無かった、奇妙な物体が飛び込んで来たのだ。
 それは本当に不思議なモノだった。
 住宅街の隣にある大きな公園の入口すぐ奥、舗装された石畳の上には――大人の男、パパ
くらいの高さの四角い石のテーブルと――男の子の姿をした像があった。
 男の子?
 そうだ。男の子の石像だ。男の子が空に向け、顔と両手を伸ばしている姿だ。
 どうしてあんな恰好をしているのだろう? あれじゃあ男の子の顔は見えないし、なに
より公園のキレイな景色が台無しじゃないか?
 僕は首を傾げた。
「ソウタッ!」
 先を歩いていたキョウカが僕を呼んだ。「何してるの? 早く行かないと遅刻しちゃうよ」
 それで僕は、祖東中の制服を着た姉のところに向かって走った。もちろん、石像のことは
気になったけれど、それ以上は考えなかった。


 それが――すべての悪夢のはじまりだった。
 悪夢? ……いや、これは夢なんかじゃあない。
 そう。悪夢のような現実の、はじまり。
 そうだ……この、少年の石像がやって来てから、すべてがおかしくなったのだっ!

―――――

「今日は自習にする。帰りたきゃ帰れ。以上」
 担任の教師が3日連続――そんなことを言うなんて、ユウキには信じられなかった。いや
……それだけじゃない。担任の教師だけではなく、瀬戸西高校の教師たちは全員、別人の
ような顔をして、ひどく顔色が悪かった。どの教師も授業に出ず、部活に来ず、職員室に
こもったきり放課後まで出て来ないらしかった。
 異変を感じていたのはユウキだけではなかった。クラスメートの女子生徒は生活指導の
男性教論にレイプをされたとか、友達の男子生徒は教頭先生の車に轢かれたとか、そういう
噂やデマが飛び交い、事実、似たような話で学校を休む生徒が続出しているのだ。
 担任教師と同じように、仲の良い保健医の先生もまたひどく顔色が悪かった。訪ねると
イライラとした、思い詰めた様子で眉間にシワを寄せ、ほんの些細なことにもカッとなって
ヒステリックな叫びを上げた。怒鳴り散らしながら保健室のカーテンを引き裂いたり、壁の
ポスターを破り捨てたりしていた。まだ生徒に暴力を振るうようなことはなかったが、そう
なるのも時間の問題のように思われた。

 ここ数日の間――帰りのバスの中で、ユウキは街の人々の姿を凝視した。ブツブツと何かを
呟きながら歩く男の大人や、互いに激しく罵り合う老人たちや、奇声をあげて髪を掻きむしる
女性の姿を見た。パトカーや救急車や消防車が街中を忙しく走り回り、それらが鳴り響かす
大音量のサイレンを嫌というほど聞き続けた。
 ユウキは言い知れぬ恐怖に身を強ばらせた。
 そうだ。この街は……こんな騒がしい街じゃなかったハズだ。この街はいつだって穏やか
で、静かで、平和的で、誰でも安心して暮らせる立派な街だったのだ。田舎で地味なところ
ではあるけれど、ユウキにとってはかけがえのない街なのだ。それなのに……。

 教室の中では重苦しい空気が立ち込めていた。ただ座っているだけで、息が詰まりそう
なほどだった。
 かつての教室の中では快活な教師と生徒のやりとりが絶えなかったというのに、今では
もう、誰ひとり笑うことはなくなってしまった。生徒間で話をすることさえ、ほとんどなく
なってしまった。みんながみんな――ただ、ただただ疲れ果てたような顔をしていた。


 いったい、何が、こうなってしまった原因なのだろう?
 高校1年生のユウキは思う。
 いったい、いつから? ……いや、どうして?
 ……何が、どうしてかって?
 そう。ひとつだけ、わかっていることがあった。それは、それだけはわかっていた。
 そうだ。俺には……俺たちだけはわかっていた。すべてがおかしくなったワケじゃない
ことを……。すべてがおかしくなった街の中で……俺たちだけが例外であることを……。
 

 18歳未満。つまりは子供たちだけが――この、おかしくなった街の中で……
――以前と変わらぬ意思を持っていることを……。

―――――
 
 『ゴーレムから街を守れ!』 中編 に続きます。










 
 本日のオススメ!!!
 Aimer(エメ)様。またかよっ、て感じだけど💦本当好き。
 
  新曲発売されたので、再度宣伝。何度でも宣伝したくなるくらい好き。
 滑らかかつ、丁寧かつ、力強い歌声……抒情的な歌詞、切ない表現……。
 ああ……萌える。
 ↓は新曲の『眩いばかり』う~ん、美しい……。




 リリース情報っ! 新曲とオススメ。
 



 お疲れ様です。seesです。
 もうすぐ春ですね(?)。今年の新入社員の方々は使えるんでしょうか、今から何かと
心配ですww seesは若手って感じじゃあなくなったかもだけど……とりあえず、めんど
くさいケド、がんばります。すべてはカネのために……目先の小銭のため……社畜兵士を
演じます……。ああ……楽して儲かる術はないものか……。投資信託と証券だけじゃあんま
貯金増えないなぁ……いっそ、デイトレードでもしようかな……。

 今回のお話は3話構成予定。もしかしたら4話にズレるかもだけど……。
 よくある世界観と、人物造形です。舞台は愛知県瀬戸市――そう。藤井聡太先生の出身地
でごわす。行ってみたケド……う~ン、田舎wwいや、美しいよ、ホント。カントリーシティ
って感じでとても感じ良かったス。すんばらしいぃ~。

 seesに関しての情報はもっぱら​Twitter​を利用させてもらってますので、そちらでの
フォローもよろしくです。リプくれると嬉しいっすね。もちろんブログ内容での誹謗中傷、
辛辣なコメントも大大大歓迎で~す。リクエスト相談、ss無償提供、小説制作の雑談、いつ
でも何でも気軽に話しかけてくださいっス~。

 でわでわ、ご意見ご感想、コメント、待ってま~す。ブログでのコメントは必ず返信いたし
ます。何かご質問があれば、ぜひぜひ。ご拝読、ありがとうございました。
 seesより、愛を込めて💓

 


 好評?のオマケショート 『人はみかけによらない』

      それは、懇意にしている取引先相手の社員のひとりで、seesとは世間話くらい
      はする仲の良い、ちょっと年上の男性だった。

 sees     「えー……rさんも、とらのあな、行くンすか?びっくり
 r          「行きますよ~全然、フィギュア好きですもん」
 sees     「何買うんスか? 萌え系? ロボ系? あっ、それとも特撮系?」
      
                 それは、何気ない、日常的な、悪く言えばどうでもいい、そんな会話のハズ
      だった。しかし――……。
 
   r           「いや、僕作るほうなんでー、パテとかプラとか、ブラシ材とか、そういうの
      買うだけっスね~ww」
 sees  「へーそうなんですか~……てっ、何いいっ! rさんて、そういう趣味だった
      んスかぁぁっ?」
 r           「まぁまぁw、seesさん見ます? コレ、僕が作ったヤツ」
                r氏はそう言うと、スマホの画面をseesに見せ、細かな解説をはじめた……。
 sees      「……ゴジラ、ガメラ、モスラ……すげ(特撮系が好きなのか?)。いやいや、
      これは……スピーダーバイク……Xファイター……え? デス・スターまで…
      スターウォーズ系もこんなに……うおおおぉぉぉぉっ!!
      
      seesは目の前の、年上の、ちょっと不潔そうな、ちょっとイケメンではない
      漢の評価を改めたっ上向き矢印上向き矢印上向き矢印

 r           「……これはエヴァ量産型でー、これはもう売っちゃったけど、ハンブラビと
      ダンバインでー、こっちはザクでー……」

      聖戦士からガンプラ系、まさかのシン・マツナガ専用ザクまで(マニアック
      ですいません)……すごい……すごすぎる。
      簡単に説明すると、r氏はパテとシリコンを使ってゼロからモノを造形し、
      プラモは塗装してジオラマに組立、パーツも改造してしまうとのこと。
      そしてデキの良いモノはネットで売る、みたいな。
      (今度、写真をコピペし、許可が頂ければツイにあげます)
      seesは軽く眩暈がし、くらくらとする意識のあと――r氏の手を握りしめた。

 sees  「rさんっ、お願いですっ!

      seesがツイにあげたのは、r氏に頼んで急造していただいたファルコン号です。
      今回は謝礼ロハでいいとのこと(マジか)。しかしそれでは何だな、という
      ことなので、次にお願いしたレッド・ショルダーの時は焼肉をオゴるという
      話で決着した……いや~ヒトは見かけによらないな……。

      そう、
      しかし、
      seesは少しだけ、ほんの少しだけ――言いたかったケド、言えなかった言葉が
      あったことを知っていた……。
      ……ガンダム系萌えフィギュアも、できれば、強化人間系……欲しいな。
      プル、プルツー、マリーダ様の姉妹セット……欲しい欲しい欲しい欲しい、
      ほじィィィィィィィ号泣……いつか、ヤってもらお号泣

                                  星星


こちらは今話がオモロければ…ぽちっと、気軽に、頼みますっ!!……できれば感想も……。

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Last updated  2018.03.23 00:06:47
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