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カテゴリ:ショートショート
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――――― 前回までのお話はss一覧から ――――― セシリアは図書館の雑誌コーナーの傍に置いてあるイスの上に座り、ユウキが戻って 来るのを待っていた。 いつの間にか、時計の針は深夜2時を指していた。未だ眠れず起きているのは、自分を 含めて数人だけだ。 泣き疲れて眠ってしまった幼い子供たちの寝息を聞きながら、セシリアはパウロ神父の ことを考えた。 神父様とはもう二度と会えないんだ。会話をすることさえ、二度とできないんだ。 そう思うと、心の底からまた強い悲しみが込み上げて来た。不思議なことに、この街の 異変がもたらした悲しみは、時間を追うごとに少しずつ強くなっていくようだった。 故郷の父や母には何と言って報告したらいいんだろう? 無意識のうちに天井の蛍光灯を見上げながら、セシリアは思った。 ……父や母に、会えるの? ふと、なぜ自分はこんなメに遭っているのかがわからなくなった。ずっと抑えつけて いた――理不尽に対する怒りのようなものが、急に心に広がっていくのが感じられた。 その怒りに駆られるように、セシリアはついさっき、ソウタと名乗った子供がユウキに 告げた言葉を思い出した。ユウキは未だ戻って来ない。 『東公園に石像を立てたヤツが原因だ――』 石像を立てた者(彫刻家?)と、過去――理不尽な理由で息子を失った者は同一人物で あり、東公園にある子供の石像が例のアンテナとスピーカーである。 敬虔なカトリック教徒であるセシリアでも、そんな非科学的なことを信じることは できなかった。けれど、心のどこかで『もしかしたら』とも思い始めていた。 ……旧約聖書に登場するゴーレム(石や泥で作られた像)は人の意思を具現化して 命令を実行する、ロボットのような働きをするという。石像に人の意思が宿る? そんな ……でも……もしかしたら……この世界にはまだ……科学で解明できないことがあるの かもしれない。 もしかしたら……人間の命令を実行する、人間以上の存在があったとしたら? もし かしたら……そのゴーレムを破壊すれば、人々は元に戻るのかもしれない? ユウキ……それに、彼に付いて行ったソウタ君……大丈夫かな? セシリアは腰を上げ、少し離れた場所にある閲覧カウンターの様子をうかがった。 その時――急に、鋭い悪寒が走った。 えっ? 慌てて息を殺し、耳に意識を集中する。 図書館の周囲――白い壁と、分厚いカーテンが閉じられた窓の向こうから、複数の人の 足音が響いていた。 ……誰? ……警察? セシリアは一歩踏み出し、壁に耳を張りつけた。 けれど、その気配はセシリアの求めるようなものではなかった。周囲を取り囲んで中の 様子をうかがっていたのは警察などではなく……何人もの大人たちだったのだ。 そうだ。それは確かに大人たちだった。中年の男の低い声や、まだ若いであろう女の 声が、防火防犯用の分厚い窓とカーテンの向こうから、憎らしげに囁きあっていた。 ……憎らしげに? そう。他人が憎くて憎くてしかたがない――セシリアは確かに、《アイツら》の囁き からそんな感情を受けた。 ――――― 自分自身とセシリア、そして図書館に集まった子供たちの話を聞いた後で、ユウキは 貸出しカウンターにあるパソコンを起動させ、瀬戸市関連の新聞記事を検索した。この 瀬戸市の異変に関連してそうな事件と事故のいくつかをリストアップし、印紙にプリント しておくつもりだった。 そのパソコンのモニターは利用者が扱いやすいように文字が大きく、結果を閲覧する まで少々の時間がかかり、とても古臭いシステムではあったけれど、使い方はシンプルで 簡単でもあった。 そして、それはまるで大事な仕事を任されている大人のようで、ほんの少し、ほんの 少しだけ――ユウキは嫌なことを忘れ、一日中張りつめていた緊張が和らいだ。 ……もし、もしも……俺ひとり、だったら? ……いや、やめよう。 もちろん、自分やセシリアたちの置かれている状況まで忘れることはできなかった。 自分ひとりで行動すれば、県道を南下して名古屋市に逃げ込むのも楽で――ずっと簡単 だったに違いない。けれど、幼い子供たちや、道を知らない中学生たちや、彼らを守ろう とするセシリアを置いて逃げ出すことなどできそうになかった。 今、瀬戸市の商店街や駅の周辺はどうなっているのだろう? 燃えさかる家々や、笑顔 で殺し合う《アイツら》……絶え間なく響く悲鳴や絶叫や怒号……街ごと狂ってしまった 瀬戸市……。 あれっ? 1件の新聞記事の前でユウキの視線が止まった。 20年前……瀬戸市……隕石の落下……18歳の息子が死亡……。 死亡したとされる息子の父親の名前を、ユウキは再度検索し直した。それから、ふと、 ついさっき話を聞いたソウタと名乗る子供の言葉を思い出した。 えっ? 背筋が冷たくなるような気がした。 モニターに映し出されたのは、つい最近の新聞記事であったが、その記事に添付して ある写真の人物の名前こそ、息子を失った父親と同姓同名同年の彫刻家だったのだ。 ……瀬戸市在住の彫刻家男性……行方不明になる……親族が警察に捜査届……嘘だろ? 今度は男性の近影とおぼしき写真に目をやる。その表情は、今日何回も、何十人もの 人々の表情に見た――ひどく顔色が悪く、目が虚ろで、とても陰気な雰囲気にそっくり であったのだ……。 ……わかんねぇ……何なんだよ……コイツは……。 理解できることは何もなかった。 「ああ……?」 ユウキは低く呻いた。彼にできたのは、それだけだった。 モニターに映る写真の父親は――ただの写真であるだけなのに――強烈な負の感情を ユウキに向けて浴びせた。ユウキは知っていた。それを、骨の髄まで知っていた。 憎しみ……悲しみ……怒り……恨み……苛立ち……妬み……。 立ち向かえるわけがない。この街を元に戻すことなんて、できるわけがない。やはり 初めから、自分たちに勝ち目などなかったのだ……。 ほんの一瞬のあいだに、彼はそれを理解した。 次の瞬間、雑誌コーナーからユウキの名を呼ぶセシリアの悲鳴が上がった。そして、 それから数分後、ユウキは思い知った。 ……自分は何かの物語の主人公ではない。なれない。セシリアはこの物語のヒロイン ではない。違うのだ。 だから……俺たちふたりの運命は――……。 ――――― ソウタは考えていた。 自分はどうすればいいのか? どうすれば、目的を達成できるのか? なぜ? ……当然だ。 ソウタより年が上のヤツらは頼りになりそうになかったから。 ユウキとか言う高校生は目先のことばかり考えて、行き当たりばったりだ。 セシリアとか言うシスターはみんなのリーダー気取りだけど、僕の言うことを信じて くれる気はない。……キョウカなら信じてくれたのに。 キョウカの顔が閉じた瞼の裏に見えた。それは弟の安否を心配してそうにも、怒りを 爆発させているようにも見えた。しかしキョウカの顔は次第にぼんやりと薄くなり、その 真意を確かめることはできなかった。……確かめたいとも思わなかった。 ソウタは静かに息を吐き、さっき事務室で見つけ――ポケットに隠した、トラックの 鍵を取り出した。 理屈はわかっている。 ソウタは本能でわかっていた。 ユウキが見ていた新聞記事と、セシリアが語っていた神父の言葉だけで……ソウタには 理解できていた。 ――さあ、始めるぞ。 僕の大好きな街に巣食うモンスターたちに、ソウタは心の中で語りかけた。 ゴーレムを支配するのは――僕だっ! ヤツらは全員――殺すっ! 殺し尽くしてやるっ! キョウカやパパやママを失った時点で、僕に、恐れるものなど、何ひとつなかった。 ――――― ユウキは図書館の事務室から工具箱を持ち出すと、子供たちが集まるメインホールの 絨毯に中身をぶちまけた。 ユウキの手には釘抜き付きのハンマーが握られていた。すぐ隣ではセシリアが小型の ナタを握っていた。中学生たちにはモップの柄やアルミのパイプを渡していた。ホールの 書棚を隅に移動させて空間を作り、そこに幼児たちを隠した。 セシリアは目を見開き、カーテンで覆われた窓の一点を見つめていた。ガンガンと窓を 叩き割ろうとする音が響き、亀裂が防犯ガラスにジワジワと広がり、まもなく破られよう としていた。自分ごと死のうとしたバスの運転手の姿をユウキは思い出した。恐怖が今も、 鳥肌となって頬を覆っていた。 《アイツら》は、死ぬことをまったく恐れていなかった。 ただ命令のままに――たぶんこいつらは、みんな呪いのようなものにかかっているの だろう。そして、いや、だから――《アイツら》は死ぬことも、殺すことにも躊躇がない のだ。 ハンマーを握り締め、窓の横に忍び寄った。上段に構え、振り下ろす準備をした。荒く なる呼吸を整えた。 窓が破られるか破られないかの瀬戸際で、セシリアが声を上げた。 「……本当に、やるの?」 「…………」 セシリアは続けた。「できれば手加減して。……追い払うだけって、できないの?」 「わからない」 日の出が近いせいか、カーテンの隙間から薄い明かりが漏れた。その明かりの灯った セシリアの顔を見つめてユウキは言った。「……キミを守りたいんだ。だから、ごめん」 ユウキは言葉を切り、大きく息を吐いた。制服の裾で額に滲む汗を拭い、また両手に 力を込めてハンマーを握った。 その時、ついに、ガラスが破られた。 「やめてっ! 来ないでっ!」 セシリアが叫んだが、《アイツら》は躊躇うことなく、窓の淵に手をかけた。そして、 40歳くらいの男が、下卑た笑い声を上げて顔をのぞかせた。 「来ないでっ! 来ないでよっ!」 セシリアや中学生の女の子が叫ぶも、男は両手を窓の淵にかけて身を乗り出そうとした。 「来るなーっ!」 叫びながらユウキはハンマーを降り落とした。柔らかい感触とともに男が血飛沫を上げ、 絶叫しながら飛びのいた。 「来るなと言ったじゃないかっ! 警告したじゃないかっ!」 無我夢中だった。無我夢中で叫んだ時、別の《アイツら》が窓に手をかけた。「うう うーっー!」と、獣じみた低い呻き声を漏らして身を乗り上げようとした。 「止まれっ! 止まれーっ!」 ユウキは再びハンマーをそいつの顔面を叩き込んだ。鈍い音と同時に、そいつの体は 窓の外の木立へ吹っ飛んで消えた。さっきと同じように窓やカーテンが血飛沫に濡れた。 「来るなら来いっ!」 外で群れる《アイツら》に向かって、ユウキは大声で怒鳴った。「殺してやるぞっ! 楽になりたいヤツはかかって来いっ!」 敵は答えなかった。その代わり――…… ……――とても乾いた、空気を切り裂くような音が、ユウキの身に襲いかかった。 瞬間、ユウキの左肩に、凄まじい激痛が突き抜けた。腰が抜け、息が止まった。思わず その場にしゃがみ込んだ。矢だ。ボウガンの矢が、ユウキの肩を貫通し、奥に並べた書棚の ひとつに突き刺さった。 生温かい血が腕を伝って滴り落ちた。わからない。敵がどこから撃ち、誰が撃ったの かもわからないまま――ユウキは片手でハンマーを振り上げた。左肩が猛烈に痛み、左腕 からは感覚が消えた。それでも――……死ぬものか、殺されてたまるものか。そう思った。 「ああ……ユウキっ!」 好きになりかけたひとつ年上のシスター見習いが自分の名を呼んだ。その言葉ひとつ だけが、ユウキを勇気づけた。 勝てない。負ける。敗北する。死ぬ。殺される。そんなことはわかっている。わかって いるのだ。……でも、それでも、セシリアたちを守りたいと思った。 そう。 ……俺は人間なんだ。これが人間なんだ。俺は……狂っちゃなんかいない……。 「全員武器を取れっ! 窓からの侵入に注意しろっ! 戦うんだっ!」 静かな図書館にユウキの声が響き渡った。 「うん……うん……戦う……私も戦うわ……」 セシリアは泣きながらユウキの肩に縋りつき、ハンカチを傷口に巻き、痙攣する左腕を 抱えて支えた。ユウキはハンマーを握り直した。そして、次の襲撃に反撃するチャンスを 待った。 守るんだ。彼女だけは、絶対に守り抜いてみせる。 窓の外では、《アイツら》が愉快そうに笑っている……。 ――――― かつてヒトだった何かが立っている。道路の中心に大勢の何かがいるのが見える。 ソウタは、日野自動車の3tトラック、デュトロの運転席に座っていた。小さな手に 大きなハンドルを握り締め、走り寄る何かを見つめていた。 ソウタは……ふと、図書館に居残っている少年や少女たちのことを思い出した。まだ みんな生きているのかな? と思ったり、連れて行けなくてごめんなさい、などと心の 中で謝った。何度も。そう、何度も。後ろめたい気持ちがないわけでは、決してなかった。 ソウタの父親が日野自動車のエンジニアで、オートマ車の運転が子供でも簡単に可能 だと知っていたことも……この3tトラックなら、図書館の子供たち全員を県外に運ぶ ことも簡単であると知っていたことも……ソウタは黙っていたからだ。 デュトロの速度を落とした。そして、運転席の窓を開け――乗るかい? と言わん ばかりに手を振った。男のような生き物が笑顔で応えた。 笑顔――応えた時、男のような生き物は爽やかな笑顔を浮かべていた。しかし次の瞬間、 それは凍りついた。 「バーカ」 男のような生き物が移動の向きを変える前に、ソウタはアクセルを深く踏んだ。幸運 にも、この3tトラック――デュトロはハイブリット仕様のためかエンジン音が小さい。 それが――ソウタを喜ばせた。 「待っ――……」 言葉を聞き終わる前に、ソウタは目の前の生き物を轢いた。 前輪の接触時に骨が砕けるような音が聞こえ、次に、後輪の接触時――水風船が弾ける ような音がした。死んでしまった、殺してしまったとだけ思う。 罪悪感はなかった。むしろ、何の感慨さえも――無かった。 獣たちが異常を察知したのか、街全体の空気が震えた気がした。走行するデュトロの 運転席からは、様々なモノが視界に入った。興奮し呼吸の荒い老婆や、全身を血だらけ にした中年男や、ギラギラと目を血走らせた女たちの集団や、拳銃を持った警察官や、 斧を持った若い女が見えた。 「……東公園に着くまで、何人轢き殺せるのかな?」 まるでゲームを楽しむかのごとく、少年は嬉しそうに笑った。 ――――― 高校生の少年は、自分よりひとつ上の少女の手を握り締め――存在するかもわからない 神様に願った。助けてください、俺はどうなっても構わないから、この子たちだけは助け て下さい。そう思いながら……。 ――――― ソウタは運転席から降り、デュトロとの衝突で砕けた石像を見つめていた。乗って 来たデュトロには生き物の肉や内臓が無数にこびりつき、タイヤは血で濡れていた。 ソウタの思った通り――石像の台座の中身は、人間のミイラであった。ミイラは 全身をビニールテープでぐるぐる巻きにされ、両腕と頭部の間に何かを大切そうに抱いて いる。ソウタの想像と予想が確かであるならば――それは宇宙から来た、地球外の、何か 得体の知れない力を持つ――隕石だ。そう思った。 息子を失った父親は絶望の中でこの隕石の力を知り、ゴーレムを作り、自らの怒りを 呪いに変えて街にバラ撒いた……誰かに奪われないように、息子の後を追うために、自分 自身の墓石をゴーレムに変えて……。 ……だから、何? そう思った。 ソウタはカッターナイフでミイラの手の指を切断した。そして――ペットボトルほどの 大きさのそれを取り出し、両手に持つ。奇妙で歪な形をし、見た目以上に重いそれを―― ソウタは、天に掲げた。 それはちょうど、ゴーレムに形作られた少年のポーズに似ていた。 少年は隕石に願いを込めた。 「会いたいよ……。パパやママや、キョウカに会いたい……」 堪えて、耐えて、我慢していた涙が、両目に溢れ落ちた。 そうだ。 ……僕は、結局、人間なんだ。 恨みや怒りや憎しみや悲しみが、いったいどれだけ高く積み重なろうとも…… 僕は、やっぱり、人間の、ただのちっぽけな、子供なんだ……。 街を守ることができるのか? 瀬戸市を守ることができるのか? ……僕には、わからない……だけど……だけど……それでも、僕は……。 瀬戸市は今も、混乱を続けている……。 ――――― 本日のオススメ!!! ヨルシカ、ことn-bunaさん。 ツイでは頻繁に紹介させていただいておりますが……いかんせん、 知名度はまだまだですかね……。 ヨルシカ――n-buna氏とボーカルを務めるsuis(スイ)氏による バンド。元々n-buna氏はボカロ楽曲の作曲をメインに活動する、 いわゆるボカロPのひとり。あまりにも完成度が高く、ボーカル のスイ氏を迎えてメジャーデビュー。コンサートもやり、CDも 出し、後はメディアの露出さえできれば……確実に売れるヒトたち。 seesも思わず泣いてしまう切ない歌詞、ロック調の演奏……多少 クセの強いドラム音がしますが……まぁ気にしないでくれっス……。 ヨルシカ、ナブナ氏のCDです。……まぁ、興味もたれた方は、お願いします。 雑記 お疲れ様です。seesです。 またも大幅に更新遅れてすみません。いやね、出張が重なっちゃって暇が無いのよ、 ホント。休みの日は雑用こなしたり、買い物行ったり、ツレと遊んだりしてたらもう 5月💦月日の流れは無常ですわ……。 さて、後半ですが、まーまーよくあるオチですね。海外小説の流れを踏襲しつつ、 パニックホラーテイストを出す、みたいな(笑) 気に入っていただける方がひとりでも おられれば、seesは満足でございます。 次回はseesの大好きな《D》の短編をひとつ。タイトル考えるの難しいケド……。 まぁ内容的にはコンパクトに、2時間ドラマ風のものになりそう。ストーリー的には 例によって、『悪いヤツと悪いヤツのトラブルに巻き込まれる岩渕先輩』みたいなもの。 京子嬢の登場は少なめ、を予定。……あまりオモロクはないかも。 seesに関しての情報はもっぱらTwitterを利用させてもらってますので、そちらでの フォローもよろしくです。リプくれると嬉しいっすね。もちろんブログ内容での誹謗中傷、 辛辣なコメントも大大大歓迎で~す。リクエスト相談、ss無償提供、小説制作の雑談、いつ でも何でも気軽に話しかけてくださいっス~。 でわでわ、ご意見ご感想、コメント、待ってま~す。ブログでのコメントは必ず返信いたし ます。何かご質問があれば、ぜひぜひ。ご拝読、ありがとうございました。 seesより、愛を込めて💓 好評?のオマケショート 『まさかの副業?』 seesパパ 「なぁ……熱帯魚、飼おうかと思っとるんやが……どうや?」 sees 「……? 何や、新しい趣味でも始めるん? ええんやないの?」 seesパパ 「そうかそうかww ちょっとな、老後の趣味のひとつにでも、なw」 嫌な予感がした。 猛烈に嫌な予感がした。しかし、seesはそれを口に出すことはせず、 パパの笑顔をただじっと見つめ、ママの作った味噌汁をすすった……。 後日―― seesパパ 「なぁ、熱帯魚の繁殖に成功したら、カインズで買い取ってくれるって、 sees知っとるか?」 sees 「……? 知らんが……そうなの? ……いくら?」 seesパパ 「メダカとか、グッピーとか、一匹20~50円くらいらしいな(^^)/」 sees 「……」 嫌な予感がした。 猛烈に嫌な予感がした。しかし、まだ実家に水槽が置かれていない状況を 考慮して、seesは不安を口に出すことはせず、パパの笑顔をただじっと 見つめ、ママの作った白和えを肴にハイボールを飲んだ……。 後日―― seesパパ 「完成したぞー」 sees 「……何が?」 seesパパ 「見てみいっ! 楊貴妃(メダカ)用の養殖池やっ!」 sees 「……(ただ水槽を地面に埋めただけやん。まぁ、これぐらいなら……)」 seesパパ 「見とれよ~seesっ! メダカをじゃんじゃん養殖して、稼いだるワイッ!」 sees 「……へーすごいねー(棒)」 ……やべぇな。騙されてやがるんか? そんな簡単かつ、ウマい話があるワケねーぞ。しかし、seesは心の内を 口に出すことはせず、パパの笑顔をただじっと見つめ、ママが友人から もらってきたハチミツをヨーグルトにかけた食べた……。 後日――写真、Twitterにあげときます。 🐟了🐠 ――――― いくつか、疑問が残る。 父親は息子の蘇生をなぜ願わなかったのか? なぜ、大人たち――社会への断罪を選択したのか? 少年が考えていると、背後から、自分の名を呼ぶ姉の声を聞いた。 「……ソウ、タァ……オネガイ……」 疑問の答えを、少年は見つめた。 「アタシヲ……コロシテェ……」 それは……かつて姉であったそれは……もう、人間ではない、何か別の……。 了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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