テーマ:小学生の勉強(1302)
カテゴリ:先生
こんばんは。 やっと涼しくなってきたと思ったのも、束の間。。 また一気に蒸し暑くなりましたね。 体調管理が難しくなる時期。 しっかり体を休めながら、元気に頑張っていきましょう!! さて、私事ですが、この夏ご縁があって小中学生の家庭教師をさせていただいてます。 プロではありませんが、大学時代4年間と社会人になってからもお声をかけていただき、気づけば長年続けてきた家庭教師。 本格稼働は久々ですが、懐かしい感覚はすぐに戻り、最近では大きなやりがいも感じられるようになりました。 そんな先日、お勉強に行くと生徒の中学1年生の女の子2人が泣いていました。 驚いて理由を聞いてみると、返ってきた答えは。。 「明日夏休みの宿題の提出日なのに、まだ終わらない。。(涙)」 この仕事をしていると、まぁよくあるパターンです。。。 始業式まではまだ1週間ありますが、クラブの顧問の先生に提出して終わっているかチェックされるのだそう。 しかも、それが終わってない子は、夏休み最後の大会に出してもらえないらしく。。 前日の夜遅くまで、ご両親に見てもらいながら他の課題は何とか頑張ったそうですが。 1人は『人権作文』が、もう1人は『読書感想文』が、どちらも手つかずで号泣していました。。 しかも、読書感想文に至っては、本も読んでいないとのこと。。 本来、課題テスト対策をする予定でしたが、やむなく2人の作文を手伝うことになりました。 レポートはともかく、作文を教えるのは久しぶり。。 本来なら時間をかけてその子にあった書き方・方法を選びたいとことですが、とにかく出来る限りやるしかありません しかも、この時点で時間はすでに15時半。。笑 まずは、1人は『読書感想文』の本を読んでいてもらい、先にもう1人の『人権作文』に取り掛かります。 「人権」と一言にいっても、ジャンルは広すぎるくらいあります。。 男女・人種・障害者など、“差別” に起因するものから、子供のいじめや不登校、貧困など、“時代背景” に起因するものなど。 とにかく “最近ニュースになった時事問題” を思い返し、急いで「テーマ選び」を始めました。 時間は限られるものの、“出来るだけ自分に経験や言葉から書いてほしい” と思い、興味のあるもの・書けそうなものをいくつかピックアップして聞いてみますが。。 生徒ちゃん、涙目で「どれも難しくて書けない」と。。 「泣いてる場合じゃないぞ~!!!」と励まし続ける私。。笑 なんとか一緒に考えて、出てきた候補は「障害者の人権」と「子供の人権」。 「障害者の人権」も立派なテーマですが、これは障害をもつ方に直接協力を依頼し、リアルな意見が欲しいところ。。 しかし、今回はそんな時間はないので即除外!! ということで、残ったのは「子供の人権」でした。 大きく「子供の人権」といっても、これまたテーマの広い題材。 実際、生徒ちゃんの周りのお友達の多くは、“いじめ”について書くと言っていたようで。。 ならば、かぶらないネタを探そうと、自分の今までの体験を思い出してもらい出てきたのが、“保育園問題”でした。 母親の多くが、お仕事を持って、働きながら子育てをする今の時代。 ●子供の現状がどうなっていて、どんな危険や問題があるのか ●子供が安心して、安全な生活を送るために大切なことは何なのか 大人目線ならいくらでも思いつきそうですが、なにも言わずあくまで中学生の目線で考えてもらいます。 そして、急ピッチでなんとか決まったテーマ。 “自分が保育園や学童に通った経験” をもとに、こどもの人権を訴えていくことにしました 焦る気持ちからか、いきなり原稿用紙(提出用)を広げて書き始めようとする生徒ちゃん。。 さすがにそれはと慌てて止めて、白紙の紙を渡します。。笑 いくら急いでいても、最低限の形には仕上げたいところ。。 話の「起承転結」について簡単に説明しますが、「??」の表情。。笑 せめて大まかな流れを決めるために、「作文の構成」ついて書き出していきます。 ざっくりですが、こんな感じでイメージは固まりました。 「起承転結」もほぼ成り立っていませんが、とにかく時間がないので今回はやむなく進めます。。 (次はもっとしっかりまとめるんだぞ~。笑) 誘導しすぎもよくないですが、時間があれば参考にしてほしかったのはこんな内容でした 【起】 ・女性の社会進出が進んだ現代社会には、以前にはなかった新たな問題が多く生まれている ・働く女性の人権、その子供たちの人権 ・それぞれに守られるべき権利があるが、現在の日本の制度では、それは十分とは言えない ・「待機児童」「保育園・保育士不足」「学童問題」 ・「職場における時短勤務への理解・配慮不足」 →昔~現代の子供たちが、実際に経験することが多い問題点を生徒本人の目線で探す 【承】 ・生徒本人の体験談、思い出 例:つらかったこと、寂しかったこと、逆によかったこと ・母親の体験談 例:苦労したこと、大変だったこと、逆に助かったこと →本人の経験を通して、問題点を洗い出す 例:「保育園に入れなかった時」「お迎えが間に合わなかった時」「土日祝日がお仕事だった時」「学童が終わったあと」「母親の帰宅が遅い日の食事」 【展】 ・現代社会は、今どのように変わろうとしているのか ・どんな対策や見直しが行われているのか →ニュースや新聞で時事問題を調べる 例:「市の保育園増設」「企業内の保育園設置」「保育士の待遇改善」「ファミリーサポート制度の導入」「送迎付きの習い事の増加」「こども食堂」 【結】 ・自分自身の経験から、どうなってほしいのか ・今回、この作文を書く中で、新たに気づいたこと ・今後、自分が出来ること →自分の思いや、目指すべきもののために自分自身にできること あくまで私の考えや指導方針によるものなので、ご参考程度にお読みいただけたら幸いです。 ここからはネタ集めにお母さんにも当時のエピソードをもらい、思い出話を盛り込みながらリアリティを持たせていきます。 お仕事から帰宅中のお母さん、なんとLINEで参加。。笑 構成を考えるより文章を組み立てる方がよっぽど難しいので、ここからが本番!! 出来るだけ本人の言葉で作り上げてほしいのですが、国語が大の苦手な生徒ちゃん。。 油断すると思いがけない言葉が出てきて、全く違う方向へ行ってしまいます。。 ほぼ付きっきりで手助けをしながら、2時間ほどでようやく何とか形になりました つづいて息つく暇もなく。。 ここでようやく本を読み終えた、もう1人の生徒ちゃんの『読書感想文』に取りかかります。 手にしていたのは、こちらの本。 対象年齢は小学生(生徒ちゃん中1・・)ですが、もう細かいことは言ってられません。。笑 先ほどと同じく、文章構成を決める手助けをしながら、私も一気に本を読んでいきます。。笑 読書感想文って、本によっては「起承転結」をまとめるのが難しい。。 なので、なかば誘導のように質問形式で要点をまとめていきます。 【読書感想文 文章組み立て事例】 ・その本を選んだ理由やきっかけ ・内容の要約 ・印象的だった箇所や言葉 ・そこから学ぶこと ・学んだことを、今後どう活かしていくのか この本は、とてもユニークな、ねこの世界のお話。 でも、大切なテーマがしっかり盛り込まれています。 ただし3部構成のお話なので要約が大変。。 いいお話なので、「もっと時間をかけてしっかり読んでまとめたかった・・・」というのが正直な思いです。。 やはり大人の意見で導きそうになるのをグッとこらえ、方向性のみ伝えるように注意します。 人権作文とは異なり、読書感想文は印象に残る箇所が人それぞれ。 なので、主観や個人の思いを潰さないようにサポートするのが一苦労でした。。 なにより大事な部分が、“ポイントを絞り、その本を読んでない人にいかに感動を伝えられるか ” を考えること。 これは、大人でも至難の業です。。 自分を登場人物に置き換え、ストーリーに落とし込み、そこでどう感じるのか。 必ずしも主人公と同じ展開になるとは限りません。 実は、自分の性格や長所短所を見直す、滅多にない良い機会でもあります そんなことを思いながら、こちらもつきっきりでサポート。 消化不良感が半端なかったですが、読書感想文もなんとか2時間半ほどで完成しました。 ふと時計を見ると、すでに21時過ぎ。 生徒ちゃん二人は、もう完成の喜びを感じる余裕もないくらいに疲れて表情が死んでいました。。 ふたり分の作文の完成にかかった時間は、約5時間半。 休憩なくぶっ通しで同時進行でふたりをサポートした私も、頭フル回転だったためさすがにフラフラ。。 そんな様子を心配した生徒のおばあちゃんが作ってくれた、この親子丼。 もうめちゃめちゃ美味しくて、心身ともに染み入りました そうこうしていると、様子を見に集まってきたお母さんたち。 こちらが恐縮するくらいに平謝りでした。。笑 生徒ちゃんたちを無事クラブの大会に出場させてあげられたのと、お母さんたちのお役に立てたことで、私もホッと一安心 子どもはいない私ですが、世の中のお母さんたちの大変さが身に染みてわかった気がします。 しかし、私にとってもめったにない貴重な体験で、特に人権作文では考えさせられることがたくさんありました。 身近に働くお母さんの姿もたくさん見てきましたが、それはあくまで大人目線。 「子供の人権」という目線で意見を聞くと、思ってもなかった問題点が見えてきたりもしました 「保育園に入れたから」「学童に行ってるから」、だから万事解決なのではなく。 大人にはなかなか見えない、こどもの目でみる景色を垣間見た気がします。 この直後、ある有名なタレントさんが、「こども食堂」を始めたとニュースになっていました。 私が家庭教師をしているのも、「塾ではついていけなくて、困っている生徒さんたちの力になりたい」 という思いがあったから。 他人事ではなく、むしろ近すぎる問題に感じます。 “いじめ” や “不登校” など、今の時代だからこその、子供の問題が数多くあります。 私にも、もっと出来ることがあるんじゃないか。。 誰かの力になれることを探して実践していける、そんな女性を目指したいなと思います。 最後までお読みいただき、ありがとうございます。 一個人の体験談ですが、何かのお役に立てたら嬉しいです
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.08.27 16:28:11
コメント(0) | コメントを書く
[先生] カテゴリの最新記事
|
|