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元・経営コンサルタントの投資日記

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2007/06/08
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カテゴリ:敵対的買収防衛

ブルドックソース(BS)スティールパートナーズ(SP)の買収防衛において、ついにBS側が反対表明を出した。経緯はこうだ。

5月16日、筆頭株主(約10%保有)のSPが突如TOBを宣言

18日 TOB開始(TOB価格1584円)

25日BSはSPに70項目以上からなる質問状を交付

6月6日質問書を受領。具体的な回答がない。

7日 反対意見表明および事業計画案の提示

いやあ、あきれました。結論からいえば、「これまでの経営の怠惰は従業員を25%以上カットすることで許してください。株主の皆様」 と言わんばかりの内容です。経営のふしだらを従業員に転化しています。

BSはSPに食品事業の経験がないこと、投資会社であり転売が予想され、当社の経営理念が守られにくいこと(食品の安全・安心・信頼を追及する)、具体的な企業価値の向上策が示されないことなどを反対理由としています。

一方、SPは株を買うだけで経営には興味がないといっています。

さて、当該事業計画を見てみましょう。

金額は百万円  売上高     営業利益    営業利益率(%) 

07/3       16759      718        4.3

08/3       17000      900        5.3 

13/3       17900      2500       14.0

となっています。主な政策として

1:PB商品の販売による売上高向上

2:調達コストの削減

3:生産拠点の集約

4:重複部門の効率化

なんと6年間で営業利益が3倍以上も膨れ上がっているんですね。急成長じゃないですか。

となっている。1は6年掛けておおよそ9億円の売り上げ増加ってさびしいですが、まあ保守的なんでしょう。少子高齢化で食料の消化量が減っていく、BSのソースはフライとか脂っこいものの調味料が多いそうです。

なお、実は06年9月に経営破たんしたイカリソースを買収し子会社化しています。以降はこの子会社とのシナジーにかかわる問題。

2バイイングパワーを発揮して、6年間で2.4%の原価率を引き下げるとのことです。しかし、原価率07/3実績32.1%は売上高168億に対し54億円程度です。また原材料にはトマト、にんじん、たまねぎ、りんごなどの原材料とプラスティック系の包装資材があると思います。前者の野菜果物って、毎年のように天候不順が叫ばれる中、果たしていうこと聞いてくれるのでしょうかね?このコストダウン効果が4.3億円あるとしています。 

ちなみに、同業で売上高が10倍も違うカゴメの決算説明では、原油値上げに伴う、包装資材の調達コスト増加や野菜果物は天候次第の面があってコストダウンは予想が難しいと述べています。BSには同じことが言えないのでしょうか?

3.4は「ふざけるな」という内容です。つまり、436人いる従業員を6年後には320人(▲116人)とし、770百万円のコスト削減効果を上げるというものです。これは参った。116人って26.6%の削減ですよ。よくアメリカ企業がリストラ発表していますが、せいぜい全従業員の5%程度の退職を見込んでいるだけです。しかも、日本においては、このようなリストラは、近年では赤字企業が不退転の決意をもって再生に取り組むときに使う手法です。とても営業利益率4.3%の健全企業が使う手法とは思えません。

また、ふつうはこのような合理化策はイカリソースを買収した直後または3ヵ月後程度に発表するもので(日産のゴーんさんも3ヵ月後ぐらいにリバイバルプランをリリースしましたね)、1年以上も放置して発表するようなことは例がありません。

また、私もかつて食品業界に一時的ですが籍を置いたものですが、営業利益率が14%なんて不可能だと直感します。せいぜい7%が関の山です。例えば使用材料が似ている同業大手企業はこんな感じです。

いずれも07/3期  売上高     営業利益    営業利益率

カゴメ        1870(億円)   96        5.1(%)

ハウス食品     2325       83        3.6

キッコーマン    3296       216       6.6(デルモンテの取り扱いあり)

とこんなものです。14%がいかにすごい数字かがわかります。さらに、この業界決定的に、物流コストとマーケティングコストがかかるため、規模のメリットが働きやすい特性もあります。したがって、現状の4.3%でもシェア1位の恩恵があるので、健闘しているといえそうですが、さらに上を目指すのは厳しいような感じを受けています。

ちなみに世界ナンバーワンの食品企業ネスレは売上高8兆円、EBITDA(償却前営業利益)約1兆円で、減価償却費込みでやっと12.5%です。もちろん規模だけでなくニッチな企業もありますが、コモディティなので、ひろく流通させて、広く商品認知してもらわないといけないのでコストも結構かかると思いますよ。

これまでほとんど、株主・投資家に経営計画をコミットしなかった、また、そうした対応が株価を低いままに放置し、SPに漬け込まれ、今度はそれまでの自分たちの責任は棚においておいて、従業員をリストラするから、株主様、私たちを助けて、といわんばかりで、経営者保身であると言いたい。

新株予約権の設計が今回は買収者側SPの経済的価値を毀損しないというものであるため、注目を浴びていますが、私が労働組合委員長か従業員持ち株会理事長なら、経営者責任を追及しますよ。ちなみに、このリストラに対し、経営陣は減俸などの処置はなさそうです。せめて、財務アドバイザーと弁護士に払ったとされる1億数千万の費用を数年掛けて役員報酬で吸収してほしいですね。

これじゃ、経営者とアドバイザーたちが一番儲けるスキームじゃないですか。

SPは表面的には「経営に関与しない」(要するにリストラするとは言っていない)と羊さんです。一方、経営者側は、「25%人員削減します」と、一転して狼になりました。

株主の立場(従業員株主を除く)から言えば、「じゃあ出来なかったら責任とれ」ぐらいで続行させるのでしょうかね。しかし、食品メーカーの一般株主って、その商品にほれ込んでいる、会社が好きだ、よく食べている、株主優待券が魅力的、配当がよい、とかが投資理由であって、キャピタルゲインはあまり期待していない人たちなので、こんな狼少年をむき出しにしたら、かえってひんしゅくを買いそうですね。

従業員の立場からは、決して人員削減を許容できるないようではないので、断固戦うべきでしょうね。けど、そしたらTOBに応募することになるのかな?市場より低い価格で。

このような場合、株主という一方のステークホルダーの顔は立ちますが、従業員とか地域社会(工場閉鎖とかあり)への利益は損なわれても正当化されるんでしょうかね?

 

 

 

 

 







Last updated  2007/06/09 03:07:08 AM
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