元・経営コンサルタントの投資日記

2010/09/27(月)23:21

尖閣諸島、外交戦略云々

政治(17)

  恥ずかしながら、私は学生時代政治学科のゼミを出ておりまして、20年前の埃のかぶった知識で恐縮ですが、今回の尖閣問題は中国だ、天然ガスだ、レアアースだと言う問題ではなく、もっと根本的に、日本の安全保障にとって何がもっとも脅威なのかの優先順位付けとそのための取捨選択がない、つまり、「戦略」がないことが原因のすべてだと思います。 そのためには、何が国家安全保障上の最大の仮想脅威なのかを秘密裏に定義しなければならないでしょう。 正直、いまさらロシアが攻めてくるとは思えません(そんな無駄な金はないだろう)。 北の将軍さんの逆切れは可能性がある。けどこの国は、逆切れ外交で、逆切れで援助を求める戦略が基本。したがって何よりの脅威は、中国の膨張主義でしょう。中国は沖縄諸島ですら、自分の領土と主張しているようですから。 これから先、中国とは経済友好、外交では距離を置く関係が継続する、少なくともあちらは政治的には共産国家であり続けているので、民間とは違い、国家レベルでは何もかも一心同体になる必要性はありません。 尖閣諸島の問題は、日中間だけの問題として片付けず、中国と国境を接していて、領土問題を抱えている国(ベトナム、インド、マレーシア等)と、そしてなんといっても中国とは本質的に犬猿の仲といってもいいロシアを巻き込み、米国を盾にして、地理的に中国封じ込め戦略を描くぐらいの覚悟がなければ、だれが政権をとっても小馬鹿扱いされるのみです。 アメリカは、経済的に中国市場への傾倒を続けていますが、それでも中国の領土主権が膨張することは本能的によしとしないはずなので、長期的な戦略を持ってすれば、陣営に引き込むことは可能だと思います。インドも中国を快く思っていません。 アメリカ、ロシア、インドそして日本、これだけ足せば、プレッシャーは相当あるので、中国もうかつに漁船と称して、小賢しいマネはしてこなくなるでしょう。 そのためには、日本も片づけなければならない問題は山積しています。北方領土や竹島問題です。これを平和的に落とし所を持って解決して、後顧の憂いをなくさなければなりません。けど、それが出来る和製キッシンジャーが出現するのか? 日本の課題は、各論にとらわれ過ぎて、ビッグピクチャーが見えない点でしょう。日本にとってのビッグピクチャーの基礎となるのは、ここで日米同盟である、という基本に帰ってくるでしょう。 絶対譲れない線、将来の脅威が何か、をじっくり考えて戦略を練ってほしいと思います。そうした場合、日本が何をすべきかがよくわかったと思います。安部氏も鳩山氏もなぜ自分が首相から落とされたのか、やっぱりわかっていない。アメリカは今回も「尖閣諸島は日米安保の範囲内、同盟国として強力に支援する」と声明を出している。靖国神社に参拝しても中曽根さんも小泉さんも長期政権が築けた。しかし、中国寄りに歩み寄った首相は短命に終わる(私は分祀すべきだと思いますが)。 残念ながら、沖縄問題もそういった中で考えざるを得ないのではないでしょうか? これまで政治家はばら撒けば(皆幸せにすると吹聴すれば)、票が入った、すなわち経済的課題は国債を刷ればよかった。したがって外交戦略を正面に考えていなかった(優先順位が低かった)。 核密約とか、そのような書類が個人の家から出てくるとか、アメリカが悪いのか日本がアホなのか。 各論の議論と基本戦略の議論をしっかり認識し、基本戦略の部分でぶれない軸を作っておくべきだ(経済や企業の基本戦略にも当てはまるケースは多い) 民主党は、日本の国益ではなく、みずからの党益(支持母体が大陸寄り)だけで今回の意思決定をしてしまった。こんな政党に票を入れた自分も恥ずかしい。ハマコーさんが、かつて、ツイッターで、色々不満があっても「それも民意だ」と言ってたなあ。あ~あ。次は投票所に行くべきか? 

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