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元・経営コンサルタントの投資日記

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ポートフォリオ分析

2011/12/11
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Annaly Capital Management(NLY)という銘柄に追加投資しました。

アメリカのREITの一つですが、投資対象を実物不動産ではなく、Mortgage Backed Security(MBS)に特化しているので、通称M‐REITとも呼ばれています。

 

MBSと言えば、悪名高いサブプライムバブルの元凶の一つでもありますが、元々は住宅ローンの債権をまとめて証券化して投資家に売却することで、銀行等の金融機関の資金の流動性を高めることを目的として作られた仕組みです。アメリカ人はあまり銀行預金をしてこなかったので、貸し出し超過になりがちな金融機関を支援する目的でした。

 

一方、投資家のほうにも長期的に安心して、少しでも高利回りの投資が出来る商品をペイスルー(投資ビークルには税金を課さない仕組み)で、クーポン収入が得られる(住宅ローンですので、正確には利息収入とともに元本回収が出来て、回収した元本を次の投資機会に振り向けられるため、満期まで資金が寝てしまう債券投資より柔軟性が高い)商品とでした。

 

NLYの投資するMBSは、ここ数年間エージェンシー債と呼ばれる、ファニーメイ、フレディマックの保証付きMBSが大半です(ただし規約上は総資産の25%まで、投資適格級の他の資産を保有してもよい)。

 

ファニーとフレディは米国政府の事実上の保証が付与されていると言われており、今回の金融危機でも、物議を醸し出しているものの、米政府は相次ぐ増資で経営を支えています。

 

一般金融機関が住宅購入者にローンを提供した後、彼らから保証を取り付け、その後MBSで売却するというのがよくある仕組みです。つまり、投資家に対し間接的に住宅ローンの債務不履行を国が保証するような仕組みです(債務者には一定以上の信用力がいる)。

 

これまでアメリカでは住宅価格が右肩上がりだったので、債務超過による実質損というのはほとんど表面化していませんでした。したがって、国が住宅ローンの最終デフォルトの尻拭いが出来たのです(したがってこのまま住宅価格が下落すると、このシステムの根幹が揺らぐことになり、これを阻止すべく政策が打たれているものの、現時点では実効性が上がっていないという課題がある)。

 

ただ、今尚一般的に投資家サイドから見た場合、エージェンシー債のデフォルトリスクはない、安全な投資対象となります。保険会社や地域金融機関、年金基金等にこれまでは買い支えられてきました。日本の為替介入資金、すなわち外貨準備金の一部もMBSを買っていると言われています(事実上の「親方星条旗」ですから)。これからはFRBが買い支えそうですが・・・。

 

前置きが長くなりましたが、

Q1:なぜ投資したのか?

A1:配当利回りが高いから(現在14%~15%)。

 

これをDRIP(配当金自動再投資)することで、株価の複利効果を得るのではなく、株数の複利効果を得ることで総資産の拡大を図ることがねらいです。

 

仮に株価も配当もずっと同じならば、毎年15%(正確には配当の税引き後なので12%)の株数の増加が複利で発生するため、IRR12%の普通株投資と同じ目的が得られることになります。

もっともREITですから、配当はその時の収益次第で株価もその時の相場次第ですが、これは普通株でも同じことです。

 

但し、ITバブルとリーマンショックの2回のバブル崩壊にもかかわらず、トータルリターンは目を見張るものがあります。(Fact Sheetより)

NLY.PNG

上記は2000年から、配当金の再投資を行った場合のトータルリターンの図ですが、11年で6倍!(IRRに引きなおすと17.7%!!)。2005年からですと18.8%とバブル崩壊の申し子のようなリターン。

 

但し、よく見ると05~06年の金利引き締め時期は大きく下落しています。一方、ITバブル崩壊時と今回の金融危機の時期の金融緩和時期は大きくリターンが上がっています(ある程度S&P株価指数と小さな逆相関があるようにも見えます)。

NLYDiv.PNG

配当金(これは1997年の上場以来の推移)も金融引き締め時期に下落して、緩和時期に一気に大きくなる傾向にあります(もっとも後述するレバレッジとも関係があると思いますが)。

 

Q2:なぜ高利回りなのか?

A2:レバレッジをうまく活用しているから。

 

NLYSpred.PNG

 

これがこのREITのビジネスモデルになります。

 

1 はMBS等の加重平均利回り、2 は通常はMBSを担保に入れることにより、短期で何度も借り換えが出来る前提のRepoという短期資金(1ヶ月~12ヶ月、1%未満のはず)に金利スワップ(変動金利を受け取り、固定金利を支払う)を加えると、2%近いコストになるそうです。なお、スワップでカバーされる借り入れ元本はおおよそ45%程度とのこと。

4 は株主資本に対する借入金の倍数で、10-K(有価証券報告書のようなもの)には8x~12xがこのリートの想定レバレッジである、と記載されていますので、現状の5.5x~7.0xというのは金利上昇リスクを経営陣は警戒しているといえそうです。

 

なお、証券取引以外にこのREITは子会社がいくつかあり、子会社の利益もREITのペイスルーが適用されるので、実際の利回りが 5 以上になります。

 

Q3:そんなにおいしい取引なの?(留意点)

A3:投資家がもっとも警戒すべきリスクは金利リスクです。

 

投資商品にはリスクがつきものです。この商品は株式市場に上場されていながら、その本質は債券投資に限りなく近いと個人的には思っています。

債券投資といっても、そのクレジットリスクは、「親方星条旗」といってよく、事実上ないといえるでしょう(ホンマか?)。

債券投資の第二の敵は金利です。債券は、金利が上昇すると価格が下落します。今回のEU危機のイタリア国債、ギリシア国債でその恐ろしさを知ったところでしょう(ギリシアはたしか20%のクーポンでも価値が半額程度になったはず)。

 

アメリカの信用不安がエスカレートして、金利が急上昇した場合、REITの株価は暴落する可能性があります。さらに金融システムが混乱して、REPOファイナンスが受けられないとか金利スワップのカウンターパーティーリスクとかの 「金融非常事態」 とか 「フィナンシャルアルマゲドン」 の再来も無いとは言い切れません。

 

景気が急回復して、金利上昇した場合も同様のことが言えます。

 

前者はともかく(個人的には何とか大丈夫と思っている)、後者は経済全体にはよい兆候なので、住宅ローン金利も上昇するでしょうから、スプレッドは半年ぐらい時間が必要かもしれませんが、一定値をキープできると想定されます。

 

スプレッドそのものが安定していれば、金利は高くとも低くとも本質的な商品特性には関係がないので、一番重要なのは金融政策の転換点で、金利が大きく動くときに価値が大きく変動する商品だと考えています。

 

一方、ウワサされるQE3ですが、本命はFRBによるMBSの購入です。この場合、金利は低下が予想されます(住宅取得を刺激するため、金融政策でローン金利を下げようとするから)。短期金利の下げは限界があるので、スプレッドが縮小し、投資家はこのREITから敬遠することが予想されます。

しかし、金利の低下は証券価値の上昇要因にもなります。つまり、含み益が出来る(結局配当利回りにはニュートラルになるのではないかと考えている)。

 

金利リスク以外では、早期返済リスクがあります。アメリカの住宅ローンの大半は固定金利ですので、仮にQE3でMBSを購入となれば、借り換え意欲が出てきて、高い金利のローン残高が急減します。回収した資金を再投資したくても、次のMBSは金利が低くなっており、前回ほど利鞘が取れなくなります。一種の機会損失といえるでしょう。

 

ただ個々のこういったリスクはREITの運営者にお任せする以外にありません。その点でNLYはM-REITの中ではもっとも老舗で保守的な運営と評価されています。

 

このように、やや見通しが難しい商品でもあるため、ポートフォリオのスパイス程度の小さなポジションで(2~3%を限度)、「次の不景気」までは臨みたいと思います。

 

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Last updated  2011/12/11 12:21:18 AM
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2011/11/14
 

びっくりしました。

あのバフェットが、IT株を、しかもIBMですぞ。

IBMは私のポートフォリオでフィリップモリス・インターナショナルに次ぐ第2位の保有シェアがあります。今年の3月頃から9月まで一気に買いました。

バ-クシャーさんが、大量保有してくれるのなら、本当に、親方日の丸、のような大船に乗った気になります。

 

正直、うれしい悲鳴。今年はIBMとChevronに集中投資したような年でした。

 

しかし、一気に100億ドルも投資するとは、さすが。5.4%の大株主に。

私なんぞ、ゼロが何個違うことか・・・。ゼロを数えるのもバカらしい。

Buffett says Berkshire owns $10.7 bln on IBM shrs

 

By Market watch

NEW YORK (MarketWatch) -- Warren Buffett, chairman and CEO of Berkshire Hathaway Inc.  [brk.b], said on Monday his firm owns a 10.7 billion, or roughly 5.4% stake in computer services firm International Business Machines Corp..

 

Buffett made the disclosure during an interview on CNBC Television before the open of regular U.S. trading.

Buffett said Berkshire's IBM stake amounts to about 64 million shares and that the firm bought shares in the first, second and third quarters. In preopen trading on Monday, IBM shares added 0.9%, to trade at $189.

 

ロメッティ次期CEOには、さっそく朗報ですね。

 

 

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Last updated  2011/11/14 10:35:36 PM
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2011/10/25
 

相場の下がり目とキャッシュポジションの関係などタイミングが合わないなあと思っていると、S&P500はすでに先月末から10%ぐらいあがっていると思います。

 

ある程度予想していたこととはいえ(そのために夏場に仕込んだ)、あれこれ投資アイディアがあったのにという気もします。

 

あがっているときは機嫌よく眺めていよう。多分11月半ばにもう一回チャンスがあるだろう。

 

投資作業は休んでいますが、毎期この時期は決算レポートや電話会議の議事録読みに時間を費やされますので、実は休んでいるというわけでもない。How are they? をとりあえずチェックするホームワークがあります。

 

先週発表されたポートフォリオ企業の決算

 

IBM:

パターンですが、前月にオラクルやアクセンチュアという類似企業の決算があり、おおむね決算内容がよいので当社株もツレ高となって、本番決算は完璧な内容でなければ利益確定になるということの繰り返し。今回もそうでした。まずまずの内容で▲4%でした。

しかし、相変わらず International Cash Machine ぶりを発揮。ガンガン自社株買いを継続中。自社株買いでEPSが3~4%アップします。

株価はフェアバリュー並みかな? 個人的にはBullish!オラクルもBullish

 

ジョンソンエンドジョンソン

まあ、美人コンテストのような会社ですね。みんなが美人と思っているから美人に見える、相次ぐスキャンダルにもかかわらず今の株価でいられるのは。

医薬品事業は好調。医療機器部門は厳しい。消費者部門はこれから昨年のリコールで一時販売中止していた商品が戻るので、最悪期を脱する、という感じ。ちょっとBullish。株価がもう少し下がればという感じ。

 

アボットラボラトリーズ

前回の記事で書いたとおり、決算そのものより会社分割の行方で話題が持ちきり。15億ドルも支払ってFDAと和解するという不透明な内容が吹っ飛んだ。

存続会社のMedical Device Companyの売上高の成長性はまだ持続可能だろう。スピンオフをにらんで少し買い増ししてもよいなあ。

 

フィリップモリスインターナショナル

私の投資先ではIBMと並んでツートップの一角。今年はホームランの年。先日20%の増配を発表したばかり。株価はYTDで19%も上昇しています(10/24現在)

なお、当社はアメリカと中国を除き、世界各国にたばこ(マールボロが中心)を売っているので、タバコを通じて世界経済を垣間見れます。

トルコやウクライナといった新興国でもたばこ販売数量の底打ち感があります。

面白いことにお騒がせユーロ圏で、ドイツはYTDで+1.2%、フランスは+4.0%、イタリアは-1.0%と出荷数量が堅調なのです(先進国は禁煙が進んで、普通-2から-3%の出荷減になる)。イライラが募って、ストレスがたまったからかなあ?景気が思ったほど悪くないのではないだろうか?

 

また、アルジェリア、サウジアラビアといった中近東の国(アラブの国ってたばこを吸っている人多そう)でも目覚しくシェアを伸ばしています。この辺の国は人口ピラミッドもよい形をしているはず。

 

そして、ここ日本では快進撃を見せています。従来日本でのフィリップモリスのシェアは24~25%が相場でした。しかし、震災でJTの工場がストップしたときに代替で当社が出荷したのを期に、シェアアップになっているようです。コンビにではシェア30%を超えているそうです。

 

オーストラリアで端を発したプレーンパッケージ(すべてのたばこを同じようなハコに入れることで薬のように見える)騒動がリスクファクターとしてありますが、今期業績は絶好調です。来期の成長率が下がるのは仕方ないだろう。

この会社も2008年にアルトリアからスピンオフしていますが、3年で発行済み株式総数の18%を買い戻しているそうです。PBRは57倍です。株価はそれなりの評価がありますが、売る気なんて全然ありません。むしろ、そのうちスクイーズアウト?されてしまいそうです。

 

AT&T

iPhoneの新型が5日で100万台予約を受けたとかで話題となりました。決算は堅実でした(そういうビジネスモデルなのですが)。ビジネス顧客の売り上げが回復基調に乗りそうで、ちょっと光が見えそうです。

ドイツテレコムの買収に「待った」がかかっていますが、株主としては違約金等で60億ドルの支出がないような形の決着なら事実上の勝利といえます。業績よりもそっちに目が行きます。株価はまあまあ割安でBullishです。M&Aがらみで不利な見解が出て株価が崩れればGOしたいです。

 

会社の言い分だけを聞いていると、どれもばら色の会社に見えてしまうので、ちょっと間をおいて数字を見直すというのは重要な気がします。

 

上記4社はいずれも、キャッシュフローが非常に潤沢で、いずれもキャッシュマシーンといってよい安定感のある会社です。しかし、IBMの受注残が伸び悩んだり、JNJの高額な整形外科用の医療機器の売り上げが伸び悩んだりしているのを見ると、先進国はイマイチな感じがします。

一方、アボットのジェネリック薬、インドネシア、トルコ、アルジェリアのたばこの売り上げなどBRICS以外の新興国は盛り返しつつあるようにも見えました。

景気と関係なくスマートフォンパワーはすごいですね。

 

5社の結果はこんなところ。10月中は株価が高そうなので、休むも相場かな。







Last updated  2011/10/25 01:12:41 AM
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2011/10/20
 

主力ポートフォリオの米医薬品・医療機器総合メーカーのアボットラボラトリーズ(ABT)がスピンオフ(だと思う)により、会社分割されることが19日に発表されました。

 

ABTは日本ではそんなに有名ではないかもしれませんが、リウマチの痛みを抑えるバイオ薬「ヒュミラ」(売上高約6400億円のウルトラ級ブロックバスター)を有し、冠動脈等の血栓を治癒する薬剤ステント「ザイエンス」および栄養補助食品「シミラック」など成長余地のある有力商品を有しています。

 

1:ABTの概要

 

ABT業績.PNG

 

 

ABTは2010年末現在、売上高約350億ドル(約2.7兆円)、継続事業ベースの純利益は約46億ドル(約3,500億円)です。過去10年間で年平均成長率は売上高8.0%、継続利益11.6%となっています。

 

また、2010年12月期のFCF(フリーキャッシュフロー=CF計算書の営業CF-投資CFの残高)は約77億ドル(約6,000億円)、支払現金配当26億ドル(約2000億円)です。こちらはそれぞれ年平均成長率12.4%と7.7%となっています。

 

ABT社は39年間連続増配中のいわゆるDividend Growth Stockであり、私の様なDG戦略を好む投資家には「定番商品」の一角を占めています。

 

時価総額は840億ドル(約6.5兆円)で、日本の製薬メーカーナンバーワンである武田薬品工業(約2.8兆円)の2.3倍にもなります。

業歴は130年以上でシカゴ郊外に本社があり、本社一帯は「アボットパーク」と名付けられるほどの名門企業です。

 

アメリカでの「失われた10年」においても毎期10%以上の利益成長を達成している老舗優良企業と言えます。

 

この2ケタ成長を後押ししたのは、M&Aです。過去幾多のM&Aを行い、その中から上記の有力商品をかき集めてきたような感じです。FCFでM&Aを繰り返すというイメージ。

2:ABTのスピンオフ

イメージ

 

スピンオフ.PNG

 

分割後の新製薬会社でやっと武田薬品工業の売上高並み)

これは要するに、「ヒュミラ」とそれ以外に分けた、といってもよいかもしれません。ABTは、ブロックバスター「ヒュミラ」の売上が大きすぎる(連結売上高の23%を一薬品が占めるいびつな収益構造)ことが同商品の特許切れ(2016年ごろ)以降に大きく影響を及ぼすと懸念されていることが株価の上昇を阻害していると言われていました(その「ヒュミラ」も確かドイツのDASFから買収した事業のパイプラインだったはず)。

(2004年にも病院向けの専門性の高い製品を売るホスピーラという会社を分離独立させましたが、この場合は一事業の独立という感じで、今度は会社を真っ二つという大胆な決断)

つまり、大成功した商品がその成功の故、株価の伸び悩み要因となる皮肉な結果に陥っていました(一方、ABTを支持する投資家はそこにバリューギャップがあると見ているのです)。

過去10年間の株価チャート。ほとんど変化がありません。この間業績は2桁成長です。

 

ABT株価.PNG

 

3:メリット・デメリット

スピンオフのメリット

ABTのように、コングロマリットディスカウントを起こしているような会社で、そのボトルネックを外すことによって、もう一方の事業体の株価が正当に値付けされる可能性がある(セブンアンドアイHDからセブンイレブンが再独立すると仮定したら皆さんどう思われますか?)。

 

日本的に言えば人的分割に近いので、株主は分割時に課税されずに済む(医薬品部門だけを事業売却すると多額の売却益が発生し、会社の段階で課税されるため株主利益が減る)。

 

分割後の各社は機動的な意思決定、経営資源の集約など変化の激しい経済環境への対応スピードが促進される。

 

社長が一人増えるなど、ポストを増やせるため、従業員のやる気が出る???

 

デメリット

規模の利益が小さくなる可能性(結局、利益は減っても社長や部長の給与が減るわけではないはず)。

不人気事業の方は見捨てられたような感じになりがち。

 

などありますが、概ね株主的には、ごちゃごちゃしていて理解が容易ではなかった企業がよりわかり易くなった、という点でウケが良いです。

 

4:最近の動向

アメリカでは「大きいことはよいことだ」という基本的な価値観の様なものがありますが、ここ数年、こういったスピンオフを余儀なくされるケースが目立ちます。

 

私が保有するフィリップモリスもアルトリアグループからスピンオフで出来た会社です。アルトリアグループは最盛期には、フィリップモリスインターナショナル、フィリップモリスUSA(現アルトリア)、クラフトフーズを傘下に抱える世界最大の食品会社でしたが、3つに分解されました。

 

そのクラフトフーズも最近菓子部門とそれ以外に分けるようなことを発表していました。確か09年ごろに、筆頭株主たるウオーレンバフェット率いるバ-クシャー社に反対されても、キャドバリーという英国のチョコレート会社を敵対的買収で買った後1年もたたずに、会社を分けます、という発表があって「なんやねん」って感じがしました。

 

モトローラも携帯電話機製造会社とそれ以外に分割されて、携帯電話会社はグーグルが買収して話題となりました(モトローラソリューションって会社はまだ残っていますのであしからず)。

 

タイコインターナショナルも色々分割されるとこの前発表になりました。

 

世界最大の医薬品メーカーであるファイザーも医薬品に特化すべく、ノンコア事業の売却・分割を計画していると言われています(ファイザーこそは巨大M&Aを繰り返して大きくなったのに、ワイスを買収して超巨大化した途端、CEOが辞任して、会社は規模縮小に向かっています。私は分割・売却が計画されている「アニマルヘルス」事業や「栄養補助食品事業」にどうやって投資しようか、今のうちからファイザーに投資しようか等思っています)。

 

やはりバフェットさんの投資先であるコノコフィリップス社(石油)も石油の採掘・生産部門と製油部門を分離すると発表しました。

 

5:雑感

株主価値を上げるためのM&Aだったはずが、株式価値を上げるためにスピンオフ、分割、売却が粛々と実行されるダイナミックさがアメリカのウリ、と言えばそれまでですが、それまでのM&Aはなんだったんだろうなあ、という気がしないでもありません。

 

M&Aによって何を成長させるのか(結局 「成長」 したのはCEOのボーナスだけか?)という点が改めて問われるかもしれません(といっても、人間誰でも「判断ミス」はあるので、事前にM&Aの目的を厳しく問い詰めるのは容易でもない)。いっぱいコレクトしても「宝の持ち腐れ」だったわけですし。

 

買収による多角化は安定性をもたらします。スピンオフ後の専門化では成長性が問われます。安定と成長、バランスさせて株主に認めてもらうのは永遠の課題かなあ?

 

買収にしか関心のない日本では(スピンオフの制度すらないのではないか?)、小さいこと「も」いいことだ、という風にはなかなかなじめないでしょうね。

 

スピンオフ後の事業は押し並べて再評価されるケースが多いので、今後も「株主の声」の高まりが予想されます(ジョンソンエンドジョンソンもわけがわからんような集合体になりつつある。結局監督が行き届かなかったためにリコール事件があったのですし)。ニューノーマルで株価も低成長だった場合、投資家のストレスがたまり易い。

ヒューレットパッカードではPC事業の分離をいったん発表しましたが、新CEOは再考すると言っています(まるで民主党の様ですね)。各社の発表を見てどう出るのでしょうか? 

 

長期目的ならスピンオフ期待がされている優良大企業(例;ファイザー)をテーマに株を買う、というのもありだと思います(連結業績はよくなる可能性が高いけど、株価がイマイチという前提が必要)。

 

こうやってあちらでは企業競争力が自然と強化されていくのでしょうね。ABTの株主としては、サプライズニュースだったので、今後の開示内容で2つとも保有するか、一方を売却するのか、考えてみたいと思います。うれしくもあり残念な思いもあります。

 







Last updated  2011/10/20 11:35:47 PM
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2011/05/09
 

持ち株の3月決算が概ね出そろった(シスコシステムズとHSBC以外)。

 

対象企業

フィリップモリス・インターナショナル(海外たばこ)、ダウ・ケミカル(総合化学)、フォードモーター(自動車)、IBM(テクノロジー)、アルトリア(米国タバコ)、アボットラボラトリーズとジョンソンエンドジョンソン(ともに医療機器・医薬品)、プロクター&ギャンブル(家庭用品)、シェブロン(総合石油)、シティグループ(金融)、アフラック(金融)、AT&T(通信キャリア)

マクロ経済を俯瞰するには十分だと思う。

 

「戦前」の注目ポイント

1:原油他コモディティ高に対する決算への影響

2:日本の震災に対する業績へのインパクト

3:新興国、先進国のマクロ経済の見方

4:ドル安

5:その他

 

 

「戦後」の感想

1のコモディティ高

恩恵を受けた企業。

シェブロンは当たり前。株価が暴騰していました。原油高=マージンアップです。

ダウ・ケミカル。これも調達コストをほぼ販売価格に転嫁しているので、業績が絶好調だった。ちなみにアグロサイエンス部門(トウモロコシや綿花の種など)も数量増加が著しく、来年は豊作が期待できるかも?

 

業績の足を引っ張った企業。

フォード、P&G。

フォードは鋼板を始めとした原材料コストの上昇を値引き抑制で乗り切っていた。ただし将来的にはまだ不安の種は残る。さすがに今回は低燃費小型車の開発が奏功して、販売を伸ばしていました。マツダへの出資は決して無駄ではなかった模様です。原材料よりも、労組との賃上げを始めとした固定費の再上昇が気になります。

 

P&G(6月決算)はこれも昨年夏の当初見込みの原材料増加分の3倍もの値となりそうだということで粗利益を直撃。しかし、ここ数年の新興国への販路を一気に拡大したからということで、実行税率が数パーセント下がるらしい。また、米国内でははっきりと値上げすると断言していました(但し効果は今年の夏以降になる)。

業績の足を引っ張った両社ですが、総じて付加価値を引き上げることで、事実上の単価アップを図って乗り切ることを計画しているようです。税務戦略もポイントになっています。新興国で事業を拡大する別の観点があるようです。

 

2に対して

総じて、「大したことがない」という意見が大きかった。

まず、IBM(日本での売上高は全社の11%)。会社側は、日本での収入の2/3はサービスであり、製造拠点がなく、調達先は必ず複数社を確保しているので、穴が開くことはない。世界中にインフラを張り巡らせているので、こういった点はすぐにふさぐことができ、被害は最小限ですむ、とそのバックアップ体制を強調していました。さすが。

 

フォードはアジアで売る車の部品を日本の部品メーカーから調達しているが、そもそもアジア向けの販売台数が大したことがないので大きな影響はないと言っていました。サプライチェーン上の問題は軽微なようです。アジア向け戦略は遅れていたのが不幸中の幸い。

 

P&Gは4-6月決算で影響が出るが、その度合いは年間のEPSで0.02ドル程度だ、と数値化していました。ザックリ0.5%の減益(多分40-50億円ぐらいか)。これが一番明快な回答だった。

 

フィリップモリスはJTの生産停止等を受け、シェアアップが出来ると思われますが、「評価できる段階ではない」と濁していました(日本の営業利益額は全社合計の8%ぐらいあるようです。日本を重要視しているので攻勢にでるかもしれません。マルボロの販促品がよくなるかも??)。

 

アボットやジョンソンは発表時期も早かったので、「コメントできるほど情報がない」と中立的でした。アボットは日本の薬剤ステント市場で50%を超えるシェアを持っていますが製品の大半は米国からの輸入でしょうから、生産への影響はないでしょう。売上高に占める割合は両社とも5-10%程度だと思われます。

 

さて、全社売上高に占める日本売上高の割合が全米トップクラスと言ってもいいアフラック(75%)は、震災における予想支払保険料、約30億円を引当金として設定していました。

肝心の新規契約は銀行窓口販売が好調で、影響は軽微だと説明していました。原発事故における放射能被害による長期的な癌の発生は業績に(当然ながら)織り込んでいません。

日本法人社長は3月にやや営業のペースは落ち込んだが、4月以降ノーマルになりつつあるとコメントしていました。

アメリカのアフラックダックの声優さんが、ツイッターで日本の震災で悪いジョークを流した事が発覚して、CEOは12年間声優をやった男性を即刻クビにしました。新しい声優を採用するといって、全米で大キャンペーンを行ったことが話題となっていました。

そのアメリカで保険の契約数が底打ちし始めているので、非常に心強い。

 

尚、ほとんどの企業がかなりの額の義援金を贈った報告していました(例えばダウ・ケミカルで6百万ドル)。

 

3:先進国と新興国の景況感

まず先進国

ダウ・ケミカルの見方が参考になるかも知れません。同社は電子部品、建築資材その他幅広い産業に化学品の基礎的な商品を提供しています。

欧米での売上高は数量・単価とも大きく改善しています。特に欧州では単価・数量とも2ケタ増収になっています。先進国でも景気は着実に改善しているように見えます。

 

アボットとジョンソンの医薬品部門の売上高も底打ち感が漂います。アメリカの場合、処方薬は処方されてもお金がなければ買わないと言う人もいるようで、景気が落ち込むと製薬会社の売上も落ちます。「ヒュミラ」(リウマチ治療)の米国内売上高が予想以上だった。J&Jも新しく承認された新薬の売上が堅調だった。

 

またJ&JはEUの医療機器でも値下げプレッシャー(緊縮財政による保険の絞り込み)が「多少」軟化したとコメントしていました。その後、一気にM&Aを発表していますね。

 

AT&TもiPHONE独占契約が切れたのちも堅実な収入が見られ、T-Mobile USAを買収すると強気な姿勢。

 

新興国

新興国では、自動車等の商品は動きが鈍化しています。中国やブラジルにおける政府税支援が終わったことにより、需要一服感が見られるようです。

 

一方、IBMは超強気です。おひざ元インドでも、インフォシスやタタコンサルタントなどの地元企業を一気に追い上げています。

さらに、ナイジェリアやコートジボワール等アフリカの新興国でも政府機関の給与計算サービスのアウトソーシングなどADPのような仕事もやっています。20%増となっています。

アボットやJ&Jの新興国のドラッグ需要(OTCやジェネリック)も超強気で、売上高の前年比2ケタ増は当たり前って感じ。

 

P&Gに至っては、多少粗利を犠牲にしても、世界中の人に商品を売るという執念の様なものを感じます。インドの女性にパンパースを売るのに苦労していますが、なぜ紙おむつがいいのかを理を説いてこまめにマーケティングしているようです(インドでは紙おむつを使うと、主婦は家事を怠けていると見られる古い価値観があるらしい)。

 

新興国については、稼げるところならどこでも行くって感じで、最近はやりのWhitespace(空白地帯)を埋めにかかっています。

 

4:ドル安

確かに効いています。各社とも今後ともドル安が継続するような業績ガイダンスを示しています。さらに、4-6月期は、前年同期にギリシャショックがあり、米ドル高に振れた時期ですので、仮にこのまま推移した場合は、対前年同期比ベースでのドル安はかなり大きなインパクトを残す可能性があります。

 

もっともEUの方でも、そうは問屋がおろさない、と思っているのか、ギリシャがEU離脱とか、ECBの利上げは夏までお預けとか、ドル安をけん制しているように思います。

通貨戦争フェーズ2」って感じでしょうかね。日銀さん、対応してね。ほうっておくと70円台が確実になりませんでしょうか。

 

この通貨戦争と商品価格の連動は不安定要素ですね。

 

5:その他

P&Gやキンバリー&クラーク(クリネックスというティッシュの会社)は米国内ではっきり値上げすると言っています(この夏ごろから本格開始)。ついに最終製品に価格転嫁されそうです。

値上して米国消費者の財布が持つか否かが試されそうです。これが成功したか否かは夏以降から年末商戦の成果を見るのでしょうか? 年末商戦での売上増加やCPIの上昇を見て、FRBのバランスシート調整をどう考えるのか、はたまた利上げを視野に入れるのかということでしょうか???

 

したがって、米金利上げへの道のりはまだ長いような気がしますねえ(つまり円高が続く)。

 

様々な事象はデータを掲載すれば説得力も増すのでしょうが、時間がなくごめんなさい。とりとめもない感想文になってしまいました。

 

こうやって一つ一つ企業を分析すると落ち着くのですが、期中の出来事やマクロ指標のインパクトに対して判断が迷ってしまうので、困ったものです。

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Last updated  2011/05/10 01:54:37 AM
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2011/05/02
前回の記事でも触れていますが、キヤノンに参戦しました。これで今年の日本株は、任天堂、花王(買い増し)、キヤノンと日経平均の重鎮銘柄を積み重ねることになりました。

 

同社株を昨年夏以来ずっとウオッチしていまして、なかなか予算とタイミングが合わない状態が継続しましたが、今回の震災で業績がどうなるのかな、会社予想より円高でちょっとまずいかな、と思っていると株価もそれを織り込んでかなり軟調に推移するようになりました。

日経新聞に憶測記事が出た先週金曜日に、3485円で入れました。悪材料出尽くしと判断しました。

26日に決算発表を行い、業績下方修正を出しましたが、多分皆さんそれがボトムラインだろうと予測していたのか、27日、大幅に株価は上昇してくれました。その後狂ったように上昇していまして、少し気持ち悪いぐらいです。

 

キヤノン3ヶ月.PNG

 

 

キヤノン株の配当利回りが高くなったところで買おうと思っていましたが、そのレベル感では多少悩んでいましたが、「今のところは」うまく行っているようです。

 

 

キヤノンの配当について

 

キヤノン配当実績.PNG

 

当社の「個人向け投資家情報」から一株当たり配当の推移

ご覧の通り、HPにも「当社は安定した利益と強靭な財務体質を背景に、1988年以降、23年間にわたって一度も減配することなく着実に増配・配当の維持を行ってきました。」と記載されており、減配しなかったことに誇りを感じているようです。実際すばらしいことだと思います。

 

キヤノンの配当利回り(実績配当利回り)

 

キヤノン長期チャート.PNG

 

BigCharts のキヤノン株の株価推移と配当利回り(実績ベース)。減配したことなく、増配し続ける企業の株価は長期的に見ても上昇傾向をたどっています。特に2004年ごろからの配当の増加と配当利回りの上昇が著しいと思います。

株価そのものは激しく揺れ動いていますが、配当は着実に増加しています。配当利回りが大きくなると今回のように急落時のクッションになりやすい。

 

私の買値である3485円は、仮に今期も一株配当が120円で据え置きの場合、配当利回りは3.44%に達します。年初は125円を想定していたと思われますが、震災で増配はあきらめるよりほかないでしょう。しかし減配の心配は(これ以上悪条件にならない限り)ないと判断しています。

キヤノン株のような大型優良銘柄において、配当利回り3.44%はかなり良い水準じゃないかと思います(他にもそのような銘柄はあると思いますが、向こう数年で過去最高益を更新すると宣言したその心意気も買った)。

 

今回の下方修正でPERは相当高くなってしまいましたが、FCFも十二分に確保できそうで、万一減配になっても中長期的には取り返せるだろうと思っています。もっとも配当性向は結構高くなってしまいましたので、今後の増配はペースが減速するだろうと想定しています。

 

しばらく、中小型株より、無難なLarge Cap & Value のラインで攻めて行きたいと思います(といいつつ今日日経平均は1万円を超えてしまいましたね)。

 

キヤノンのキャッシュフロー

キヤノン.PNG

キヤノンCF2.PNG

(当社HPより一部修正)

当社の過去10年間のCF計算書です。

前期末の現金および現金同等物の期末残高の水準は8400億円に達します。

先日の下方修正後の今期予想は2,200億円の最終利益で、2002年の水準です(1,907億円)。その年は2,187億円のFCFを生み出しました。DPS120円における配当総額はおおよそ1360億円と考えられます(ここ2年間の推移)。

現状の予想では11年度のFCFは700億円ですが、手元元預金の水準を8000億円と予想していますので、微妙かもしれません(700+400=1100億円が配当原資になりますが、その場合、中間配当が危うい)。

(余談ですが、これを見ていますと、そんなに大げさな設備投資も行っていませんし、さすが財務の御手洗さんですね)。

この決算発表前にリスクをとって投資した者としては、120円を信じるより他ありませんが、仮に減配発表を行うと株価は急落しますので、そのときはそのときでナンピン勝負に持ち込むかもしれません。ただし、電力状況が悪化しない限り、これ以上の減配理由も見当たらないと思われます。

(私的予想ですので、これを推奨するつもりは毛頭ありません)

 

配当利回り3%前後のキヤノンの長期債格付けはAAです(S&P)。日本国債はAA-がネガティブアウトルックだそうです。日本国債10年物の利回りは1.3から1.5%といったところです(個人向けだともっと低い)。

向こう10年間を見据えて保有する場合、世界的評価の高い当社と、世界的評価が???の日本国債と、どちらが期待にこたえてくれるのか、よ-------------く考えよう。

目先ダウンサイドリスクがあっても、中長期的なお釣りを信じております。

By the way, 任天堂はさっぱりですねえ。短期的には大きく外しています。

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Last updated  2011/05/03 12:15:12 AM
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2011/02/11
先日、持ち株の一部を売却し、International Business Machines(IBM)に参戦いたしました。

 

なぜIBMか?

1:ハイテク分野への分散投資の必要性。クラウド・スマートグリッドや生産性改善にITは必須。

2:大型ハイテク株は実は優良配当株となりつつある。配当利回りは小さいですが、配当性向も比較的小さく、今後とも高い増配率が見込めると考えています。将来のDividend Aristocratになる可能性もある。

3:ハイテクと言えば米国。インテル、シスコ、マイクロソフト、IBMのうち、ソフト系にも強く、経営陣が盤石な企業はIBMと思った。ものすごいキャッシュの創出能力。

 

ヒューレット・パッカードは相次ぐお家騒動(外部招聘のCEOを2人連続でクビにしている取締役会)のため、私は好きになれません。

 

ただし、将来的なChallengeとしてクラウド化が進むなどゲームチェンジな状況も予想されますが、IBMはそういったテクノロジーの動きでも、金儲けができる位置づけにいるのではないかと思います。

 

と昨年の夏からIBMを考えていたのですが、割安感が残っているうちに参戦すべきだと思ったしだいです。直近の株価は大体$165、予想PERで12.7倍、実績で15倍程度です。配当利回りは1.6%。バリバリのダウ平均構成銘柄です。

 

投資ストーリーとしては、長期配当株としての保有で、10年選手候補です。「株価10倍」を期待しているわけではありません(こんな大企業では無理だ)。しかし、1株配当は10年経過すれば、3~4倍程度になることを期待しています(年間平均増配率13%ぐらい)。

 

IBMを最も評価する点としては、会社自身が巨大なコンサル会社の様だからです。彼らは顧客のソリューションを解決することにコアな価値観を持っていますが、自分の会社のソリューションも正しく解決していき、外部環境に柔軟に対応できる経営体質を持っています(その副作用としてリストラがひどいとか日本では悪口もありますが...。)。自分で自分をコンサルティングする会社と言いましょうか...。

色々売却した事業もありますが、「あのIBMの事業だったXX」と売却先でも一目置かれていますよね(レノボとか)。

 

IBMの業績概要 (IBMのIR資料を抜粋)

IBMFY2010.PNG

売上高は999億ドル(8.2兆円、前年比+4%)、税引前利益が197億ドル(1.6兆円、同+9%)、純利益は148億ドル(1.2兆円、+10%)EPSは11.52ドル(+15%)でした。

税引き前利益率(PTI Margin)が19.7%とざっくり2割になります。

 

ただ、このPTI Marginが20%近くあるというのは、業界首位のグローバル巨大企業では、「こんなもの」でして、ジョンソンエンドジョンソン(27.5%)、プロクターアンドギャンブル(19.0%;継続事業ベース)、シスコシムテムズ(22.8%)、フィリップモリスインターナショナル(37.6%;タバコ税控除後の純売上高比率)となっています。実効法人税率は各企業の海外展開によりまちまちになります。

(しかしながら、これからさらに、法人税率の引き下げを検討しているのですぞ!かの国は!! )

 

IBMのキャッシュフロー

セグメント別とか地域別の売上高は割愛いたします。CFを見ます。

 

IBMCF2010.PNG

 

FY10の年間で見た場合、営業CF+ネットの投資CFで163億ドルのFCFがあります(設備投資なんてたったの40億ドル。リーマンショック前を含む過去5年間でもこんな感じですねえ)。

このFCFの使途でひときわ目立つのが自社株買い(Share Repurchases154億ドル(1.2兆円)!! 年間純利益以上の資金を丸々自社株買いに突っ込んだ形になります。将来に自信があるのか、安すぎると思ったのか、昨年79億ドルの約倍の資金をつぎ込んでいます。

配当なんて32億ドル程度しか吐き出していません(余力十分!!)。

 

これじゃあ、International Business Machinesではなく、International 「Cash」 Machines ですな(フツーにビジネスやるだけで150~160億ドルのFCFが残る)。

 

社会的には、そんなにカネが余っているのだったら投資して雇用しろ、とお叱りを受けるかもしれませんが、そんなこと言っても、CEOパルミサーノさんには馬耳東風でしょう。アメリカで大リストラをしてインドに巨大センターを建設して、3万人近く雇用したと聞きましたが...。

 

まあ、雨でも嵐でも勝ち組でい続ける企業とはこんなものですよ。

 

IBMの成長余力

このグラフを見ていますと、IBMにはリーマンショックって言葉がなかったんじゃないの?と目を疑いますね(特別損益を控除したベースです)。

IBMPTI.PNG

ハードウエアのPTIは00年から2010年では、減少しています。2015年では増加していますが、2010年のレベルと大きく変化がなさそうです。

CF効率のいいサービスやソフトウエアで儲けます!と大きく宣言しているようなものです。EPSはITバブル崩壊後の2002年では2.43ドルでしたが、昨年11.52ドル、2015年はAt Least20ドルを目指すそうです。CAGRで見た場合、2002年から2010年は21.5%ですね。2010年から2015年までCAGR11.7%で成長するといっています(注2006年から2010年でCAGRは17.5%)。

ちなみに今後もガンガン自社株買いをすると示唆しておられます。

 

このグラフを見ていますと、モノづくり(なぜモノづくりなのか良く理解できませんが)に固執して、低マージンであえぐ企業群と、付加価値のより高い顧客のコアなソリューションにフォーカスして自社もブレークスルーしたIBMと、どちらが企業として(従業員として)良いのか、と思います(投資家としては言うまでもない)。

モノづくりを否定する気もありませんが、モノづくりのためのモノづくりになっていないかなあと(非難され易い金融の)外野席から見れば思うことがあります

 

配当余力など

 

IBMdividends.PNG

 

EPSとDPS(1株配当)の推移ですが、現在の配当性向約23%は当社のCF計算書から見ても、ガバガバであることは明白。30~40%台でも十分回るはずではないか?(P&GとかJ&Jはそのレベル)。

現在15年連続で増配中です。巨額の設備投資も好まないようですので(ハードウエアはまだリストラの可能性が残る)、この先も増配は十分期待可能と考えています。サービスとソフトウエアで9割近い利益をたたき出しているので、CFも安定していると思います。

2001年から2010年にかけてのDPS(一株配当)のCAGRは18.3%で、4年で倍になるペースでした

 

私のポートフォリオも巨大アメリカ企業が多くなって、ちょっとインデックスファンドの様で面白みに欠けるきらいもありますが、受取配当の極大化の前提で銘柄をチョイスするとこうなっちゃうんですね。

過去のトラックレコードがよく、割安で、将来見通しもまあまあの企業。ダウ平均銘柄を定性的に表現するとこんな感じでしょうか?

日本にこれだけガンガン稼いで、適切な株価バリュエーションの会社も比較すれば、少ないので、あちらに投資してしまいます。

 

ピーター・リンチ氏は著書で、当社を運用報告書の見栄えを良くする目的で買って、損したと書かれ、IBMを「永遠の不発弾」と表現しました。さて、あれから20年経過して、爆発するでしょうか。市場では業績が読み易くて面白みに欠けるといわれているそうです。私はガンガン、キャッシュを投資家に還元してくれればそれで十分です。

 

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Last updated  2011/02/11 06:05:54 PM
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2010/12/12
Motorola.PNG
 

11月半ばに参戦しています。

 

モトローラと言えば、移動通信機器のメーカーで、近年携帯端末メーカーとして世界でも上位のシェアを誇っていました。しかしながら、韓国のサムスン当たりにいいようにシェアを食われて、負け組端末メーカーとしてすっかり有名になっています。

 

モトローラは大きく、携帯端末事業のMobile Device事業、家庭内移動通信関連機器(例:ビデオオンデマンド機器等)を製造するHome事業、企業や政府部門に特定目的の移動通信機器(トランシーバーのような感じ)や無線LANネットワークの構築、バーコードリーダーなどを作るEnterprise Mobility Solution事業(EMSおよび、アナログの移動通信ネットワーク関係の構築をおこなうNetwork事業の4つにわかれます。携帯部門は最盛期には連結売上高の2/3を占めましたが、相次ぐリストラにより、現在は35%程度まで縮小を余儀なくされています。

 

また、Network事業は11年第1Qに約$1.3B(1,000億円)にて、ノキア・シーメンス・ネットワーク(NSN)に売却を発表しています。

 

最近は、アンドロイド搭載のスマートフォン「ドロイド」などがヒットしており、ベライゾンを中心に米キャリアに納入し、中国や南米に向けての出荷も増加するなど業績は底打ち状況となっています。

 

なぜモトローラなのか、と言えば、スマートフォンに興味があるわけではなく、あのカール・アイカーンがもう4年ぐらい前から当社株を買い増しし、盛んに

株価は現在のEMS事業程度の価値しかなく、携帯部門も売却すればタダではないだろうから、その売却代金で自社株買いをすれば株主価値が極大化するし、連結損益も大きく改善できる

と主張し、経営陣に食い入って、ついに携帯部門の分離・独立を勝ち取った、という経緯があったからです。(もし、このブログを3年以上お読みいただいている方がいれば、私がモトローラを買ったことに納得いただけると思います)

アイカーン.PNG

アイカーンと言えば、80年代は「乗っ取り屋」(Corporate raider )、2000年代になってやや洗練されて、「物言う株主」(Activist)として、今なお現役の「米著名投資家」です。

現在、サノフィ・アベンティス(仏)がアメリカのバイオ薬メーカーであるジェンザイムに対し、敵対的買収提案を行っていますが、ジェンザイム側の大株主として睨みを利かせています。

 

Mobile Device部門はHome部門とともに、スピンオフ(会社分割により、新会社Motorola Mobilityを設立し、現在の株主に新会社株を割り当てる)され、残りのEMSをMotorola Solutionsとして存続会社とさせることがすでに発表されています。

要するに、携帯端末(アンドロイドタブレット製作の話あり!)を中心としたB to C事業と公共団体(売上高の約65%)と企業向け特定用途無線の開発請負であるB to B事業の分割ということです。私は、より顧客志向を明確にした正しい選択だと思いました。

 

このスピンオフは2011年1月4日のNYSEが開く前に行われます。Motorola株8株につきMobility株1株の割り当てとなります。

 

モトローラ連結業績のヒストリカル(金額単位は特に記載がない限り百万ドル、以下同じ)

 

業績.PNG

 

ITバブル崩壊があったとはいえ、9年間に5回の赤字と冴えない業績です。しかしながら過去5年間および現在も実質無借金で、財務は大丈夫の様です(Cash > Debt)。

 

しかし、これは連結であり、実際分割する2つの会社ごとのPro-Formaベースの業績を見てみないといけません(以下は会社発表資料から筆者が一部分析)。

 

無題.PNG

 

連結と数値が食い違う点は、売却事業(NSN)とお考えください。

 

Q決算後に会社側は、Mobilityに現預金$3.5B(約2900億円)を積み、借入金全額はソリューションが引き継ぐと発表しています。携帯端末部門は無借金ですぞ!

(注:一般論として、スピンオフで分社化する場合、経営者の心理として新会社側の経営を失敗させるわけにはいかず、新会社側に有利なような分割をするケースが多く、スピンオフ銘柄が投資対象として、良いパフォーマンスを生む要因となっています)。

 

さらに忘れてはならない点として、NSN売却代金$1.3Bが上記Pro-Formaには抜けています

 

私の投資戦略は、Solutionsの配当を中心とした長期保有です。Mobility部門は、スマートフォン競争の中で売却していく方針です。

 

お買い得なのか?

モトローラをEV・EBITDAにてValuationしてみました。

まず、モトローラの過去4四半期(09年4Q ~10年3Q )のNon-Gaapベースの業績を見て見ましょう(売却したNetwork事業を除くPro-Formaベース)。

 

連結12ヶ月.PNG

 

Mobilityは昨年後半から改善しているとはいえ、現時点では赤字。Solutionsの堅実さが光ります。

 

EV/EBITDA倍率法では、これをベースに直近12カ月のEBITDA(Operating earnings + Depreciation & Amortization)を算出し、倍率を掛けて、企業価値(enterprise Value)を出し、Net Debt(純有利子負債)を引いたものが株式価値(Equity Value)と看做す方法です。

要するにCFの何倍で企業価値を評価するのかという点にフォーカスしていて、使いやすいという点がウケる理由です。

 

2事業Valuation.PNG

まず、当社連結の場合、時価総額は11月19日現在で約$19B(約1.6兆円)となっています。この$19Bから逆算すると、市場はモトローラ(連結)の企業価値を直近12カ月のEBITDAの約8~9倍で評価していると解釈されます(約$14BのEVに純預金(Net Debt)$5.6Bを加算したものが株式価値と看做される)。

 

EBITDA倍率法ですから、他社の倍率と比較しなければ意味がありません。

 

comps.PNG

左からエリクソン(スウェ-デン)、ノキア(フィンランド)、ハネウエル、シスコシステムズ、ハリス、インターメック(いずれも米)のEV/EBITDA倍率を求めています。企業名はいずれもモトローラのアニュアルレポートに当社自身が競合と認める先です。

 

全企業の単純平均値は11.4倍(結構高い印象)で、米国企業の平均では8倍となります。

 

Motorolaは米国企業ですので、8倍前後を存続会社であるSolutionsに代入すると、

 

Solutionsのみ.PNG

Mobilityが赤字なので、SolutionsのみのEV$13,056であり2事業合計のEV($13,198)とほとんど同じになります

なお、ここでは未回収のNetwork事業売却代金を加算しています。

 

8~9倍の場合、Solutions単独でも$17B~$18Bの株式価値がある、と言うことになります。連結ベースで$18,801、Solutions単独でも$16,459の価値となり、実は過去のアイカーンの発言と事情はあまり変わっておりませんね

不採算事業を抱えていると、株主価値を損なう、という事例の典型ですね。

 

しかし、モトローラ・モビリティは黒字発進を予想し(第4Q以降黒字転換を経営陣は予想)、なおかつ、ネットキャッシュ$3.5Bを持つ予定ので、株式価値が$1~2Bってことはありませんよね。

Solutionsは配当の再開とBBB以上の格付けの取得を示唆していますので、まだ価値が上がる可能性もあります(ついでに言えば、アンドロイドのシェアはiPhoneを上回ることが確実で、サムソンのギャラクシーの勢いが増していますが、ドロイドの勢いも当面継続可能と思われます。相当アナリストに「シェアの維持が出来るのか?」と突っ込まれていましたが)。

 

アイカーンが4年がかりで追いかけた、アクティビストとしての執念のような案件ですので、彼にただ乗りしてみようと思いました(実際に案件を担当しているのは、彼の自慢の息子さんのようです)。現在の株価では、未だ投資資金を回収できない模様ですが、それでも執念は深く、アイカーンさんのほうはバフェットさんとは違い、跡継ぎに恵まれているようです。

 

ちなみに、この案件、Motorola Mobility のCEOからは

"Carl is seen as an agitator, but in this instance I think he's agitated in the right ways," 「カール(アイカーン)は扇動者のようだが、本件では正しい方向に扇動していると思う」という前向きのコメントがありました。

なお、投資をする際はご自分で判断してください。他人に投資を推奨するものではありません。 

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Last updated  2010/12/12 10:48:08 AM
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2010/09/23

配当株についての第二弾。実際に増配する企業をご紹介。The DRIP Investing Resource Center より。

 

dividen Champions.JPG

 

 

この表は、同HPから、25年以上連続で一株あたり配当金の増配を記録した企業101社のうち、35年以上増配中の先を抜粋したものです。

左から社名、ティッカーシンボル、業種、連続増配年数(No yrs)、過去10年間の一株当たり配当の年平均増加率(10-yr)、8月31日時点の予想配当利回り(yield)、となります。そして、最終行に35年以上連続で増配する企業69社の平均は、8.4%の年平均一株配当増加率、3.4%の配当利回りとなります。

 

35年前といえば、1974年、オイルショックのころですね。

 

もっとも長く増配を継続しているのはDiebold という金融機関向けATMやセキュリティシステム等を扱う会社で、ノースカロライナ州に本社がある売上高2,500億円程度の中堅企業です。しかし、世界隅々までこのサービスを徹底しており、売上高の55%はUS外で構成されるグローバルカンパニーです。この企業がコツコツ57年間も連続して増配を行っています。ブラジルをはじめとする新興国の銀行に食い込んでいるようです。

 

ちなみに、黄色のハイライトした企業は私のPF企業。アルトリアグループの予想配当利回りは6.81%に達します。

 

ブルーは日本人でもすぐわかると思われる企業です。コカコーラ、ペプシ、ウォルマートなどもあります。ちょっと特筆すべきなのはヌーコア(Nucor Corp)です。これは電炉メーカーで、東京製鉄のアメリカ版のようなものです。こういった鉄鋼業でさえ、きっちり増配ができています。

 

さらに、年平均一株配当増加率が、8.4%という点も注目。米国のざっくりとしたインフレ率はここ20年間、3%前後でした。したがって、実質ベースで年平均5%の増配ということで、こういった株を長期保有していると、受取配当にもインフレ抵抗力があったことになります。

 

増配35年以下でも、マクドナルド33年(直近10年間はなんと26.5%の年平均増配率!)、アフラック28年(これも22.7%!)、エクソンモービル(28年、7.1%)、AT&T(26年、5%)などがあります。

 

10年以上、25年未満の増配企業も139社あります。

 

このリーマンショックで、Championの座から落ちた企業もあります。ゼネラルエレクトリックとかファイザーです。

 

一般的にあちらの企業が配当にこだわっていることがよくわかるでしょう。

 

このデーターには残念ながら配当性向が掲載されていませんが、アメリカ企業の平均配当性向が33%というのは、配当しなくとも認知されているグーグルのような企業も入れた平均値ですので、配当して生きる企業の平均はやっぱり40%程度あると思います。

 

これだけ配当して、なお、自社株買いを行っています。

 

ブログで何度も何度も書いていますが、新聞等マスコミでは、米国企業は四半期決算で短期的な業績に追われがちで、日本は長期的経営を行っている、という一般論がありますが、何十年も増配を義務付けられた、これらの企業が目先のことだけを考えて達成できたでしょうか?

長期的な業績を見据えながら、短期的な課題を処理してきた、と言えそうです。

 

増配を義務付けられている、というのは言い換えれば、利益成長を義務付けられているとも言えますので、経営のプレッシャーは大きいと思います(その分ボーナスも大きい)。

 

さて、こういった増配する企業にDRIP(配当金再投資)すればどのような投資リターンが得られるのでしょうか?

 

株価       $10

買付株数     10株

配当利回り    2.5%

年平均増配率   8%

年平均株価上昇率 5%

投資期間     20年間

 

つまり、100ドルを20年間投資したという前提です。配当金は10%の税引き後すべて再投資資金に回すものとします。

 

20年後に

株価          $26.43、

再投資した配当金総額  $145.32、

その結果20年後の株数は 17.87株

 

20年も経過したら、配当総額だけで投資元金をゆうに回収できていますね。

 

結果、$474.17となりました。当初元本に対し年平均8.1%のトータルリターンとなりました。株価の年率上昇が5%の前提ですので、+3.1%が再投資でIRRが増加したことになります。

 

こういう企業や投資手法が日本でもポピュラーになれば、長期投資家もすそ野が広がって、株式投資が短期の博打、という概念も薄れるように思います。特に高齢化社会は目前ですから。

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Last updated  2010/09/24 12:07:30 AM
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2010/08/30

 

2年近くホールドしたアイチコーポレーションをついに手放し、シーボン(4926)に乗り換えました。

国内設備投資は当面回復見通しなく、アイチの復活を待つより、本来の配当守備固めを強化する道を選びました。

と言っても、この金額をドル転にしようか、シーボンにつぎ込もうか悩みましたが、かなり低目の価格で指値をしていても刺さった。

 

シーボンはスキンケア系の化粧品を主に自社工場で製造し、エステサロンのような自社店舗で直販するのが主体の化粧品製造販売会社です。妻に知っているか?と聞いたら、「エイボン」なら知っていると回答がありました(あまり化粧に興味なさそう・・・)。

 

ビジネスモデル(有価証券報告書より)

ci-bonn.JPG

 

販路別の売上高でも直営店舗からの売上高が約97%を占めており、事実上、TBC等エステに近い印象を受けます。

広告、イベント、紹介などを通じ、まず初体験顧客を集客します。そこでカウンセリングを行い、リピーターにつなげて、ロイヤルカスタマー化して、顧客を囲い込むという営業戦術です。

主要顧客は60代以上の女性が32%、50代が23%、40代が22%となっており、子育てにお金がかからなくなった、中高年女性のアンチエイジング需要を取り込んでいくといった感じです。また2年以上の継続顧客会員率も4割程度となっています。

 

3月末現在のこの自社店舗は全国102か所あり、毎年4店舗程度増やしたいと会社側は言っています。

 

営業販売スタイルですので、勧誘が強引とかネット上のうわさもありますが、中高年女性向けの反復継続営業(年齢等容易ではない)であること、業歴40年以上あり、昨今厳しい上場審査を09年に受け、大和証券主幹事、ほぼ無借金ながらメインバンクが東京三菱UFJ、会計監査がトーマツ、とバックアップ体制は一流所でしたので、昨年上場したばかりでしたが株価指標の割安感もあって、買ってみることにしました。

 

業績動向(予想は四季報予想)

 

シーボン四季報.jpg

 

この不況下の方がむしろ売上高の伸びがよさそうです。私の注目している点としては一株利益の増加率と一株配当の増加率です。

株価指標

 

シーボン株価指標.jpg

 

 

上場して間がないため、知名度が低い(成長性は感じませんね)、営業系の会社ということもあり、株価は正直安値放置圏内と言えるでしょう。

目を引く指標としましては、時価総額64億円弱の中に現預金が30億円強含まれており事業の価値はわずか34億円(企業価値)しかない、という点です。その結果、EV/EBITDA倍率がたったの2倍(企業価値34億円の回収にたった2年のCFで可能という意味)です。一般的にはこれが5~8倍程度ほしいものです。

また、配当性向55%と結構頑張っているのですが、これでも配当利回りが6%もあるという点も興味深いです。私が投資決定を下す時の最有力指標でもあります。配当金は90円/株でも年間381百万円程度です。現預金は昨年1年間で6億円積みあがっています。90円はある程度持続性ありと言えそうです。

 

業績指標

 

シーボン業績指標.jpg

 

過去の業績推移をみますと、やや人件費が近年重くなっているように感じます。新卒採用や広告媒体をチラシ等からネットや携帯で引き寄せ、時間をかけて顧客とコミュニケーションをとる(営業する)戦術が多いからとのことです。

 

シーボン店舗売上.jpg

 

会社側から明確な既存店売上高実績がないので、1店舗当たり売上高を推測したところ、140~142百万円となりました。今後はこの趨勢をウオッチしていくべきでしょう。手間暇かけて営業を行って、1店舗当たり売上高が落ちていては元も子もありません。

私の投資スタイルや、当社の方向性等を勘案すれば、今後とも安定的な売上高の増収(願わくば3~5%の売上高成長率)、5~10%台の利益増加、年間5%程度の増配を期待したいものです。

 

もっとも、この配当利回りであれば、当面無理して増配しなくてもいいというのも投資判断にありました。

 

また、当社の株主優待は15,000円相当の自社化粧品ということです(売上原価率が19%程度ですので、原価ベースだと3,000円弱)。一株配当90円と株主優待3,000円の原価ベースを株価で割ると、実質8%の利回りとなります。

ほとんどREIT並の利回りですね。

 

最後に、女性美人たたき上げ社長は末端のエスティシャン上がりの方らしく、オーナーは代表権のある会長職にありますが、権限委譲もそれなりにありそうで、よしとしました。

 

米国株の大雑把なIR資料を見慣れていたので、当社のIR資料はここまで明確に載せて大丈夫かなあという感じも致します(業績の良しあしに関係なく継続した情報開示が求められる)。

 

欲望が世界一厚い米国人CEOばかりでなく、たまにはこんな会社に投資してみるのもいいかな、という感じですが、業績進捗と、株価次第で買い増しも考えております。

 

近所の公園から幕張を望む

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Last updated  2010/08/30 12:31:13 AM
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