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元・経営コンサルタントの投資日記

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敵対的買収防衛

2010/01/20
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カテゴリ:敵対的買収防衛

ついに英国のスナック菓子メーカーのキャドバリー(デイリーミルクチョコレート、クロレッツが有名)が米国のクラフトフーズ(チーズもあればナビスコも傘下にある)の買収提案に合意した模様です。

「敵対的買収提案」が一気に「友好的買収提案」になったということです。

$196億ドル(約1.8兆円)のディールです。

 

最初、キャドバリーはクラフトの提案を「話にならないぐらいに安っぽい金額」であり、「クラフトのような低成長なコングロマリットの傘下に入るより、菓子専業メーカーとして成長する方が株主にメリットがある」といって、クラフトにひじ鉄を食らわしました。

 

その間、ネスレ(スイス)やハーシー(米国)他が、「ホワイトナイト」(白馬の騎士)としてキャドバリーの救済TOBをするのではないかとも憶測がありました。

 

一方、クラフトの筆頭株主である、あのバ-クシャー・ハザウエイ(ウォーレン・バフェット)は株式交換の比率の高いディールに反対の意を表しました。

 

「ホワイトナイト」の一角であったネスレに対し、クラフトは北米の冷凍ピザ事業を売却し、ネスレに対しキャドバリーに手出しさせない約束を得たと言われています。

 

結局、この事業売却代金でキャドバリーに対する金額提示を上乗せできたことと、ハーシーの筆頭株主である創業者財団がキャドバリー買収に当初難色を示していたために、正式提案に乗り遅れてしまい、キャドバリー側もクラフト側に折れた模様です。

 

バフェット氏は「株主価値を毀損させない提案なら賛成に回る可能性がある」と言っていましたので、これで筆頭株主のGOサインが出たと言えそうです(株式交換は持ち株の希薄化を招くためであり、現金を積み増しすると、レバレッジが効いて、希薄化懸念が小さく、EPSが上がりやすい)。

 

クラフト側は、得意の冷凍・チルド商品事業(チーズが最も有名)を縮小しても、チョコレート、ガムという常温商品にシフトすることになりました。さらにキャドバリーにはインドをはじめとした新興国の売り上げシェアが高く、長らく米国市場に閉じこもっていたクラフトにはグローバル展開の足掛かりを得たと言われています。

英国の「アイコン」といわれる名門企業は、その旧植民地(インド・香港・南アフリカなど多数)に根差した有望市場を持っているために、こうやって1社1社外国企業に買収されていきます。

しかし、残った英国の時価総額上位企業は世界のリーディングカンパニーが勢ぞろいするという弱肉強食の中におかれています。それでも英国経済は(今は大変ですが)ここ20年ほどは安定成長してきました。

 

それにしても、クラフト側は金融団がこれ以上金を貸せないという制約と株主の希薄化反対というガバナンスの中、主力事業の一つを売却して資金調達にこぎつけました。

 

日本だと成長戦略だ、と証券会社に吹聴されると、あっさり増資や新株発行を認めてしまいそうな(今回は現金と株式交換の合わせ技で日本では制度上出来ないと思いますが)イメージに流されて決着しそうですが、「市場原理」が働いたとも言えそうです。

 

もっとも、まだハーシーがクラフトよりも高い金額でTOB提案をする道が残っているので、決着したわけではありません(その場合は買収合戦になってしまう)。

 

irene-rosenfeld.jpg

 

クラフトのCEOは菓子部門の出身者でパワフルな女性CEOです。彼女がこのディールをトップダウンで強くリードしたはずです。かつて女性CEOといえばヒューレット・パッカードのカーリー・フィオリーナ氏が有名でしたが、今や女性CEOはそんなに珍しくありませんね。

ざっと知っている範囲では、ペプシコのCEOはインド系の女性ですし、鉱山会社のアングロ・アメリカも事業とは全く似つかわしくない若い女性CEOですし、ヤフーのCEOも女性です。確かタバコ世界4位の英国のインペリアルタバコも女性CEOだったと思います。

業種国籍・肌の色に関係ありませんね。

日本でもぼちぼち出現しつつあるのでしょうが、国を代表する企業クラスで上り詰める例は見当たらなさそうです。

そもそも、役員全員が似たような年代の似たような学歴の人で固まっていることが世界的には珍しいのかもしれません。あちらでは役員(取締役ではなく)のうち複数は女性ですね(人事系が多い)。

 

久々の敵対的買収ネタでした。

 

そういえばバフェットさん、韓国の高炉メーカー、ポスコの株を買い増ししたいそうです。ポスコのCEOは「大変名誉なことだ」とコメントしたそうです。うらやましいなあ。

バフェットさん、日本にはあまりよい印象がないみたい(「スノー・ボール」では、ソニーの故盛田氏に接待されたものの、まったく興味がなかったようでした)。

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Last updated  2010/01/20 02:08:56 AM
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2009/06/07
カテゴリ:敵対的買収防衛
 

pibara2.jpg

 

このブログの最も多いネタの一つである鉄鉱石問題です。クライマックスかなあ。

 

Rioティントとチナルコのディールの破断と同時に、Rioは株主割当増資US$150億ドルとBHPビリトンと西豪州ピルバラ鉄鉱石鉱区での50対50の合弁事業を行うとし、そのためBHPビリトンから58億ドル(以下全て米ドル)を受け入れると発表しました。

これで、合計200億ドルを調達し、チナルコから受け入れる予定だった195億ドルとチナルコへのブレークアップフィー(違約金)2億ドルを調達することができました。

チナルコはRioの株主なので、結局株主割当分は出資ができますが、支配権の拡大とRioの持つ、Tier 1 Asset (中核事業)へのアクセスは途絶えてしまいました。

 

チナルコは残念でしょうが、前総経理が政界入りするという記事がすっぱ抜かれるなど、政治色の濃い疑惑が表面化してしまい、完全に英豪のアングロサクソンを敵にしてしまいました(M&Aを踏み台にして、中央政界入り)。

 

これで、レノボがIBMからPC事業を買収したのは成功しましたが、ユノカル買収失敗など、中国は 「出る杭は打たれる」 を地て行っています。三菱はかつてロックフェラーセンターを買収したときには、「アメリカの魂を買った」と批判されましたが、モルガンスタンレーに出資したときは「救世主」扱いだった。日本人としては感慨深いものがある。本来チナルコも救世主だったはず。

 

Rioティントの今回のBHPとの合弁受け入れは180度方向転換と言えるでしょう。RioはBHPを完全に嫌っていました。07年11月のBHPによるRioの敵対的買収提案発表以来、両社の主張は完全に違っていました。経済環境が当時と今では180度違うという点は差し引いても、経営戦略的に違っていましたからねえ。 それだけ債務弁済に困窮していたということ他なりません。

 

Rioの主張:BHPと合併する必要性はない。なぜなら、Rio単独で株主価値を高められるから。たとえば、鉄鉱石は当然のことながら、中国は今後アルミの輸入国に転落するなどアルミの単価は上昇する。Rioの他の資産の潜在価値はBHPの提案なんかよりもはるかに価値がある。と世界経済の成長とRioにあってBHPにないもの(特にアルミ)の存在でBHPより高い成長が期待できる。

基本的に景気連動型成長を主張していました。

 

BHPの主張:BHPの戦略は、規模を大きくして、大量生産によって採掘の生産性を高めることである。高めた生産性は消費者に還元すべきで、リーズナブルな価格で大量供給していくことだ。値段を釣り上げて儲けるだけではない。と、自助努力(効率生産)をして、その利益を株主や顧客に還元するという基本的主張でした(けど、昨今の鉄鉱石交渉を見ても、Rioとそん色ないけどなあ)。

 

そして、BHPの買収提案の目玉商品が西豪州のピルバラ鉄鉱石鉱山でした。ここには巨大な鉱区があって、これを統合すればシナジーが大きいと主張していました。

また、BHPは当時から、鋭いアナリストに、「シナジーの大半がピルバラであれば、ピルバラだけを買うか、合弁事業でもやればいいわけで、Rioティントを丸ごと買う必要性はないではないか。丸ごと買収はBHP自身の株主の利益になるのか」 と突っ込まれていました。

pibara.jpg

 

(JVの概要、FT.Comより)

しかし、すべては景気次第で、マイナス30%不況の今回は、Rioの景気連動型成長路線の根幹を揺るがしてしまい、BHPビリトンの欲張り買収戦略を適正買収戦略に修正させてくれました。

 

したがって、このJVが成立すると、一番得をするのはBHPビリトンだと思います。なんといっても前回の買収提案では10数兆円の買収金額を提示して、最大の目玉資産がこの西豪州の鉄鉱石地帯だったのです。今回は5千億円程度で手に入ります。 そのシナジーが両社で約1兆円ですから・・・。

しかし、アナリストは鉱山会社の生産調整は生ぬるいという指摘があり、業績は不透明かもしれません。

 

図1.gif

 

(ちなみに、以前TBSの「世界不思議発見!」で西豪州特集を放送していて、ピルバラ地区から運び出される鉄鉱石の貨車が踏み切りを通過するのに、確か数十分近くかかったというのを放映していました)

Port_Hedland,_Western_Australia.jpg

Rioティントも合弁によるコスト削減は自社にもメリットがあります。しかし、日本人とは違い、よく合理的な意思決定ができたと、この辺はアングロサクソンチックなのかなあ(「文化が違う」、とか意味不明なことは表向きは絶対に言わない。Yahoo! も未だにマイクロソフトに対して、「条件次第で売却してもいい」と言っていますし)

 

最期はロスチャイルドが動いたのかなあ?(かつてリオの30%近い株を保有)。

 

豪州政府も喜んだかな? 一級品の有望資産が国内で消化できるし、過度の中国介入が防げるし、そのくせ中国はしっかり買ってくれるから。 私には、「土地を売るのは嫌だけど、土地から産出される石なら売ってもいい。」 としか聞こえません。 チナルコのオリジナルの提案だと、「土地も石も買います」 と言っているように聞こえます。

しかし、TCIとJパワーのときと違い、株主がある程度納得できる代替案で決着しましたね。日本じゃ 「Just Say NO」 ですから。

一方、Rioティントは株主割当150億ドルの消化があります。英国では3月にHSBC Holdings plcの180億ドル株主割当増資が英国史上最大の増資といわれていました。今回は2番目に大きい増資となります。株主割当ですから、チナルコに異論を唱えた株主さんは当然応じるのでしょうね(文句言うからにはお金あるんでしょうね)。

 

尚、日本でRioティントの株を買って、その後株主割当を受けようと思っても、外国証券取引口座約款17条の2により、有償割り当て権は売却処分しないといけないようです。私は楽天証券で3月にHSBCのADRを買って割り当ても受けよう、と思ったのですが、同規程によりできません。といわれ、権利を売却したことになっていました。ご注意を(当然権利の売却代金はもらえましたが)。







Last updated  2009/06/07 11:36:59 PM
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2009/06/05
カテゴリ:敵対的買収防衛

ついに堪忍袋の緒が切れた? 

FT.comによると、中国アルミ(チナルコ)は英豪Rioティントへの195億ドルの出資を見合わせるようです。

Chinalco set to quit $19.5bn Rio deal

いきさつは以前にも少し書いていますが、以下をご参照

中国は「漁夫の利」を得たのか? Rioティント、チナルコ195億ドル・ディール、BHPの反撃があるのか?09/2/13

中国の経済成長は歓迎されているのか、それとも妬み・嫉妬のタネなのか? M&Aで考える。09/04/02

 

結局、Rioティントの株主(注:チナルコはRioの約9%の株を保有する筆頭株主でもある)が猛反発したこと、Rioのメインの資産があるオーストラリア政府の許認可がなかなか降りないこと(豪州では中国の相次ぐ資源資産の買収に最近神経質になっているともいわれている)など、アンチ中国の風が激しく吹いていました。

Rioは200億ドルといわれる多額の借入金の返済期日が迫っており、資金調達は必須でした。そこに、ナンバーワンのお客様である中国国営企業からの出資の申し出は「渡りに船」でした。

しかし、英国他の大口株主の猛反発にあった(英国では株主割当増資の検討を優先する習慣が強い)ため、デットロックになっていました。特に、中国側がRioの鉱山に直接出資すると言うのが、Rioの企業価値を骨抜きにすると反発していました。

 

いやー、非常に滑稽な結果となってしまいました。Rioは借入金の返済に困窮していて、結局これが返済できないと経営が行き詰ってしまいます。Rioの経営が行き詰ると困るのはほかならぬ株主のみならず、中国側も困ってしまいます。したがって、本来このディールは利害関係者が皆ハッピーなはず? でした。

何せ長期安定的な大口顧客が自ら出資してくれるのですから。中国以上のお客様は今の資源業界にありません。

 

反論の大半が、中国企業がかなり大きな株主になると、Rioは中国の言いなりになって、不当に廉価な価格で鉱石を中国に売る、と言う利益供与的なものでした。

しかし、今年の鉄鉱石の交渉では、Rioは中国側の昨年比40%ダウンの提示を跳ね除け、先に新日鉄とポスコに対し33%ダウンで契約をまとめ中国に強気の対抗姿勢を崩していません。したがって、Rioは忠実に利益の極大化を追求している、と言えそうです(今年だけとの声もあるが)。

 

株主割当だけで十分な資金が調達できるのかが次の焦点で、ひょっとするとBHPビリトンの再来がありうる展開にもなってきました。BHPビリトンはこの状況で、会社丸抱えは消極的で、Rioの持つ優良鉱山の権益買収で生産性を高める戦略を狙っているようです。それが証拠に、この冬かなりの額の社債を発行していまして、軍資金はあるようです。西豪州のピバラ鉄鉱石やチリの銅山が有力と言われています。

 

一応、これまでの報道ではRioティントは「Plan B」(株主割当)も考えている、と主張していましたが、「Plan C」(同業他社への資産売却)も検討せざるを得なくなってきました。

 

外野からは、ちょっと注目度が上がってきます。チナルコは「ええ加減にしろ」といった感じでしょうか、それとも米国債の買い入れを優先したのでしょうか? 空気を察したのでしょうか?Rioの経営陣は益々眠れない夜が続きそうです。

 

「感情論」 ならぬ 「勘定論」 で考えればいいディールだったのに。英国の人は「功利主義」と思っていましたが、案外こだわりますね。

 







Last updated  2009/06/05 02:25:03 AM
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2009/03/13
カテゴリ:敵対的買収防衛

すでにたくさん報道されていますが、米国のバイオベンチャー、ギリアドサイエンシズがCVセラピューティクスに対し、1株20ドルでTOBを表明し、CVセラピューティクス取締役会は、賛成を表明した、とのこと。  

これは、ギリアド社が ホワイト・ナイト として登場したということに他なりません。アステラス製薬は完全に 「振られ」 ました。この逆転TOBに対し、アステラス側は現状は沈黙を守っていますが、アナリストの間では、価格を引き上げて対抗する可能性を分析しています。

仮にギリアド社に対抗してTOBに発展すれば、買収合戦にヒートアップします。  

 アステラス側の読みがどうだったのかは全く不明です。対抗者の登場を予想していたのか?16ドルで表明してそのあと特に値上げせずに、プロキシーファイトに持ち込もうとしていたようなので、予想外のことなのかな?  

インベブとアンハイザーブッシュや、カールスバーグ・ハイネケン連合とスコティッシュアンドニューカッスルなどでも、被買収者側は「価格が低い」と言った結果、買収者側も段階的な値上げを実施しています。被買収者がTOBに反対する理由は 「常に」 価格でした。  

不成立だったものの、BHPビリトンとリオ・ティントも一度価格を引き上げています。最初から引き上げることを見越したスタートプライスだったと思います。

なおかつ、これらの事例では、いきなりTOBに入らず、提案段階で終わっています。TOBに入ったときにはすでに被買収者側は賛成を表明しています。  

しかし、アステラスでは、すでにTOBに突入し、プロキシーファイトを表明してしまったので切るべきカードを切り損ねた感もあります。今更価格を引き上げたとなれば、CV社側の株主を甘く見ていたといわれかねません(けど、現在のCVの株主の多くは値ざや稼ぎの人だから、価格を引き上げることは常に歓迎される)。  

アステラス側はまずは既存株主に対し、買収の正当性に対する十分な説明を行い、次いで、価格根拠を説明し、そして、CV社側の株主にも自分たちの提案のよさをアピールをもっとすべきです。買収したらアステラスの企業価値または株主価値にどれだけ貢献するのかという点は、外国人株主保有比率が45.1%(08年9末現在)もあるので重要な気がしましたが・・・。  

徐々に泥沼化していませんでしょうか?日経新聞には、製品さえあれば人は関係ない、という趣旨がありましたが、これは少し考えさせられます。  

一方、結局もう一方の敵対的買収だった ロシュとジェネンテックは 「友好的買収」 に落ち着きました。1株95ドルでジェネンテックは音をあげました。(112ドルの正当性はどうなったんだろう)

ロシュ側は如何に、経営幹部と研究者の引きとめが出来るのかが課題とロイターでは言及しています。バイオベンチャー企業はコア経営陣やコア研究者はストックオプションを行使できるので、売却により金銭的には目的を遂げてしまうようです。  

こちらはジェネンテックより4月になると有力な新薬の研究開発のフェーズ3の途中経過が発表されるということなので、研究者が買収後も研究し続けてくれることが必須です。局面の違いがあるものの、ロシュとアステラス製薬の対応を比較してしまいますね。

 

3/15 9:00 追記

フィナンシャルタイムズで、アステラスは 「対抗Bitに応じないかもしれない」 といった、との記載がありました。

Health care sector provides Wall St tonic

フジサンケイビジネスアイでも、第一三共-ランバクシーのような巨額ののれん減損を警戒しているとの記事もあり、総じてこれ以上の突っ込みがないかのような記載です。

 

第一三共は確かにこけちゃったけど、友好的なM&Aだったし、今回の買収金額から1000億円をさらに数百億円増額しても、のれんの償却の際は結局大して変わりはない、かつ、ランバクシーのような中途半端な上場維持ではなく、100%買収を意図しているんでしょうし、プロキシーファイトまで覚悟したという経営陣の決意が中途半端に感じられ、結局投資家としては、頼りない経営陣と言う風に映ります。

少なくとも、ランバクシーのマネージをやりぬく決意を表明した第一三共の経営陣の方がアステラスよりも投資家として投資したくなります。製薬会社も立ち止まっていては何も得られないのでしょう。

マイクロソフトも刀を引っ込めましたが、あれとは全く状況が違いますね。







Last updated  2009/03/15 08:59:51 AM
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2009/03/10
カテゴリ:敵対的買収防衛
昨日の「武田ショック」はすごかったですね。ストップ安とは・・・。新薬開発のプレッシャーが強くのしかかりますね。

以下のアステラス側の事実は同社のHPの公開文書を参考にしています。米国のSECファイルはとても読めませんので、そちらでもっと詳しいことが公開されていると思いますが、時間がなくご容赦ください。

昨日は憶測段階のブログエントリーでしたが、今日、アステラス製薬は、正式に敵対的買収の提案先である、CVセラピューティクス社にプロキシーファイトを挑むことを公表しました。

CV Therapeutics社に対する株主提案に関するお知らせ

要するにCV社の取締役の首を挿げ替えて、アステラスの提案に「Yes」と言わせてしまうということでしょう。

 

これによると、アステラスの推薦する2名の取締役はアステラス社によれば、「高い適格性を有する独立した」者とのことで「株主にとっての価値最大化機会を前向きに検討する意思がある取締役会の選任」のためには必須だと主張しています。

相手側のCV社は「ポイズンピル」(すなわちライツプラン)を導入済みで、「Just Say No」 の状況です。

 

一旦、強行策をチラつかせて、今後、CV社側の出方を見るのでしょうか、それともそのままプロキシーファイトに持ち込むのでしょうか?

では、このポイズンピルをどうやって突破するかと言えば、TOBで出来るだけたくさん買い集めて(2/3超が必要)、(日本人が忌み嫌う)株主の権利とやらを行使して、アステラスに好意的な(注:同社は「独立したもの」と述べています)取締役を送り込み、ポイズンピルを消去することです。または2/3を超える委任状を集めてその意思を貫くことにあります。

 

なお、CV社はスタッカードボード(取締役の期差選任;取締役の任期を期ずれさせることで、一度に過半数の取締役のイスを乗っ取られないようにする。米国では取締役の任期は3年程度が一般であり、取締役総数を3で割った人数を毎年改選するケースが多い)を取り入れている模様ですが、これも、アステラス側はTOBで2/3を掌握して、一気に残り2/3の取締役を解任させようとしています。

これが成功すると、近年まれに見る敵対的買収劇になるかもしれません(もっとも私が見ているのは大型のM&Aばかりなので、今回の1000億円程度のM&Aですと、見落としている可能性がありますが、何といっても、仕掛け人が日本企業ですからね)。

 

多くの敵対的買収は、結局、買収者が価格を上乗せし、被買収者が「友好的」に降参してしまいます。

アステラスは09年1月27日に提案した、1株16ドルを変更していません。価格は買収提案発表日の前日の終値より41%のプレミアムが付いています。しかし、それ以降は16ドルを貫いています。

アステラスによると、16ドルはどこの誰ともわからない「第三者の意見」も取り入れた価格、とのことで具体的な算出根拠は公開されていません。原弘産と日本ハウズイング(懐かしいなあ)のような、完璧な計算の後はないですね。

 

かなり飛躍しているかもしれませんが、うまく2/3買い集めても、残りの株主にヘッジファンドのようなモノがいて、「16ドルではまだ安い」と反対するとか可能性がないのでしょうか?その場合、アステラスの息のかかった取締役は、どういった判断をするのでしょうか?(独立した方なんですよねえ???)

杞憂かもしれませんが、こういった可能性を排除するために(CV社の株主名簿が手元にあるわけではないと思う)、もう一声ぐらい価格を上乗せした方が良いかもしれません(もちろん、M&A後の採算の方が大事ですが、M&Aの戦術としては)。

 

TOBはすでに2月27日にスタートしていますので、さらに何らかの反応があるかもしれません。俄然ヒートアップしてきました。

蛇足ですが、どこの証券会社がアステラス側のアドバイザーなんでしょうか(たぶん米系だと思いますが)。米国だとアドバイザーは開示されるのですが。

 

日本だと、「提案どまり」 で 実際にTOBに突入することは敵対的の場合は(今まで)ありませんが、アステラスは思い切った手を打ってきました。強気のアドバイザーがいるんだろうなあと感じた次第です。野村や大和の仕業ではないことは確かです(旧リーマンの現野村の人ならありうるか)。

 

アステラスの株主側の立場はどうなるのだ???

アステラスの株主にとってみれば、なぜここまで強硬な姿勢をみせてまで、CV社を買収する意義があるのか、という点については十分な説明がないと思いますが?

バイオベンチャーたるCV社は開示資料によれば3期連続で最終赤字です(たぶん研究開発費を吸収できないのだと思いますが)。そのような企業に約1000億円を投じてどのようなシナジーが得られるのか、など示す必要性もあるのではないでしょうか? よく「3年後に100億円のシナジー」とか言うあれです。

アステラス株主に今回のM&Aのメリットが何であるかの十分な説明は重要だと思います。アナリスト向けの説明会や株主向けの説明資料などの開示は跡がないです。エーザイさんはこの辺はとてもきちんとしていましたが。

 

一般論

M&Aは自社の株主の価値を最終的に向上させるための一つの手段であり、一番重要なのは自社株主への説明責任ではないかと思う次第です。株主はM&Aでなくとも内部成長でもいいので、業績が良くなればそれでいいのです。ただし、その業績達成のために、どれだけ資本を効率的に投下しているかが問われるはずです。

 

M&Aは友好的に行われることが良いに決まっています。無理やり買収しても、買収後のインテグレーションが大変です。もう少し、柔軟な方法をとった方がいいかもしれません。買収提案に対して、注目を置いているのは株主だけでもありません。従業員や取引先も注目しているはずです。そして、自社のステークホルダーも注目しています(うちの会社は結構えげつないなあ、なんて思う人もいるはず)。

M&Aが活発化していますが、社長の功績はM&Aをやったこと、ではなく、やはり利益の極大化、株主価値の極大化で評価されるべき、という風潮が出てくると、ずいぶん雰囲気も変わるのでしょうね。

それともし、このM&Aが成功すれば、この程度で日本でも敵対的買収が成功できる制度を作り変えてほしいものです。ことM&Aにおいては制度的に他の先進国とアンフェアーで、もし仮に、日本企業がのそアンフェアネスを 「有効利用」 しているとすれば、海外からの非難は間逃れないでしょう。







Last updated  2009/03/10 01:35:27 AM
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2009/03/08
カテゴリ:敵対的買収防衛
このブログの中心話題の一つでもある敵対的買収関連。こんな景気低迷期でも、「やるときはやる」のでしょうね。

医薬品業界のM&Aが活発です。09年に入り、医薬品売上高世界1位のファイザーと同9位のワイス(ともに米国)が統合を発表しました。これは「友好的」な再編劇ですが、常にそうとも限らないようです。

医薬品業界ランキング2.gif

(医薬品業界2010年の衝撃 酒井文義著より)

世界4位のF・ホフマン・ラ・ロシュ(スイス)が同16位のジェネンテック(米国)には「敵対的買収」を仕掛けており、TOBの最中で神経戦を繰り広げています。

そしてもう一社、世界20位(日本では2位)のアステラス製薬も米国のバイオベンチャー、CVセラピューティクスに対し、敵対的TOBを既に繰り広げていることは、知る人は知るところです。

 

上記2つの敵対的買収はかなり特徴的な面があり、米国のNYTなどでも話題となっています(その割りにアステラスの件はあまり大きく取り上げられない。日本企業が 「敵対的買収者」 の場合はあまり目立たず、「被買収企業」 となった場合は相当反響が大きいのだろう。日本人の性格の問題か。教科書問題もこういった偏向が巻き起こしたのかもしれない)。

 

ロシュの件で何が話題かと言えば、ジェネンテックはロシュが既に55.8%の株式を保有する実質的なグループ企業であり、今回経営権の完全掌握を目指すためのM&Aであるにもかかわらず、ジェネンテック経営陣は、そのTOB価格が低すぎる、と買収提案に「はむかう」姿勢を崩さないからです。

それどころか、ロシュは先週金曜日までに3回の価格提案をしていますが、第一回目の提案価格は08年8月に1株89ドルだったのが、2回目の提案価格を09年1月に提示した際には、86.5ドルと価格を引き下げたと言う点で話題を呼んでいます。ロシュの言い分は「市場動向の変化」とのこと。そして先週末、3回目の提案価格である93ドルを言い渡しました。

一方、それに対し、ジェネンテックの特別委員会は、現在のパイプラインを考えると提案株価は低すぎて、とても株主に推薦できるものではないと反発し、具体的に112ドル、と「適正価格」を主張しています。

昨年夏から、ロシュから執拗に買収提案を受けていたものの、ジェネンテックは拒み続けていたため、ついにロシュは「株主に直接真意を問う」行為に出たわけです。

しかしながら、ロシュの実質子会社たるジェネンテック買収に、子会社の「独立委員会」は少数株主のために、算出根拠が不明ながらも、「適正価格」を開示して、徹底的に拒み続けている姿勢は、日本の「独立委員会」の諸先生方は大いに見習ってほしいものです。

私は、実現可能性は不明ですし、空想上の話で身勝手なのですが、ロシュが61%保有する日本の中外製薬が仮にロシュからジェネンテックのような提案を受けた場合はどのように対応するのか見てみたいものです。既に昨年6月に50.9%から59.9%まで買い増しした際にTOBが行われていますが、この時は「たった11%」のプレミアムで、あっさり決まっています。戦略的アライアンスと少数株主の保護を履き違えないように既存少数株主の方は見た方がよいかもしれません。

さて、ジェネンテックへの買収提案は、ロシュが少数株主をスクイーズアウトするといって、さらに2段階買収をちらつかせるなど、佳境に入りつつあります。即ち、仮に93ドルでTOBに既にロシュが保有する55.8%を含めて90%を超えた場合、残りの10%程度の株主は93ドルで強制的に換金して出て行ってもらう、というもので、米国では90%もの株主が集まれば、「経営の迅速化」のために少数株主は「搾り出されて」しまいます。

 

一方、ご存知、国内2位のアステラス製薬も、日本企業としては珍しく敵対的買収を行うと言う点が米国でも話題となっています。さらに、相手側のCVセラピューティクスには「ポイズンピル」が導入されている、ということですから見逃すわけにはいきません。

ちなみにアステラス製薬は「ライツプラン」の導入はありません。したがって、個人的には「敵対的買収をする権利」があると思います。

米国でも「ポイズンピル」のことをNYTのDealbookでは「Just Say No Strategy」といって批判されています。日本のライツプラン同様の言われようです。

アステラスはこのポイズンピルの中、TOBを実施しています。

米国医薬品会社CV Therapeutics社に対する株式公開買付けに関するお知らせ 09/2/27

アステラス側は既にCV社の株式のいくらかを保有しているようです。したがって、このTOBを成就させるためにはさらに価格を引き上げて、CV側の取締役会を揺さぶるか、アステラス側は、プロキシーファイトに持ち込んで、アステラス側役員を送りこみ、新しくCV社の役員に選出された親アステラス側の役員がCV社のポイズンピルを取り消すことで解決するようなシナリオが考えられます。3月6日のブルームバーグでは、アステラスは後者の方針を固めたと報道しています

事の発端は共同開発している製品の取り扱いのようです。

日本企業による徹底した敵対的買収ストーリーとなりますか。日本発プロキシーファイト?

 

日本企業のIn-out M&Aが盛んになっていますが、医薬品業界はその中でも主役に近い状況です。大手4社(武田、アステラス、第一三共、エーザイ)は全てここ数年間で海外企業のM&Aを経験しています。

これはひとえに「医薬品業界の2010年問題」と言われる問題から来るものです。2010年に大手4社(特に武田とエーザイは死活問題)の主力医薬品の特許切れが迫っていますが、それを引き継ぐ新薬の開発が遅れていることが原因となっています。

また、国内医薬品業界は少子高齢化の中、薬価改定で薬の単価が下落することが確実で、それほど成長性が望めない状況になっています。「高齢化社会となれば需要は増加するではないか」という意見がありますが、日本は国民皆保険制度を採っていて、肝心の保険料の納入者たる労働者の比率が低くなってしまうという皮肉があります。要するに、全体の納入される保険料の伸びが限定的で、したがって使える医薬品代もいきおい制限されざるを得ません。

日本の医薬品市場は6兆円ほどあり、世界2位とのことですが、世界1位の米国は50兆円と言われています(注:オバマ大統領の「選挙公約」である医療制度改革の行方が話題となっており、業界にダーク色をもたらしています)。

したがって、今のうちに世界に通じる製薬会社となることに大手4社は必死です。海外売上高比率も大きくなり、為替の影響を受けやすくなっているので、「ディフェンシブ」銘柄とはいえなくなってきています。

 

また、新薬の開発も年々難しくなっており、米国FDAの承認時間の長さや承認基準の厳格化(年々医療技術が進んでいるため、ちょっとした開発だと「特許」を与えるまでに行かないということで、承認基準が高跳びのバーのように高くなってしまう皮肉な現象)されており、あのファイザーですら画期的な新薬が出せない状況です(といってもファイザーの単独での画期的新薬ってあの「バイアグラ」ぐらいじゃないか?)。これが、大手同士がくっつけばいい、という再編から、武田のミレニアムファーマや今回のアステラスのCV社のTOBまたはエーザイのMGIファーマ買収など、自社の開発の不足を補完する中堅医薬品ベンチャー企業の取り込みが主流となっています。

エーザイ、MGIファーマTOB成立 08/1/30

一方、外資が日本の医薬品メーカーを買収するか、と言う観点は既に古いようでして、世界的大手は皆日本にしっかりした拠点を設けていて、日本企業をいまさら買収するメリットはほとんどないようです。

 

医薬品業界ではないですが、住友重機械工業は結局アクセリステクノロジーズ社への敵対的買収は不発に終わったものの、その買収目的だったSENという半導体製造装置会社を100%子会社化にすることに成功したようで、あの騒動は何だったんだという感じでしょうか。SENに「住友の精神」とやらを叩きつけてくださいな。半導体製造装置なんて不動産に次ぐ不況業種なので、エコノミーな価格だったんでしょう。

参考

住友重機械工業 VS アクセリス・テクノロジーズその4 アクセリス社「防衛成功」 08/09/18

 

 

 

 

 

 







Last updated  2009/03/08 11:08:16 PM
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2009/02/13
カテゴリ:敵対的買収防衛
このブログでこだわったBHPビリトンとRioティントの敵対的買収の結末となるか、ラウンド2に発展するか? 日本企業の介入余地は?

ロンドン証券取引所の顔でもある、資源2位のリオティントが経営危機に陥っているというのは一昨日の記述の通りです。

FT.comで、早速中国側とのディール内容を報道しています。

OB-DC937_rintin_D_20090212075846.jpg

 

Investor anger at Rio Tinto's China Cash

(英国のマスコミなのでご察しを)

これによると、総額195億ドル(ざっくり2兆円ってとこか)のうち、

72億ドルは転換社債、のこりはRioの保有する優良資産へのマイナーでの権益買収とのことです。

転換社債は期間7年間で年利9~9.5%、Rio株が45ドル以上で転換できる権利が付与されているとのこと

すべて転換されるちと、昨年の9%株を市中から買収したのに合わせて、何と18%で圧倒的筆頭株主となる。

取締役1名の派遣の権利を保有するとのこと。

 

優良資産への出資は以下の3つを含むRioの主力優良資産への権益獲得

ひとつは昨日記載した、チリのエスコンティーダ銅山の権益出資

豪州のボーキサイト鉱山

同じく豪州の鉄鉱石事業

 

これに対し、英国の上位株主は激怒。

あちらでは増資を行う場合、まずは既存株主への株主割当出資を打診して、だめな場合は第3者割当で調達するのが習わしとか(聞いた範囲なので、違っていたらご指摘ください)。

確か、英国随一の 「問題児」 ロイヤルバンクオブスコットランド(RBS)も政府出資以前に株主割り当てをしたような記憶あり。

怒りの内容は、「まずわれわれが出資する権利を得るべきだ。次に、「クラウンジュエル」を売却するなんてもってのほかだ」

 

ただし、Rioはこの中国側の支援を実行するためには、チリと豪州当局の許認可が必要という。

豪州側は、昨年の資源争奪戦で、あまりにも中国他の国々が豪州資源の権益を買収するので、外国側の豪州進出に神経をとがらせているという。

(しかし首相は確か、中国語を話す、親中派のはずだが?)

チリのエスコンティーダは昨日記載したとおり、ライバル、BHPビリトンがRioの権益買収を狙っている。BHPは銅山では世界2位のシェアがある。

 

そこで、このディール、BHPからの敵対的買収提案を退けたRioの陰に隠れて、チナルコ(国営企業なので、ズバリ中国)が最後に笑うのか?

今回の195億ドルは中国としては1企業に対し最大の海外投資案件になるとのこと(日本ではJT-ガラハーの当時のレートで約2兆円の買収が過去最大)。

 

中国としては企業に対する影響力と個別資源に対する影響力の双方をゲットできることになる。イオンに出資して、なおかつ優良なトップバリューXXの資本も直接把握するようなものか?

 

untitled.JPG

 

一方、これまでの資源バブルの余韻さめやらぬ、資源メジャーでは生産過多に陥っているとの分析もある。

すなわち、07、08年の異常な盛り上がりを前提に将来の鉱山開発を計画、実行してしまったので、少なくとも2011~2012年までは従来の生産量で十分まかなえたものを、昨今の突貫工事による開発でキャパが増え、結果的に在庫になっているのでは、という疑惑である。

中国では資源需要の盛り返しが早々とその兆候があるが、Rest of the worldでは、今まさに在庫調整、その後生産調整が待っている。

したがって、増産設備は早々に余剰となるリスクをはらんでいる、鉱石相場がまだ下落するリスクがある、とのこと。

BHPもヴァ-レも生産調整がまだまだ不十分との指摘もある(すなわち、日本の商社もまだまだダウンサイドリスクがあるということになる)。

 

ただ、Rioという伝統ある企業(もともとスペイン国王の保有会社でその後、英国のロスチャイルド家が一時支配していた)とその優良資産にアクセスできる機会もめったにないので今回の投資判断は5年~10年という長期スタンスで見れば、日の芽を見るのだろう。

 

BHPビリトンとしては心穏やかならない話でしょう。1年前の買収提案は、Rioに「話にならないほど安っぽい」とぴしゃりと謝絶され、今回はBHPの示したか半数以上の株式交換ではなく、特定株主への「優待券」の発行であり、優待券の価格が昨年より割安である、というのは解せないでしょう。

チナルコとBHPとどちらがRioの資産を評価していて、どちらがRioの株主にとって得策かという選択肢を考えたのか、というプロセスが不透明です。

 

また、ボーキサイト、鉄鉱石の資産がある豪州はどちらかといえばBHPびいき(BHPはメルボルンが本社)、エスコンティーダの筆頭権益者はBHPです。豪州政府を味方につけると、「ラウンド2」がありうるかもしれません。

 

日本人としては、これで中国側の鉱物資源の「乱獲」が落ち着いてくれれば、メリットもある。

 

商社側も、すっかり「資源会社」という看板が大きくなりすぎたことへの揺り戻りがあるかもしれないし、常識的にこれからバブルの発生源に積極的な投資をする、とうのは社内的にも対外的にも理解が得られにくい。そしてなんといっても、総合商社と言えども、資金調達が十分な環境にない。したがって、Rioに食い込むのは難しいか。相手は中国という国家だし。

(本当はその常識が怪しいんですけど)

 

ちなみに、日本のMUFGは、やっとモルガンスタンレーと日本法人統合の発表にこぎつけました。

出資からあれこれ5か月です。

計画が慎重だったのか、出資が唐突だったのか。たぶんその両方だと思う。







Last updated  2009/02/13 12:48:02 AM
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2008/12/17
カテゴリ:敵対的買収防衛
すみません。当ブログで取り上げるべきテーマだった、東洋電機製造 と日本電産の敵対的買収提案の件は勃発時点が多忙であまりチェックできていなかったことを言い訳にほとんど取り上げていませんでした。

月曜日に日本電産側は提案期限切れを理由に、提案を撤回しました。詳しく正式発表文を読んでいないのですが、おおむね日本ハウズイングと同じようなことと想像いたします。強いて言えば、特別委員会の勧告を受けて、日本電産側と2回程度面会した程度で、「委員会の顔を立てた」ことぐらいが前進したのでしょうか。多くは無意味な質問合戦に費やされたようです。

 

タイトルどおり、東洋電機製造、Yahoo!、Rioティントの3社は敵対的買収の防衛に成功しました。が、防衛後の世界は欧米と日本ではかなり違うようです。

 

Yahoo!は現在、創業者でもあるヤンCEOは辞任を表明。後任CEOが決まるまで暫定的にCEOをしていますが、マイクロソフトに「あの時」売却しなかったことを非難されて、CEOの座を維持でいなかったようです。後任CEOには元ボーダフォンCEOなどの大物のうわさもありましたが、当人は否定し、選考プロセスは難航の模様です。

後任者はマイクロソフトへのヤフー株の売却交渉が第一目的になるか、マイクロソフトが提示した33ドルを上回る成績を上げることが求められるというきつい任務を負っています。

マイクロソフトはもう、お手の物で、サーチエンジン事業だけの買収だったら相談に乗る、とYahoo!側は非常に難しい立場にあります。

面白いことに、バルマー、マイクロソフトCEOも永守社長も、「(相手側は)最初から売却する意思を感じなかった」(趣旨)と同じような感想を直談判で感じていた模様です。 

「あの顔には、たとえ40ドルといっても売却しないと書いてあった」(バルマーCEO )と当時を語っています。

 

Rioティントは、まあ、Rioが悪いと言うより、欧州の公取委が却下してしまったことと、BHP側の景況感から今買収は得策ではないと判断したことが提案撤回の最大の理由のようです。

しかしながら、Rioは昨年夏にアルキャン(カナダ)を67%ものプレミアムで買収しており(当時確か5兆円)、ほぼ借入金で調達しています。したがって、BHPは買収後この借入金のリファイナンスを考えていたようですが、先行き不透明感から、多額の借財を負いたくないというのが提案撤回の最大の理由のようです。

ということは防衛後には、Rio自身も過剰債務の返済に苦しむことなり、アルバニーCEOは厳しい目で見られつつあります。株価も買収期待がはがれたので、30%下落した模様です。

鉄鉱石の価格や生産量とも急減が避けられないまま、バブルで高値つかみをした借金の返済が重くのしかかります。資産売却を急がねばなりませんが、資産価値が劣化しています。

そして、中国(中国アルミが10%前後Rioの株を保有している)がさらに増資などでRioの支配権を手に入れようとするうわさがあります。まさに前門の虎、後門の狼です。

 

翻って日本では。ブルドックソースの社長は全く何もとがめられていません。最近ではリストラのために閉鎖する予定だった工場すら閉鎖しないような記事を見ました。

TOCはダビンチからのTOBに僅差で「防衛」しましたが、これといって経営陣、創業家にプレッシャーはありません。

日本ハウズイングは、原弘産の保有株式を、お仲間のリロホールディングスに持ってもらい、6億円を「防衛費用」に支払った以外に特段変わりありません。

東洋電機製造では「提案可否の判断は株主がする」と繰り返し言及していましたが、株主が判断する機会はついに訪れませんでした。これから独力でこの不景気を乗り切る資金繰りが付いたから強気に出たのだと思いますが。

 

こういった日本企業はオーナー経営で持ち株のかなりが与党株主であるため、規律が働いていない点が欧米との最大の違いでしょうが、防衛した企業が買収提案前と比較して何も変化がないというのもいただけないというか、これでは防衛策を導入すればあとは「ごね得」となってしまいます。

日本でも防衛したとしても高くつく、という何かがないとせいぜい数億円程度で防衛できてしまうシステムだと防衛策入れたもの勝ちです。

あの永守さんでさえ、突破できなかった(永守さんだからと言う意見もあるが)ライツプラン。提案側がファンドだとか誠意があるとか、企業価値を向上させるとか関係ありません。ただNoを言い続けていればよい、ということになってしまいました。

(最も今回、日本電産側の景況感も悪化しているはずであり、リスクを負わなかったという側面があったのだろうし、銀行も期限を越えて株式買収資金の融資に応じるほど余裕がなかったのでしょう。東洋電機製造は「運」も味方だったと推察します。

 

以下雑談

昨日のゴールドマン、今日のモルガンスタンレーの決算発表でもニューヨーク株価はたいした反応を示しません。2社とも巨額の赤字計上をしましたが、株価は2日通算でかえって上昇しているようです(午前2時現在ですが)。モルガンスタンレーは続伸しています。

ひょっとして、金融恐慌の山を一つ越えたのかもしれません。後はバンク・オブ・アメリカの来月の決算発表が最後の勝負でしょう。おっとその前にゼネラルモーターズへの融資がどうなるのか、という山がありますが。

空売りする人がいなくなった、材料出尽し感があるのでしょうか。投資にはもってこいの時期が来たのかな?

 

最近の風潮はオバマ次期大統領が全てよくしてくれる、と期待が過剰に感じられます。彼の側近は元クリントン政権の重鎮です。「Change」といったものの閣僚はチェンジできていないし、オバマ氏のPER(株価収益率;期待感)はヒートアップしすぎではないかと感じてしまいます。確かに優秀だと思いますが、全知全能ではないので、等身大に見てあげたいものです(と言いつつ彼には日本経済復興の期待も副作用としてあるんですが)。

仮に政策や手腕が期待はずれ(これは高い現在のPERを上回る成果が上げられなかったに過ぎず、並み以上の成果を挙げても起こりうる)終わった場合、ちょっとかわいそうな気がいたします。







Last updated  2008/12/18 02:21:03 AM
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2008/11/17
カテゴリ:敵対的買収防衛

 

インベブ.jpg

 

ロイターによると、当該ディールに詳しい銀行筋が今週中にもシンジケートローン組成完了が近づいていると述べたそうだ。

RLPC-InBev poised to draw down $55 bln to pay Bud shareholders

これまで当ブログではアンハイザー・ブッシュ(バドワイザーのメーカー、米国本社)に対するインベブ(ベルギー本社の世界2位のビールメーカー、経営はブラジル人主導)の敵対的買収について記載してきました。

結局はアンハイザー側の取締役会が全会一致で提案に賛同し、株主にTOBへの応募を呼びかける、「友好的買収」へと転換しました。

 

下記参考

バドワイザーが買収されるかも? インベブ、アンハイサー・ブッシュに買収提案か? 5月28日

アンハイザー・ブッシュ VS インベブ その2 America's KING OF BEERS の買収防衛と米国社会の反応 6月16日

アンハイザーブッシュVSインベブその3米国社会の反応パート2 6月19日

アンハイザーブッシュ VS インベブ その4 This Bud's is not for you! 「プロジェクト ブルーオーシャン」 6月30日

アンハイザーブッシュ VS インベブ その5 「陥落」 7月15日

 

そして、今日までインベブの株主総会、米国の独禁法審査、そしてアンハイザー・ブッシュ側の株主総会等全ての手続きをパスしました(独禁法審査ではカナダの一部事業の売却を条件に認可されたようです)。

 

「傷だらけの融資団」

さて、申し込み時点から若干気にはなっていたのがインベブの資金調達でした。7月時点ではリーマンショック前ということもあり、インベブ側も、銀行団に融資をコミットメントさせるために10億円程度のコミットメントフィーを払ったこともあり、楽観的な空気が支配的でした。

しかし、リーマンの破綻、欧州銀行の相次ぐ公的資金注入など金融動向は一変しました。

このシンジケードローンのコアメンバーは以下の銀行です。

バンコサンタンデール(スペイン)、東京三菱UFJ、バークレイズキャピタル(英国)、BNPパリバ、ドイツ銀行、フォルティス(ベルギー)、ING(オランダ)、JPモルガン(米国)、みずほコーポレート銀、RBS(英国)。

 

JPモルガン(一番健全な米銀ですが、一応公的資金注入される)が中心になっているものの、バークレイズ(3度目の増資はカタールなどからですが出資条件で既存株主ともめている)、フォルティス(ベルギー・オランダ政府に完全国有化された)、ING(政府から公的資金注入)、RBS(公的資金注入)、と決して台所事情が芳しくありません。

ついでに言えば、フランスナンバーワン銀行BNPパリバはインサイダー云々で日本では非難を浴びています。

そして邦銀は持ち合い株式の評価損に苦しみ、これから不良債権引当金が尚増加しそうな気配です。東京三菱UFJはこの間、モルガンスタンレーに9000億円出資して1兆円増資を伺っており、みずほも3000億円程度劣後債を調達するようです(劣後は相変わらず系列の生保が引き受け手の中心の模様です。進歩がない)。

バークレイズは1兆円近くをさらに増資するそうです。同行は確かサブプライムが始まって3度目の増資(2度目には三井住友銀も1000億円近く「戦略的な」増資に応じた)ですが、今回は何でもカタール辺りのSWFからの増資とのことです。

この条件が英国政府の公的資金の配当利回りなんかよりも好条件だとのことで既存株主から「モノ」を言われているそうです。「中東の投資家にそんなよい条件で増資をさせるのなら、まず既存株主に割り当てるべきではないか。また、なぜ英国政府でなく中東の投資家から受け入れるのだ」といった感じです。

 

インベブの資金調達計画は総額5.5兆円のうち、4.5兆円は融資、残り1兆円はインベブ自身の増資ということになっていました。

欧米でこれだけのビッグディールにもかかわらず株式交換が全く入らないのは珍しく、確か記憶ベースですが、史上最高の現金ベースのM&Aになるはずです(売却側株主の立場からみてM&A対価が全て現金と言う意味)。

なぜ株式交換を取り入れなかったかというと、インベブの株主構造(詳細を調査していませんが)が、投資ファンドとベルギーのインベブのオーナーを主としており、これを崩したくないというのが第一理由と聞いています。

 

私はこのディールは結構やばいんじゃないかなあとひそかに思っていました。10月中旬にヘッジファンドの解約による相場大暴落があった直後に、インベブ側は増資を計画していたのですが、当のインベブ自身の株価も暴落し、思うように増資が出来なかったからです。増資は年明けに延期となっています。

 

innbebu.JPG

 

インベブの株価推移。10月以降急落 

こういった事情であるにもかかわらず、各行「予約済み」の融資枠の中応じざるを得ないのでしょう。アンハイザーの株価もそれを物語っていました。尚、増資部分の1兆円はブリッジローンということでつなぎ融資が出るようですが、つなぎ融資の期限は6ヶ月でこの間に増資を完了させ、なおかつアンハイザーやインベブのノンコアビジネスの売却で現金を稼ぐという算段になっています。

 

bud11gatu.png

 

アンハイザーの株価、一時60ドル割れ。TOB価格は70ドル 

(うわさベースですが、インベブの韓国事業を日本のアサヒビールが買収するのでは、と言う記事もありました。アサヒは否定していましたが)

このシンジケートローンは7月時点では確かトリプルB格付けだった記憶がありますが、これから先の実体経済の悪化を織り込むと、いくら食品とはいえ、生産量の増加はそれほど期待できないような気がしますが・・・。

当該ロイターの記事によりますと、各行は最低4000億円程度を引き受けることになっている模様です。当然各行はセカンダリーで他行にも融資を募ったり、一部債権売却をしたりするのでしょうが、ご存知のとおりのサブプライム騒ぎで、「血が止まっている」状態でどこの銀行、投資家がこれを引き受けるのか(セカンダリーの人には引き受ける義務がない)結構大変です。

なぜ大変かと申しますと、各国・各行とも「貸し渋りは厳禁」と厳しく当局から睨まれている状況下の中、4000億円はさすがにきついと思います(これで中小企業向け貸出金がタイトになると余計風当たりが悪そう。なおかつ、融資対象がアンハイザー・ブッシュ、要するにバドワイザーの売れ行きが担保とはいえ、その売れ行きの大半が米国ですからねえ。自動車の売上が30~50%減、ヤケ酒はあっても、米国人は前向きな飲食は控えると思います)。

 

 

以下は余談

ついでながら日本政府がIMFに10兆円の融資枠を設定し国際貢献を果たしているかのような記事があります(財源は外貨準備金より)。

しかし、その10兆円で世界貢献も悪くはないが、まず自国をしっかりして欲しい。

かつ、実はIMFが国家財政に関与することは、近視眼的には各国から「お呼びでない」という側面もあります。

アジア通貨危機の際の隣国韓国の混乱振りは記憶に新しいです。もっとも、中長期的には韓国経済が立ち直ったので、よかったのですが、かなりの痛みを伴い、国民の反IMF抗議などあったかのように記憶します(IMFの支援の前に韓国は日本に支援要請したが、日本は謝絶したらしい)。

立ち回りの下手な日本外交で、良かれと思ってやったことであだ花を咲かせることがないようしっかりアピールしてほしい。(その10兆円があれば内政でいろんなことが出来ると思うが故)

 

全てとは言いませんが、ざっくりと、

進んでIMF融資を受け入れない国々。

進んで公的資金を受け入れない日本を含む世界各地の銀行(米国は半強制的でかえってびっくり)。オーバーバンキングと言われて久しい日本の地域金融機関も同じ。

進んで身の丈にあった金融機関で融資取引をしてこなかった日本の中小企業。

 

制度としては資金の出し手はいるのですがねえ。公共の福祉か経済的自由の確保か、と言う点でしょうか。

共通点は自らの過去の汚点を省みず、将来のことを語ってしまうので、介入されたくないが資金は必要、ということになってしまう。有利な資金調達をしたいのなら、普段から資金効率に気をつけなければならない(あまり利益を生まないものにお金を費やさない)という点だと思います。

これは町の中小企業からグローバルバンク、又は国家財政でも結構共通していることだと思いました。

緊急事態に言っても始まらないが、日本の場合2度目の緊急事態でもあまり進歩のない事実が多くガッカリ。







Last updated  2008/11/17 03:20:59 AM
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2008/10/22
カテゴリ:敵対的買収防衛
原弘産とカテリーナイノウエの保有する日本ハウズイング株式約27%をリロ・ホールディングス(JASDAQ2366、以下「リロ」という)が買い取ることになった模様です。

リロは本取得に辺り、日本ハウズイングに対し、ライツプランの不発動(買い取り賛成)を要請し、はノンハウズイングはそれに応えました。

10月20日リロの発表文

日本ハウズイングの発表文

20日(受け取りましたと言う文章)

21日(合意しましたと言う文章)

 

公表文書によると、10月中旬にリロと交渉を開始し、10月20日にリロが買い付け説明書を日本ハウズイングに提出、21日にはあっさり賛成、となっています。

結果的に日本ハウズイング社はリロの持分法適用会社となる見通しだとのこと。

様々な疑問が沸いて出ますが、あまり時間がないので簡潔に。

 

疑問1

なぜ、たった1日で賛成したのだ。原弘産への「重箱の隅をつつく質問攻撃」と同レベルの検討をしたとは思えない。せめて1回程度詳しく質問を投げ返してもいいのではないか?

リロの提案書はそれなりに立派だと思うが、それでも尚、あれこれ質問したのになぜ?

原とのヤリトリでは、「完璧な提案書はありえない」と思わせたあの気合いは全株主のためだったのではないのか?

 

疑問2

価格が一株約870円となっているが?

確かに今回の取引は原弘産Gとリロの市場外の相対取引であり、いわば勝手に取引しているのかもしれない。したがって一般株主とは違うところでの取引で、会社側から見れば止めようのない側面もあるだろう。しかしながら日本ハウズイングの株価はこの世界的な「フリーフォール」状態の下げ局面で、1000円前後にぴたりと張り付いていて、既に原広産がTOBをかけたかのような状態で推移しているという信じられない光景がある。

これ見てください。日経平均の「フリーフォール」とは無縁のようだ。

 

日本ハウズ.gif

 

取締役会としてはせめて市場価格並みの価格で取引するような「お願い」は出来なかったのだろうか?一般株主は1000円程度と信じていた株価がそれより1割ちょっと安い価格で取引がされ、かなりシナジーがありそうな業務提携をするのだったら、もっと高く評価してもいいのではないだろうか?

したがって原弘産がそれを主張すべきだったのではないか?もちろん経営支配しないと言っているのでいわゆる「コントロールプレミアム」は付かないのかもしれないが明らかに取引所で値段が付いているのに(もっとも原広産もマンション不況の直撃を受け、ヤフー掲示板では原倒産とか原降参とか揶揄られているので、お金に困っていたのだろう)。

 

疑問3

ランドマーク社はこの直近まで大量保有変更報告書を提出しており

(ほとんどの流動株を買っているような感じがする)

同社が「じゃあ俺にも提携結ばせろ」と言ってきたらどうするんでしょうか。仮にも「元筆頭株主」ですし、3月末が12.6%の保有だったものが直近10月16日には18.11%まで市場で真面目に1000円程度の株価で買い集めていますし、リロ+ランドマーク+日本ハウズイングと連合すればもっとシナジーが出る、ということにならないでしょうか?

そのほうが一般株主に都合がよいということはないでしょうか?

(しかしこの会社に「一般株主」ってどれぐらいの割合が残っているのだろうという素朴な疑問もある)

 

ノーリツといい、本件といい、もし仮にライツプランの手続きに乗せる、乗せないの決定そのものが取締役会の「好み」で決まってしまうのなら、ライツプランは恣意性のある欠陥商品といわざるを得ない。

全ての提案をライツプランの手続きにかける(というとややこしいし面倒)というのも杓子定規であるし、ライツプランどおりに手続きが進むと鉄壁の防衛網にかかっているケースが多く(日本電産の件は注目中)、現時点は事実上、手続き外でコトをなさねばならないということになっている。

客観的な基準作りが必要(ってそんな箸の上げ下げまで大の大人にするのもやってられないと言われそう)。

 

それと、本件とは違いますがLEOC(レオック、JASDAQ2366)がMBOに賛同しましたが、よく読むと、取締役会の全会一致ではなく、1名だけ反対した取締役がいるというこれも通常のケースとは異例の発表がありました。同社は「サッカーの」三浦カズが所属する横浜FCのスポンサー

 

発表文

100円の取引株価を500円でオーナーがTOBをかけたのですが、それに対し、(1)既存大株主(三菱商事、やSodexoなど)との関係の希薄化を招く、(2)過大な借入金負担は経営安定化に資するものではない、(3)将来的な企業価値から逆算すれば過小評価しており、他のビッダーが出ないかの提案を求めるべきである、という趣旨で反対意見を述べています。

「全会一致」が当たり前の取締役会に何が起こったのか、と詳しく見てみると、ジル・マエというフランス人取締役がおり、彼は資本提携先Sodexoから派遣されている者のようです。同社は約9%保有の大株主。

マエ氏の言う「他の提案」とはSodexoなのでしょうか? しかし、バイアウトのときに他社の提案を検討する期間や意見を求め、その結果取締役会が賛同意見を出す、というのは欧米では普通に行われています。

あの、米バーニーズに対するファースト・リテーリングの買収提案は、先に中東のファンドであるイスティスマルが経営陣にバイアウトの提案をしており、「他の提案」を広く聞こう、という時間帯に出たものでした。

ファストリは残念ながら買収を断念しましたが、あれでBit価格がつりあがっており、バーニーズ取締役陣営はその忠実義務を果たしたのでした。

単に100円、500円でよいというわけでもなく、マエ氏の主張は日本の取締役会運営に何か一風を投げかけてほしいものです。







Last updated  2008/10/22 02:56:21 AM
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