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元・経営コンサルタントの投資日記

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コーポレートガバナンス

2011/11/08
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オリンパス事件でもアレコレ思いますが、今回はこちらを書いてみたいです。実は昨日に書き溜めたもので・・・。

ご存知の方も多いと思いますが、東京証券取引所と大阪証券取引所が合併する、と日経新聞が報じています。

 

大証側は、「本日,一部の報道において,当社と東京証券取引所との経営統合に関する報道がございましたが,こうした内容を当社が決定した事実はございません。」とコメントしており、日本経済新聞社殿のスクープとなっている(従来から合併は記事になっていましたが)。

 

三菱重工と日立の合併スクープを高らかに取り上げた(しかし、その後進展がない)同社の報道によれば、

 

1.大証株の上限付きTOB実施(来年春をメド)
大証が上場廃止にならないよう上限は66.6%又は50.01%のいずれかになる予定

2.大証を存続会社として合併(来年秋メド)
時価総額ベースで、大証:東証=1: 1.5~2.0の範囲で決着する公算が大きい

3.持株会社の傘下で4事業(現物株、デリバティブ、決済、自主規制)子会社に再編

 

東証が大証をTOBして、その後、子会社である大証を存続会社とする逆さ合併というスキームを取るようです。

 

東証は非上場企業です。非上場企業が上場企業を買収して、買収した上場企業のステイタスをそのまま活用して上場を維持することを「裏口上場」と呼んでいるそうです。

ウイキペディア

 

当の東京証券取引所のHP

 

まだ正式決定したわけでもなく、当事者の正式なコメントがない中であれこれ言う方もナニですが、上場している他社のあり方に、あれこれ言う立場の証券取引所が、このようなやり方で上場すると言うことに、この会社のガバナンスというか、色々考えさせるものがあります。

 

裏口上場後、誰がこの裏口上場後の猶予期間やその審査を行うのか、お手盛り審査じゃ話にならないし、またまた流行りの「第三者委員会」様のお出ましでしょうか???

 

サッサと上場せずにグズグズしていたからこのようなことになった、という責任や反省の面がないとしっくりこないですねえ。

 

しかし、この日経新聞の比較表を見ていると、大証が東証を買収して、率先してバリューアプすることの方が、シナジー効果がでて大証の株主の利益になるというストーリーを、単純に投資家としては思ってしまいます。40%前後の株主が大証の株主の座に留まれるとの提案らしいので、TOBに賛同する人がいなくなる可能性も?

(どう考えても合併した後に、大証並みの収益力になれると考えるなら、長期投資家なら株を売るのはモッタイナイ)

大証東証比較.PNG

(日経新聞社より)

本格的な比較を行っていないですが、この比較では純利益に差がない割に、合併比率がやけに東証に有利な点はチトわかんないですねえ。 

また、逆さ合併後、業界再編のオオカミの様な米NASDAQが買収提案をしてくるなどいびつなM&Aのマイナス面をどう考えているのか?その場合、両証券取引所とも、一網打尽にNASDAQの子会社化となってしまいます(案外その方が日本経済にプラスかも?ライツプランなんて即刻廃止させるとか)。

 

東証が図体だけがデカイ、役所体質で、大証は特徴を生かし、比較的(2者間の単純比較に過ぎませんが)効率化が図れていた、と言えるような気がしますねえ。大証の株主さん、頑張って欲しいなあ。結構外資が多いんですよ。

 

株主プロの以下のページで、ご覧頂くと、まず外国人比率が66%!!!! フィリディティとかノーザントラストとか機関投資家が目白押し(キヤノンでも同比率は44%)。実は「外資系」企業だった大証。

株主プロ大証のページ

 

そもそもシステムコストを上場資金で調達すると言っていた東証さんはその資金をどうやって手当てするんだろう? 裏口上場する根本的な意義も不透明。どうせスクープするのならって気もしますが。逆さ合併終了後に増資だったら最悪だなあ。

 

ドンくさい東証(または金融当局)のために、効率的な大証およびその株主、強いては日本の上場基準そのものが白い目で見られるなんて話じゃ、海外も含めて、世間が納得しないのではないだろうか?

(のろまな東証のペースにあわせていくなんて、いかにも護送船団チックな発想だと思った)

 

まさか「正しい処理です」なんて言うんじゃないでしょうね? 最近政治に経済によく出るフレーズですね。今日経済の それ は過ちであることが判明しましたが。

まあ、私の様な疑問点は当事者間の協議の中で織り込んだ上で正式発表されるのでしょう。経済新聞社さんはスクープするので精いっぱいであり、途中報道であると信じたいですね。

 

ちなみに経済新聞社さんの元専務がO社さんの社外取締役だったようです。どうりで、O社問題は日経では大きく報じられなかったわけですね。

 

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Last updated  2011/11/09 12:14:16 AM
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2011/10/27
 

ポートフォリオ銘柄にニュースが

 

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ご存知の方も多いと思われますが、IBMのCEOが来年1月1日から変わります。バージニア・ロメッティという方です。

IBMは今年100年目を迎えるそうで、100年目に一新ということのようです。

結構サプライズ人事のように取り上げられていますが、春ごろから次期CEOレースの最有力候補者としてあちらでは報じられており、私も実は楽しみにしていた人事です。

 

IBMといえば、ゼネラルエレクトリックなどとともにアメリカ株式会社1丁目1番地のような会社です。結構保守的でエリート意識が強い会社のように思われています。

 

ロメッティ氏はプライスウオーターハウスクーパースの買収を指揮して、IBMの企業戦略の方向性を決定付けました。メインフレームやPCのハードの会社からソリューション、アウトソーシングのソフト路線を切り開いたのです。実績十分で本命の登用というのが個人的な感想です。

 

業績は殴っても倒れないぐらい、しっかりした収益構造になっていますので(個人的にはInternational Cash Business Machinesだと思っています。これだと核ミサイルICBMになってしまいますね)、従来路線をブラッシュアップすることが期待されます。

IBMの業績については以下の記事をご参照

「永遠の不発弾」IBMは優良配当株?2011/2/11

 

2015年までにEPSを$10から倍増した$20にするという中期計画を掲げていますが、私は達成可能だと思っています。いまやIBM株は私のポートフォリオ第2位で、その行方は大いに興味を持っております。株価も配当もICBMのように破壊力十分な長距離砲を期待しています。もう「不発弾」とは言わせません。

 

ちなみにダウ平均採用銘柄の女性CEOはデュポン、クラフトフーズ、ヒューレット・パッカードについで4人目だと思います。先程ワールドビジネスサテライトで日本企業の女性役員比率は0.4%と先進国でダントツの最下位であることが放送されていました。

女性の役員登用率が高い企業ほど、効率がよいという結果もあるようです。

 

私のポートフォリオでは、ジョンソンエンドジョンソンもCEOの交代期にあり、候補者の一人が女性で、CEOの座を狙っているそうで、私はその誕生に期待している一人です。

 

偏見で恐縮ですが、女性がCEOになると、その会社は実力主義が生きている、という感想を持ってしまいます。いろいろ本で読んだりすると、やはり女性でCEOにまでなるには、男性がCEOになるよりも実力も運も必要ではないか、というのが偽らざる心境です。

 

それに引き換え・・・

 

一方のプレミア投資法人

本日、なんと40%も希薄化される増資を決定しております。何でこんな時期に増資する必要があるのか皆目見当もつきません。

購入するのはNTTやスポンサーのNTT都市開発が保有する物件が多いです。だったらもっと株価が回復してからでも遅くは無いはずです。

分配金はわずかに1000円ほど上昇するとはいえ、株主無視で腹立たしい気分です。

 

電力会社、大王製紙、オリンパス等、がっかりさせられるニュースばかりです。昭和の負の遺産のようなオヤジがえらそうな顔をしているような会社・・・。今は21世紀も11年経過していますよー。

 

こんなことばっかりしていたら、日本から資金移動せざるを得なくなるぞー。NTTにはちょっと失望。バリュー株の期待が高かった。

 

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Last updated  2011/10/27 12:08:47 AM
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2010/02/24
 

公開会社法をつくりましょう、という話が本格化しそうです。なかでも今回は社外取締役の第三者性やその人数などを法制化しようという動きに有効性があるのか、という点を実際の事例を基に議論しましょう。

 

私としては、そもそも取締役の責任をもっと明確化させる方がややこしい制度を作るより、有効性があると思っています。株主代表訴訟の直接の相手方になること(現在、株主代表訴訟の責任は取締役ではなく、「会社」という抽象的な存在に規程されている)でしょう。

その反面、リスク料として役員報酬の一定額の上昇は許容されるべきだと。

取締役のリスクリターンを高めるべきでしょう。普通にやっていれば、報酬も上がるし(当然報酬は株主の理解が必要)、ダメな場合財産がリスクにさらされ、社員と役員の明確な違いにもなって、ヤリガイも増えるように出来ないでしょうか?

 

 

社外取締役が増えると、経営監視体制が向上し、意思決定がよくなるのか? 社外取締役は「経営のプロ」で、上場異業種のCEOクラスだと、会社の力になるのか?

 

私は、ダウケミカルに投資しています(多分議決権がないはず)。同社のCEO、アンドリュー・リバレス氏は2006年から、シティグループの社外取締役を兼務しています。

サブプライムショックが発生したのは2007年夏、2008年に本格化しました。

特段取締役として責任を受けず、現在も同じ位置にいます。

 

一方、「本業」であるダウケミカル社は、2008年に約1.5兆円を投じてライバル企業を買収しましたが、資金調達に失敗し、2009年の金融最悪時期に高金利で買収資金の調達を行い、最悪の業績時期をやり過ごし、やっとの思いで企業業績を 「並みの不況」程度に持ち直すことが出来ました。

 

ダウケミカルの株主として、リバレス氏が2008年から2009年にシティグループの経営問題に何かサジェスチョンをしていたとは思えず(資金的に危機に陥ったダウ社のことに専念していたはず、そうでないと困っちゃいますね)、かといってサブプライムバブルについて何か理解や提言があったのか不透明です。

むしろ、バブルを見過ごしていた可能性すらあります。

 

要するに、シティグループにおけるリバレス氏は、公開会社法で想定し、日本で一般に言われているような社外取締役の期待に沿っていない人物であると思われます(2008年度の報酬は株式とストックオプションで約145千ドル、現金はゼロ)。

本来なら本件では、本人が辞任すべきかもしれませんでしたね。

 

もちろん、何か気付いた点があれば提言するようなケースもありますが、過度に期待をかけて制度化しても、ワークしないように思います。

 

米国でも独立社外取締役は、機能している場合とそうでない場合があり、制度作ったらそれでいい、という風にならないように気をつけたいものです。結局は取締役一人ひとりのガバナンス意識をいかに向上させるのか、に力点を置くのがいいと思います(もちろん、制度から入って行って、意識を変えてもらう、というのもインパクトがある点は認めます)。

 

魂の入らない仏を作って喜ぶのは、「識者」 です。 

 

制度として、「あるべき論」だけが独り歩きし、現実のケーススタディに疎いという愚が何度もまな板に上ってくる、ハトヤマ内閣(子供手当然り)。これからオープンディスカッションがスタートするらしいのですが、民主党に入れ知恵する連中を洗い替えする方がいいんじゃないか?

 

 

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Last updated  2010/02/25 12:48:13 AM
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2010/02/14
 

金融庁は「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)等の公表について」を発表しました。

 

これによりますと、上場企業のコーポレートガバナンスの開示の充実について、では

  1.  コーポレートガバナンス体制について
  2. 役員報酬
  3. 株式保有の状況
  4. 議決権行使結果について

 

などに「カイゼン」を求める内容となっています。

1のガバナンス体制については、社外取締役の設置が焦点になるのでしょうか? 経済音痴の民主党が掲げる公開会社法案でも、社外取締役の設置義務化を唄っているようです。

2の役員報酬については、1億円以上の役員報酬をもらう役員の開示を義務付ける可能性が新聞等でも取りざたされています。

3の株式保有の状況は、要するに「持ち合い株式」の開示強化ということになりそうです。持ち株の上位30位までの有価証券の保有目的まで開示させる模様です。

4は自社の株主総会での議決権の行使結果を開示させることを義務付ける模様です。得票数などを開示と書いてあります。

 

これらの目的は、結局は経営の透明性を高め、株主の意思を経営により強く反映させようとする流れから来ているものかもしれません。従来から株主の合理性と経営の合理性に対するギャップが激しく議論されているところです。

日本の株主市場も、株主の4分の1が外国人で、日常取引の過半数以上が外国人投資家であり、外国人投資家の影響力なしでは成り立たなくなっています。

今回の一連の増資騒ぎでも、彼ら(外国人投資家を一まとめに言い表すのもおかしなものですが)が相当数引き受けた模様です。

 

個人的には、仏より魂をこめて欲しい、という立場です。

金融庁と法務省のタテ割り行政の限界からこのような出来上がりになるのかもしれませんが、そもそも取締役という地位の法的な存在を抜本的にはっきりさせないと、宙に浮いた議論にならないかと思います。

究極的には 「会社は誰のもの議論」 をはっきりさせないと、議論の根幹を間違えても、わけのわからない「言い訳」が跋扈しそうな気がします。

米国では取締役は株主代表訴訟の直接の請求先にもなります。一方、日本ではなぜか、会社という抽象的な存在がその責任を負うことになっています。

 

当然、コーポレートガバナンスは欧米でも必ずしもうまく運用されているわけでもなく、特に米国では、社外取締役にいくら独立性を持たせても「仲良しクラブ」と批判される場合もありますし、しっかり機能している場合もあります。

役員報酬の個人別の金額開示にしても、CEOの報酬が高いのはそれなりにリスクも高いから、という言い分も成り立たないわけでもありません。

(楽天で米国株を買っても議決権行使が出来ませんが)、多少報酬が高くとも会社を正しく成長させようと実行しているCEOであれば多少の金額は気にならない、というのが株主的見地からは言えそうです。

 

持ち合いについては、景気が悪くなると弊害論が巻き返し、景気が良くなるとその「正当性」が語られる不思議な現象を引き起こします。

株主持合がもたらす効果から考えると、不況のときほど、その「強固な関係」が試されるのではないか? 景気が悪くなると、お金欲しさに売却するのか? と問いただしたくなります。

仮に友達関係と株式持合い関係を同じような情緒的な存在だとするのなら、困ったときほど友人の存在はありがたくなる、というのが一般論であるように思います

もちろん、情緒的なものではなく、経済合理性をあの手この手で訴えておられますが、株式持合いに経済合理性があるとすれば、この株価の安い時期こそ持合を強化すべきだという議論になりませんかね?

結局のところ、株式持合いは、株主総会対策費用(21世紀風にいえば買収防衛対策)だったに過ぎないことを象徴しているといえそうです。

 

大企業の経営陣に都合のよい言い分を、マスコミや「識者」たちが擁護したに過ぎなかったのです(マスコミや識者の広告宣伝のために)。

 

役員報酬については、役員車や交際費の会社にツケ払いさせる費用などを個別役員の報酬とするべきか、これらを含めると結局結構な額にならないか、といった点に興味がありますね(米国でもコーポレートジェットの使用なども含めて開示している)。

 

金融庁の立場(東京がアジアの金融センターであるべき)と法務省の立場(会社法の立案など)が食い違っているような気がしますが、それを調整するのが国家戦略室だったように思いますが、機能してほしいものです。

また、企業側も自らの製品ばかりでなく、経営も積極的に「カイゼン」して欲しいものです。モノづくりだけが会社の使命ではないはずです。

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Last updated  2010/02/14 06:39:20 PM
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2010/02/03
 

1月の米国自動車販売台数が発表された。年換算ベース11百万台と昨年より+15%増だった。ただし、レンタカーや卸向け売り上げが多く、個人向け直接販売はそれほど振るわなかったようだ(個社の粗利は大したことなかった)。

市場全体、GM、フォードには回復の兆しがはっきりしつつある一方、トヨタはマイナスに沈んだ。

前年同月比ベース

 

GM    +14%

フォード  +25%

トヨタ  -16%

ヒュンダイ +5%

 

もっとも昨年の1月といえば、デトロイトスリーは経営破たんするとかしないとか、米議会の公聴会に融資申し込みの説明に、「コーポレートジェット」で駆け付け、ヒンシュクを買うなど、「経営品質」にも疑問の目が向けられていたころの話。

 

1年経過すると、人の心は変わるもの。今やフォードは飛ぶ鳥を落とすかのような株価の勢い(1年で5倍以上の回復)。GMも黒字化、公的融資返済、再IPOが視野に入っている。

 

トヨタは 「製品の品質」 に万全を期するため、主力車種の生産と販売を自粛したため、上記のような下落に見舞われたもの。

 

しかし、日本のマスコミは書かないが、ウォールストリートジャーナルをよく読めば、トヨタは全体で-16%の減だったが、トヨタ部門が-19%減で、レクサス部門は+5.4と記載されていた。

うわさで決めずに事実で判断しよう。トヨタ車は決して米国の支持を失ったわけではない。

「トヨタ」という名前だけが、独り歩きしている可能性もある。

 

それよりも、人々は「トヨタ問題」が片付くまで、自動車ショールーム行きを控えるなど自動車販売全体に影響が出かねないことをあちらの専門家は指摘している。今、自動車販売が腰折れすれば、景気全体に影響を与えかねない。

さらに、自動車が日常の足であるアメリカ人は修理もいいけど、早くしてくれないと不便になってしまって、「もういいや」って気持ちになりやすいとか。 

したがって、(トヨタが今後、いろんな面で立ち直れば)今回の騒ぎが一時的なもので収まる可能性も十分ある。 油断してもいけませんが、人のうわさも75日って万国共通かな?

この際プリウスも何でも膿を一気に出すことが肝要。

GM車だって売れるんですから、1年たたないうちに。必要以上に暗くなることはない。

 

ただし、危機発生後のトヨタの対応は、「経営品質」に疑問を投げかけるものだった。

消費者や投資家は副社長の話ではなく、御曹司自らの言葉で今回の顛末と今後の決意を聞きたかったのではないだろうか?

「社長に迷惑をかけてはならない」という発想は社内の論理で、社外の論理はやっぱり、代表者が、自らの言葉で「安全」と「安心」を誠実に語るべきだと思う。

 

日本でも数年前から頻繁にトヨタ車のリコールがあったものの、マスコミや当局はあまり問題を大きく取り上げなかった。こういった「甘やかした」面は日本自身も反省すべきだろう。週刊ダイヤモンドの特集で少し見た程度だ。

サッカーの日本代表記事でも、小沢問題でも思うのだが、マスコミの偏った報道はうんざりだ。株式投資の場合、だから投資チャンスに恵まれる、という点もあるが。今回もアメリカの罠にはまったような記事の書き方だ。

 

もう一点。中間選挙を控えた大事な政治問題として、米国のスクラップインセンティブプランで一番売れたのは、トヨタカムリであり、ホンダアコードだった。さらにヒュンダイは大躍進した。

一方、日本の同じ買い替え減税では、外国車が排除されているという「苦情」が政治的に寄せられていたが、日本側は「そんなことはない」と取り合わなかった(韓国でも同様の状況にあった)。1年前は「バイアメリカン運動」はダメだとか言ってたくせに。

 

あまり勘繰りたくないが、しっぺ返しにあった可能性もある。

 

 

ただし、フォードの株主として一言。日本なんかで売る努力する予算があるのなら、インドや中国でもっと売ってくれ。どうせ日本市場は縮小するんですから(アメ車に対する偏見も大きい)。費用対効果を考えると今や、必要以上に日本市場で頑張ることは、無駄な努力といえる。

フォードの株主も社員も、多分、中国で生産しているフォード車の一部が今回リコールされたペダルと同じ会社で同じスペックだったのではないか、といわれており、リコールになるかどうか、私も含めて戦々恐々としており、トヨタ乗換キャンペーンなんて悠長なことを思っている人はいないだろう。

 

しつこいようですが、レクサスの売り上げ増加を景気回復のバロメーターの一つと考えている私は、米景気回復に、また一歩自信を深めました。

御曹司がきちっとした対応をとってくれたら、投資を考えたのに。

(アメリカの部品メーカーのCEOは、該当箇所の部品について、「トヨタの設計だった」 という発言がWSJに掲載されていましたが、日本の部品メーカー社長なら絶対言わないなあと思ったのは私だけでしょうか?) 

トヨタ側にも謙虚になる必要性は十分あると思いますが、やればできると思います。悲観しすぎることもない。 

 

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Last updated  2010/02/03 09:11:07 PM
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2009/10/20
CITといえば、全米1位の中小企業向けの金融事業者として知られていますが(過去に旧第一勧業銀行の子会社だった時期もある)、現在破綻の淵をさまよっています。

夏にかろうじてつなぎで債権者団との交渉に成功しましたが、今回の期限延長ではデットデットスワップ(債務を新しい条件のより返済が現実的な条件に変更してもらい、互いに確実な債権債務の関係を再構築する)を提案し、この案が容認されなければ経営破綻するぞ、と表明していましたが、一部の債権者に優遇的な内容になっているとして、その条件をアイカーンは非難しました。

また、現経営陣は経営継続に値しない、といって経営陣の退任を迫っています。

 

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カール・アイカーンといえば、どこまで本気かわかりませんが、「米国企業の経営者はコーポレートガバナンスがなっていない」と非難し、それに該当する企業の株式を買い集め、あのアクティビスト活動を正当化しています。最近ではヤフーの経営陣を散々非難しています(後にヤフーの取締役となったものの、マイクロソフトとの例の提携を認めてしまった)。

米国でも、「乗っ取り屋」、「物言う株主」としてその手腕を恐れられ、さらに批判を浴びています。

日本では、あの憎まれ者の、スティール・パートナーズのリヒテンシュタイン代表がアイカーンにアクティビストの手ほどきを受けたといわれています。

彼の特徴は70歳を超える年齢に似合わず?ハイテク企業(モトローラ、ヤフー)やバイオサイエンス企業(イムクローンテクノロジー)などの新興企業でさえ、その経営判断はおかしい、と噛み付くことにあります。

ただ、その彼でさえ、このリーマンショックで大きな損失を受けていると思われましたが、最近はMGAミラージュ(ラスベガスのホテル)などに債権者として出没し、ハゲタカまがいのことをやっていました。

 

今回は、やはりCITの一債権者として、申し出ていますが、彼の申し出は、腰折れしかねない米国経済を救う可能性も秘めており(CITが破綻すると中小企業への円滑な資金提供できるプレーヤーが米国で消える可能性がある)、注目に値するかもしれません。

 

いずれにせよCIT問題は夏ほどでもないですが、米国経済には重要な課題となっています。







Last updated  2009/10/20 01:59:25 AM
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2009/08/26
 

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日本板硝子(NSG)は26日、CEOに前CEOの藤本会長が就任し、スチュアートチェンバース氏はCEOを辞任しシニアアドバイザーになると発表しました。

チェンバース氏の辞任理由は「家庭の事情」とのことです。

 

えー、わずか1年2か月程度で辞任?

(ご参考)

日本板硝子の新経営体制に対する雑感 08/04/28

 

このときのチェンバース氏はやる気満々で、私も日英の良いところを取り入れた経営を導入してくれ、新風を吹き込んでくれるものと期待していました。株も買ったのですが、さすがにこの景気ではいかんと思い、リーマンショック前に売ってしまいました。しかし、それだけ期待していました。

一つ気になっていたことは、チェンバース氏は旧ピルキントン時代に価格カルテルに関与していたのではないか、という疑惑があり、そのようなものが経営する資格があるのか、ということが言われていた時期もありました。これがくすぶっていたのか?

チェンバース氏の 「後見人」 を自認していたのは当の藤本氏であり、彼がチェンバースを抜擢したといってもいいのではないでしょうか? 彼はピルキントン買収時に価格カルテルについてEUで審査中である事実を把握していましたが、それでも買収した方がメリットがある、と言って買収を強行しました。

かつ、チェンバース氏をCEOに推薦し、取締役会を国際的な陣容にしたのも藤本氏の英断(と当時は思っていた)でした。

 

あれだけ東京で仕事することに張り切っていたのに、「家庭の事情」 とは何でしょうね?そのうち真相が明らかになるのでしょうか?

この記事に関するロイターの英文は以下の通りです。

"I have decided to put family first and company second,"

a decision he acknowledged might go against social norms in Japan where it is common for salarymen to put their company above all else."In that process I have learned I am not Japanese,"

拙訳

「私は家族を第一に、会社を第二にすると決めた」 この決定は、サラリーマンは会社第一であるべきという日本の価値観に反すると彼は理解し、「私は自分が日本人ではないと悟った」

UPDATE 2-Nippon Sheet Glass chief Chambers steps down

これだけを読むと、日本人は仕事の虫で公私を顧みない、「エコノミックアニマル」(懐かしい)で、日本企業が肌に合わない、という風に聞こえてしまいます。CEO就任時は「I'M Tokyo Boy、Now.」といい、逆買収ではないか、と騒ぐマスコミに素直に「複雑な心境だがやっていく自信はある」と言っていたのになあ。

(会社第一と言い切るジャパニーズビジネスマンって今時どれぐらいいるんだろう?もう24時間働くサラリーマンは我々の様な職業だけじゃないか? 最もたまにですけど)

 

多分「英国病」が盛んだった70年代~80年代だと、違和感なく聞こえますが、世界第三位のガラスメーカーで、25カ国近くに海外進出しているピルキントン社の社長経験者にそんな戯言があったのでしょうかね?

カルロスゴーンさんも、日本でしっかり暮らしていましたし(ただし、彼はレバノン生まれフランス育ちでブラジル、米国など海外赴任経験が豊富な国際人)、 日本に駐在する外資系企業の日本代表もたくさんいるでしょうし、非常に残念な気がします。

 

ロイターの記事のアナリストはチェンバースがいなくなっても大丈夫だと言ってますが、日本板硝子は宿敵、旭ガラスの背中が益々遠くなったでしょう。

後見人、藤本新CEOはどのような心境なのでしょうか? 今後、外国人幹部が続々と辞めるようなことがあれば、結構やばいんじゃないか? 住友系の基幹企業の一つでもあるので、万が一のことはないでしょうが、海外拠点の運営に非常に気がかりになります。これが投資家の抱く一般的な心境だと思います。

 

日本企業の(経営の)グローバル化の退潮にならなければいいなあと思います。

【追記】

別の英国企業にヘッドハントされた可能性もありますね。ピルキントン時代からリストラに長けた人でしたから。







Last updated  2009/08/27 08:32:14 AM
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2009/05/23
この不況に安定も何もないじゃないか、と思われますが、安定的な経営とは何ぞやという点をちょっと考えてみたい。不況の時こそ、安定性が試される、とも言えるのではないでしょうか?

元々、安定的な経営のためには時間が必要であり、したがってちょっと株主還元が良くないからと言って株主にちょっかい出される必要はなく、株主主義経営はよくない、したがって買収防衛策は正当化される、というのが何となく、「長期安定的」経営の大義名分の一つだったと思います。

しかしながら、日本企業は本当に安定的な経営を行っているのかどうか、という点はあまり学術的な研究もなさそうだし、そもそも何のために長期安定的経営を目指すのか、という点にもはっきりとしたメッセージが日本企業側から出てこないような気がします(要するに都合よく使われている)。

過去の経営がうまくいっていたから、それを継続的に行うことが長期安定的経営なのか、目先の赤字経営の責任を逃れるために、「今は赤字でも将来黒字になるからね」という言い訳なのか疑問です。

企業がだれのためにあるのか、という視点がどうしても欧米と完全に一致しないので、この辺は水掛け論争になりがちです。ここは論より証拠で臨みたい。

 

ちなみに米国株式に実際投資して、CEOのインタビューを読んだり聞いたりしますが、彼らはほぼ例外なく、「長期的な株主と企業の利益のため」というメッセージを投資家に繰り返し言っています。ゼネラルエレクトリックも配当を削減する際に、「長期的なGEの見通しは明るい(風力発電タービン世界一)」と盛んに口にします(言い換えれば今はよくないと言っているようなものですが)。

 

 

では、論より証拠。

日本と欧米企業の長期的な純利益の推移。なお、数値は全てMSNマネーの財務諸表の「10年間の概括」から引用しています。

トヨタ自動車だとこんな感じ

では。

富士通とIBM(米国)

富士通IBM.jpg

かつては政治問題に発展したライバル会社(だった)。両社ともITバブル崩壊後は痛手を負っているが、その後の推移はIBMは連続増益で来ている。08年は過去最高益。

ホンダとフォルクスワーゲン(ドイツ)

ホンダワーゲン.jpg

ビッグスリーと比較しても意味がない。これはホンダもしっかりしているので、ホンダの方がよさそう(円安だったが)。ただし両社とも景気循環的で、安定感がないですね、仕方ないけど。

ホンダの利益が円安か実力かがこれから試される。

 

メガバンク

メガバンク.jpg

米銀との比較ではなく、欧州銀との比較(の方が面白い)。HSBCがケタ違いなのは仕方ないが、BNPパリバ(日本では悪名高くなったが、フランスナンバーワンの優良銀)はMUFJと実力的には同じぐらいと思っていました。MUFJは確か繰越損失があったので、税金額が少ない可能性がある。

それでもMUFJの経営の不安定さが浮き彫りになっている。「それでも持合いやりますか?長期安定的な経営のため?」)。10年で5度目の赤字とは...。ヨーロッパに行くとメガとは言い切れない。内弁慶。

 

イオンとテスコ(英国)

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グローバルトップ10を目指すイオンとウォルマートのライバルになるかもしれない世界3位のテスコ。やはりイオンの利益は凸凹していますね。日本と海外とは事情が全く違う(海外は既存店の売上高が増加します)とはいえ、これじゃ何のためにいっぱいショッピングセンターを建てたのかという感じ。

テスコは海外展開も進んでいて、ポンド高(だった)にもかかわらず、この経営成績は立派だと思う。

味の素とクラフトフーズ(米国)

味の素クラフト.jpg

この2社は味の素ゼネラルフーズで合弁がある。クラフトフーズは2007年にタバコ会社フィリップモリスから分離独立している。今後大胆な事業の入れ替えが予想されている。味の素といえども2回も赤字に陥っている。あの調味料は独占的なシェアがあったんじゃないのか?

 

電機・コンピュータ、自動車、金融、流通、食品とランダムに選んでみた。この10年間にITバブルの崩壊とサブプライムバブルの崩壊という2度のバブル崩壊がありました。

この間、安定した利益を計上しているのは、ホンダを除き、ほぼ海外の企業(その業界ではトップレベルですが)ですし、やはり規模が大きいと業績も安定感が出てきます。

 

IBM(リストラ方法が問題になることがある)も過去は大胆な事業改革をしていますし(「巨象も踊る」が有名、最近もHDDを日立に売却し(逆に日立はお荷物を進んで抱えて、自爆している)、パソコン部門をレノボに売却するなど行っています。一方、ソフト会社の買収に余念がありません。

 

私には日本の経営者が言う(マスコミが勝手に言っているだけかもしれない)、長期経営とは何を目的として行っているのかわかりません(もちろんしっかり経営している会社もたくさんあります。ここにあげたのは典型的なものかもしれない)。

 

海外は「株主のため」に経営した結果、しっかりと利益成長をしていますし、この不況でも赤字に陥っていない。これはおかしな結論が出ています(最も海外企業は12月決算なので、最悪の09年1月~3月が入っていないというアドバンテージがあるが、それ以外の年でも安定感の差は歴然)。

日本企業は逆にホンダを除き、10年で赤字が1回以上必ずある。三菱UFJに至っては5回目の赤字(2年に一度も赤字。三菱でこれだと他は...ですね)。

何気なく選んだ業界の代表企業でマイクロソフトマネーから過去10年間の利益が引き出せる企業ということで取り組んだ結果ですが。任天堂とかを出せば事情は変わった可能性もあるが、その比較相手はアップルかな?

 

今こそ、本当の長期経営を目指した大胆な取り組みを期待したいと思います(別に株主のためでなくてもいい。分かっていて取り組めないというのが情けない)。これが本当のラストチャンスでしょう。あと数年たてば、間違いなく中国企業が完全なライバルとなるでしょう。その時は間違いなく日本経済は落日になってしまいそう。かつて日本が米国企業を蹴落としたように、今度は中国企業にやられそう。その時、日本は90年代の米国のITなどの大胆な別事業が芽生えているか?

日本人の一所懸命というのは美徳として立派だが、潔く時代に適合するというのも必要。戦局を読めずに古い体質に固執して悲惨な目にあった第二次大戦の失敗に学んで欲しいなあ。







Last updated  2009/05/23 01:58:42 AM
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2009/04/14

行き過ぎた資本主義というテーマでは必ず取り上げられるこの話題。日米証券会社、銀行でその報酬システムが話題になっています。

 

日本では野村証券が、旧リーマン部隊への引き留めとして、「Lehman-style」 の成果報酬スタイルを取り入れようとしています。

旧野村の社員の方でも、リーマンスタイルへの転向もできるようです。何でも社内のミーティングも英語が主流になりつつあるようで、メールの70%は英語とFT.comでは報じています。

そして何より、野村證券の国際投資銀行部門の本拠は実質的にロンドンに移転したとのことです。

Nomura shifts focus overseas

リーマン買収の成果を発揮しようとする野村の並々ならぬ決意を感じます。

 

ただし、FTでは成果報酬制になると言っても、実質破綻と言ってもいいCitのCEOパンディエット氏の08年の報酬は約11百万ドル(11億円、ただし、たぶん09年度はベース給与が1ドルだと思う)で、野村HDの8人の取締役と13人の執行役の報酬が合計で16億円だ、とその報酬水準の比較をしていました(しかし、野村の場合、本当のトップ以外は兼務役員や社外取締役じゃないのかなあ。したがって役員報酬部分は小さい)。

 

さらに、MUFGグループ傘下の三菱UFJ証券においても、モルガンスタンレー日本法人の社員の引き留めとして、似たような報酬スタイルの取り入れを考えているようです。

あの蝶ネクタイでご存じ、ロバート・フェルドマン氏の報酬が日本の部長並みだと、やっぱり彼、逃げ出すかもしれませんね。こう固有名詞で語ると、日本の金融機関の報酬レベルはやっぱり低いのかなあとも感じます(能力レベルは低く見えるが、チームプレイ重視のスタイルなので、それほど個人が特徴的に表立つことがないだけだと思います。日本にいる外資系金融の日本人社員の大半は元邦銀や日系証券出身者ですし)。

 

一方、ゴールドマンサックス(GS)では、ある程度中期(3年程度)で業績評価をすべきとの議論があるようです。現在の報酬体系だと、「やったもの勝ち」 となり、今回の様な悲劇を生んだ、という反省から、ストックオプションや自社株を3年程度売却できないような縛りを入れる、などが検討されているとWSJでは報道していました。

しかし、株価が上がれば報酬が増える、ということ自体、エンロンを思い出させます。

なお、GSでは、この株価回復局面を利用して、公募増資をして、当該資金で公的資金約1兆円を返済しようと考えているといわれています。報酬にけちをつけられるぐらいなら返してしまえ、ということのようですが果たして?

 

バンクオブアメリカでも、投資銀行部門での報酬体系を長期的な企業価値の向上にインセンティブを持たせるような体系としていくべく見直している模様です。

 

これらを総括すると、本場米国の金融業界では、「一応」、より中長期的なパフォーマンスを目安とする評価基準を模索しているのに対し、日本の「勝ち組」 投資銀行では、従来型の「Anglo-Saxon」 スタイルを取り入れようと考えているということになるのでしょうか?

お互いの短所が長所に見え、長所が短所に見える、隣の芝生は青い状態でしょうか?

そうとは限りません。グローバルレベルでは、確実に金融機関勤務者の報酬水準が上がることになるかもしれません(それと引き換えに、雇用の安定感が崩れることをお忘れなく)。日系金融が動き出したのですから。

 

では、旧来の商業銀行スタイル、とはどんな感じでしょうか? 私が在籍していた時も、結局 「やったもん勝ち」 でした(昇給というより、昇進の面で)。ただし、同期の他人とは報酬の差はほとんどなく、管理職となってもせいぜい、100~300万程度の差額じゃなかったでしょうか?

成果報酬というと、いろいろ異論があり、そもそも当該拠点のもつ銀行内部での役割期待、地理的条件(発展している地域と成熟化している地域)などの差が所与として存在し、個人の力というより条件の差である場合があったりします。

何といっても金太郎あめよろしく、出来るだけ差がついていることを見せないようにする、護送船団的な人事も大きかったかもしれません(遅い船に速度を合わせる)。それと、組織全体で獲物をしとめる、組織プレーがより重視される傾向にあることも事実です(今回の手柄は、関係各部署のお力添えがあってこその成果です、とか言うせりふに代表される)。

 

よく働く人には、十分な処遇をするというのは当然だと思います。報酬のレベル感が他産業と比較してもらいすぎ、ともよく言われますが、業種が違うのでなんともいえません。最近の資源バブル等ではメガバンクの一般的な職員より、鉄鋼会社の人のほうがボーナスはよかったかもしれません。また、上場企業の平均給与ランキングで上位は常にキー局のTV放送会社(来期は赤字の危機がささやかれている規制業種)の人ですし。

 

しかし、アングロサクソンスタイル はそれ以上に、良く働く人には誰にでも(国籍や肌の色を問わずに)報いている、というオープンな点はもっと強調されてもいいかもしれません。多国籍の人材をどんどん雇い入れていますし、平等に評価しています。

さらに、日本企業のように、一見、稼ぐ人と稼がない人を同列に扱っているかのようにしていると、当然企業全体の生産性が落ちて、稼ぐ人の取り分が減ってしまいます。

 

しかしながら、本質的には、報酬のみで魅力を打ち出す、という点はいつか限界が来るような気がします。やはり人間ですから。今回のバブルも、その 「優秀な人材」 が引き起こしたもの、と言っても過言ではないので、「優秀な人材」のコンセンサスを考え直す機会かもしれません。その場で儲けりゃそれでよし、とは大半の機関投資家(の投資先たる年金基金等、つまり株主、さらにそれは一般の人々になってしまう)は考えていないと思います。

報酬のあり方と言うのは、いろいろ試行錯誤されて落ち着くと思いますが、こういったのも外資の一種のイノベーションかもしれません(逆行していますが)。

 

ともあれ、井の中の蛙、から大きく脱却を図る(いや、再挑戦するといった方が妥当か?)野村證券。その国際戦略の第一歩は評価されてもいいかもしれない。







Last updated  2009/04/14 01:50:04 AM
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2009/03/23
 

 

jack_welch.jpg
 

 

参考記事

CNBC An Interview With Jack Welch 3/17(少し古くなりましたが)

しつこくミスター・ウェルチと株主価値創造について考えます。世間ではAIG幹部へのボーナス課税で話題が沸騰していますが、ウェルチ氏はそれについても彼らしく言及しています。

CNBCは改めて申し上げると、米国3大ネットワークであるNBC放送傘下の放送局です。NBCはあのゼネラル・エレクトリックが100%株式を保有しており、GEの子会社です。NBCをGEの子会社化したのは、ジャック・ウェルチがCEOだったころのGEです。

そのCNBCの今回のインタビューの目的は、ずばり、前回このブログで取り上げた、Financial Times紙におけるウェルチ氏の発言「shareholder value is the dumbest idea in the worldが米国人にはびっくり発現であったから他にありません。

しかし、今回のインタビューはそれも含めて以下の4点にフォーカスしています。

  1. AIGの幹部へのボーナス支給についての氏の意見
  2. 現在の景況感について。バーナンキ議長が「来年から回復に向かう」といった点についての意見
  3. 話題のShareholder Value 発言の真相
  4. GEの現況について

 

1:AIG幹部へのボーナス支給について。

これはインタビューから今日まで様々な経緯を経ているので、やや風化した可能性もありますが、彼は、外野の人がとやかく言っても始まらない。米財務省(つまりガイトナー氏)は株主として、何が正しいのか、AIGの取締役会と徹底的に議論して、正しい答えを導くことが出来る唯一の存在だ、といっています。"They are owners" CEOを任命するのはオーナーの特権で、CEOはオーナーに従うべきだと。批判は外部のもので所有者から巻き起こっていないと。

たとえ契約があっても、会社をよりよい方向に導くように取締役会とCEOはベストを尽くすべきだ、と。

 

インタビュー後の世間の流れ

残念なことは、議会が一気にポピュリズムに走って、課税法案を可決したことでしょう。話し合いによる解決を阻害して金融機関側を頑なにしてしまいました。AIGのCEOも「自主的な」ボーナス回収を行っており、最高支給額を受けたトレーダーも一部返済したとロイターは伝えています。

さらに、厄介なことにこの問題は、今週発表される「バットバンク構想、官民ファンド構想」の大きな課題になりかけているとウォール・ストリート・ジャーナルは心配しています。

つまり、参加する民間セクターは税金を利用して大金を儲けようとするこの構想

(民間資金と公的資金を合算して、不良債権の購入や管理・整理を行う構想で、そこから得た利益や損失は政府と民間がシェアするというもの。投資資金の負担割合などは民間にやや有利な内容となっている)

のなかで、仮にうまくいったとして、民間ファンドが利益を得た場合の議会や国民の心象を悪くした場合、また課税やルールが変更されるのではないかと危惧していると言うものです。

要するに契約で一度払うといったものを実質反故にされるリスクがあると(それ以上に、値付けのない証券をどうやって評価して、銀行に売却させるのかという問題が非常に大きいのですが)。政府が信用できないのですね。

 

JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、シティグループの3人のCEOは揃ってこの課税案を批判しました。「優秀な人材が離散する」と。自分たちはボーナスや報酬をカットできても、部下にはそこまで強要できない、それほどまでにインセンティブを極大化しないと今の「株主価値」が守れないとのことです。

個人的には、ウェルチ氏の言うように、話し合いによる解決が進展することを期待したのですが、議会が拙速にも法案化してしまったのは、反論の余地を残させます。

 

ただ、行き過ぎたインセンティブ(それこそが、今回のバブルの張本人という説もありますが)を見直す気運は必要かと思います。

約1年前、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルで青年トレーダー、ジェローム・ケルビエルが一人で7600億円の巨額損失を計上した事件がありました。

ソシエテ・ジェネラルの不祥事とフランス企業の買収防衛 08/02/28

この時ケルビエルは、自分は期待以上に稼いだのに、銀行が正当なボーナスを払わなかったのが悪いと供述していたなど、行き過ぎた成果主義のひずみが議論されていました。

 

したがってインセンティブを極大化することは、もはや公共性が非常に大きい金融ビジネスでは見直さざるを得ないかもしれません。公共性と収益性のバランスを考えなければならないと思います。「優秀な人材」は優秀な顧客があってこそ成り立つもので、少なくとも大手銀行のCEOが揃って顧客を敵にするようなことを正々堂々と言うのはよくないと思います。

しかし、今回の金融危機の根っこを焼き払う、バッドバンク構想では、「大きな人参」 をぶら下げないとリスクをとりにいく「優秀な人材」がいない、という大きな矛盾を露呈しており、難しいところです。

 

about_cnbc_us.gif

 

2:景況感について

FRBバーナンキ議長がリセッションは年内に終わりそうだ。来年から回復に向かいそうだ、とCNBCインタビューで応えたそうで、減少幅が落ち着いてきたこと、ここ数ヶ月は底のような数値を見ているといった点について。

意外なことに、ウェルチ氏も同様の見方をしていました。彼は(私は知らなかったのですが)あるプレイベート・エクイティファンドのパートナーをやっているそうで、そのファンドの投資会社の月事業績報告を聞いていると、2月は昨年5月以来の前月比較で同じような業績で来ていると。3月もこれまで更なる悪化は見られないとのことです。決して保証ができないものの、どこか落ち着きを見せつつある、と言う点でウェルチ氏は何かを感じ取っているようです。

(日本だとここまでの感は出ないでしょうが、なかなか、聞き捨てならない点です。ひょっとして現在は景気の底かもしれません。米国のことですが、米国の景気が回復しない限りは日本の景気は全く回復を見込めないので)。

 

3:株主価値についてのFinancial Times紙での発言の真相

かれは、「the Future of Capitalism」のインタビューの中で、「What do you think shareholder value as a strategy ?」 と質問されたので、「戦略としての株主価値創造は馬鹿げている」 と回答したといっています。

株主価値は戦略でなく、結果であると。戦略とは新しい製品を作り出したり、その製品を世界中に販売したり、低コストで作り出したりするための方針であって、人々に感動や動機を与えるためのメッセージであり、自らに自信やプライドを持たせるための、目に見えるメッセージのようなものだと。

株主価値はよい仕事をした結果だろう、株価が上昇したり配当が増加すると、よりよい人材を雇用できて、それは地域社会にもよい影響をもたらし、良い製品は顧客にも喜んでもらえる。

(ここまでは、やはり、日本人経営者よりも日本人らしい、いや、日本人が期待する企業経営者像を髣髴させます)

ただし、短期的な公約と長期的な戦略やビジョンの両方を達成しなければならない。そのための判断をしなければならない。絞りに絞って短期的な成果を出したところで、企業は5年後には病気になってしまうだろう。経営者とは長期的な計画を策定しながらも、短期的な課題の解決を同時にやらなければならないのだ。

(確かに質問の趣旨に対しては答えになっていますし、美しい回答です。しかし、そのためのプロセスは非情を持ってやり遂げられた)

 

4:GEについて

(これが子会社CNBCの親会社に対する究極の質問。GEはコングロマリットディスカウントを起こしており、NBC、GEキャピタルとスピンオフしたほうがよいという意見が多くなっている)

(司会者)米国の製造業は産業の遺児となってしまった。金融問題にばかり気をとられずに、産業を活気付けることを考えるべきだ。GEは金融部門が工業部門の足を引っ張っており、株価も急落している。

(ウェル地:W)工業部門の内部留保があったから、GEキャピタルに増資することが出来た。

(司会者)要するに、GEキャピタルは分社化(スピンオフ)しないのですね?

(W)GEはユナイテッドテクノロジーズ、エマーソンエレクトリック、イートンをあわせたよりも大きい工業会社であり、ベストで最も輝いた企業でなければならない。

(司会者の質問には間接的ながら、Noと言っていますね。今のGEのポートフォリオには、ウェルチ氏の買収した事業(特に金融)がてんこ盛りなので、子会社CNBCではこの辺が限界でしょうか?)

 

話の中心がボーナス問題となってしまいましたが、AIGの社員の中にも自主的に返済する人がいると言うのは、なんとなくよかったと思います。ただ、議会はヒステリック過ぎており、民主党色が出すぎているかもしれない。最大の金融危機に民主党という規制歓迎政党が出てきたのは、幸運だったか不幸だったか、オバマ大統領も偉大な人以上に民主党員であることを世間は徐々に感じ取ってきたのかもしれない。







Last updated  2009/03/23 12:46:39 AM
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