テレビ「ロード・オブ・ザ・リング」
テレビで放映されていた「ロード・オブ・ザ・リング」の「旅の仲間」を見ました。このシリーズは全部DVDを持っていてそれぞれ数えきれないほど何度も見ているのですが、それでもテレビ放映(今回はBS)されるとついつい見てしまいます(笑)どの場面も音楽もすっかり覚えているのですが、それでもテーマ音楽が流れると気持ちが高揚し、ナズクルの登場にドキドキします。「旅の仲間」でのお気に入りの人物はボロミアなので、前半は家事をしたり他の番組や天気予報を見たりしながらのいい加減な観賞でした。でも裂け谷の場面でボロミアが登場してからはセリフを一言も聞き逃すまいとテレビにかじりついていました(笑)日本語の吹き替えで気になるのが一人称、自分のことをなんて言っているかです。会議の時、ボロミアは自分のことを「俺」と言っていて、豪快でワイルドなイメージにはぴったりなのですが、親しい人と話すならともかく、この場合は会議に国の代表として参加したのだから、そうなるとやっぱり最初はかしこまって「私」と言っていたのが次第に興奮して「俺」と言ってしまう方がいいのかな、などと考えてしまいました。このシリーズはDVDはもちろん関連する書籍やネットでの感想などもかなり読んでいるので、ボロミアのセリフや行動の1つ1つにゴンドールの事情が思い浮かんでしまいます。危険な裂け谷へ執政家の後取りであるボロミアがあえて行ったのは父デネソールがうまくすれば指輪を手に入れられるのではないかと考えたから、まじめで正義感の強いファラミアだと何があっても絶対指輪なんか持ってこないからボロミアに行かせた、その指輪さえ手に入ればゴンドールは争いもなく平和になり昔の栄光を取り戻せるのではないか、その気持ちがすごくよくわかるから辛いです。フロドが指輪を捨てに行く決心をした時、アラゴルンは剣、レゴラスは弓、ギムリは斧とそれぞれ自分の得意とする武器に誓っていますが、ボロミアは会議の決定がそれならゴンドールも従うと言って旅の仲間になる、国の代表だというセリフが印象的でした。最初は「ゴンドールに王はいらない」と突っぱねていたボロミアが「いつの日か一緒に帰ろう」とアラゴルンに言う場面それだけ国全体が戦いに疲れ切羽詰まっているんだなと感じました。国で待つ民が救世主を求め続けていたのでしょう。川を下って昔の英雄の彫像の前を通り過ぎる時も印象的でした。アラゴルンは「私の祖先だ」と言い、ボロミアは誇らしげな顔で通り過ぎる、ここから先は自分の国だという気持ちがあるのでしょう。それなのに国に帰る直前で指輪を手に入れたいという気持ちを抑えきれず実行してしまって後悔する、そして2人のホビットを守るために戦う場面は何度見ても涙が出ます。ボロミアは最初アラゴルンに対して「貴様」と呼んでいますが、最後は「あなたについて行きたかった」と言っています。「われらが民」「わが王」という言葉に凝縮された国を思う気持ちと王への期待、すべてを託して死んでいく姿に何度見ても涙が止まりません。いろいろ映画を見た中でも自分の中ではベストスリーに入る名場面です。「旅の仲間」最後はアラゴルンの提案でホビットの2人を助けるまでは解散ではないと喜んでかけだすレゴラスとギムリ、そして旅を続けるフロドとサムという大変だけれども希望がある形で終わっています。続く「二つの塔」が全体的に暗いトーンなのに対して「旅の仲間」は画面としては明るく旅する場所も美しいと思いました。何度見てもいろいろなことを感じさせてくれる映画です。ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間&二つの塔&王の帰還 (全三部作全巻セット)◆中古DVD【中古】価格:3,300円(税込、送料別)今日は父の日なので、あらかじめネットで注文しておいたプレゼントを持って実家に行きました。私の父は平凡なタイプです。父というと思い出すゴンドールの執政デネソール、自分が年を取るほど気持ちがわかって共感する部分が多くなりました。だからあの最後はあんまり私だったら同じように壮絶でももっと救いのある死に方をさせたのになと思いました。