ホビットの家

2015/10/21(水)11:24

プラド美術館展

芸術(35)

「プラド美術館展」を見てきました。私はスペインの芸術 といえば色彩が派手でゴチャゴチャ盛り込んでいて奇想天外 でよくわからない(笑)というイメージを勝手に抱いていた のですが、それはスペインの近現代芸術であって、プラド美 術館にあるのは王室コレクション、教科書に出てくるような 有名な画家の作品が数多く見られました。 教科書に出てくるような作品なのでみなどこかで見たよう、 特別気に入った作品に出会うとか感動した、衝撃を受けたと いうことはなかったのですが、スペインの歴史や王様の顔を 思い浮かべながら(かなり詳しく知っているので)見ると 興味深かったです。 ヨーロッパの美術はルネサンス、北方ルネサンス、バロック ロココ、古典など移り変わっていて、中心もイタリア、オラ ンダ、フランスと変わっていくのですが、プラド美術館展は 本当に教科書のように時代ごとの代表的な画家の絵が集めら れていました。前に見たボルゲーゼ美術館展などは本当に集 めた枢機卿の個性が強烈に出ていて感情移入しやすい作品が 多かったのですが、今回は集めた王様の個性よりもその時代 の代表作が集められていると強く感じました。スペイン王家 はカルロス1世、フェリペ2世の全盛期から後は衰えるばか り、それぞれの王様は強烈な個性の持ち主だったり政治は大臣 にまかせっきりだったり、さらにスペインの歴史は反乱と弾圧 宗教裁判や南米への侵略など血なまぐさい出来事も多いのに 集められた絵は教科書的というのがある意味すごいと思いま した。王様がダメでも(笑)集めた絵は一級品なのです。そ うしたお手本となるような絵が膨大な量集められ、さらに宮廷 画家は地位があった、そういう積み重ねがあったからこそスペ インの芸術は近現代に花開き個性豊かな天才が続出した、そん なことを考えました。

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