野球が切っ掛けで
「はぁー?うるせぇーよ。黙れっ。」...この子と知り合った時呆れたし、悲しく思いました。小学生3年生のこの子はいつも下の学年の子を自分の意のままに扱っていました、昔で言うガキ大将です。低学年の子は誰一人として彼には逆らわないし、言われたままに事をする。注意も何度もしましたが、いつも上のような汚い言葉を使ってつっかかってきました。ひどい時は、ただすれ違っただけでケンカ腰で挑発してきました。(でも彼は言うだけいって、こっちが本気で怒る態度をするそっぽを向いて走って逃げるのですが。笑)でもここ2,3日で彼の僕に対する態度がほんとに急に変わりました。そのキッカケが野球でした。僕が野球をしていることを知ると急に態度や言動が丸くなったのです。始めは野球の質問を色々としてきました。それを全部答えると今度は「いっしょにやって。」と言ってきました。そこでちゃんとしたプレーをみしてやると彼は急に変わりました。まずは「おいっ。」って呼んでたのが「先生!」に変わりました。児童館に来て「おいっ。GB野球しようぜ。」とタメ口で誘うようになりました。その時「人に何か頼む時はちゃんとした言葉使いじゃないとなぁ。」と言うと「じゃあ(仕方なく)、先生やってくださいぃー(イヤミっぽく)」と頼めるようになりました。そして何度も「GB先生いっしょ野球しよっ!」と誘ってくれるようになりました。友達のピッチャーがストライクが入らない時は僕に投げてと頼むようにもなりました。今日は彼が投げてはならない物を(硬い物)壁に向かって投げていたから「それは壁を傷めるし、友達にあたったら危ないから投げないでね。投げるならボールを投げな!」と注意したら、5秒ほど動きが止まりました。注意されることを極端に嫌う彼なので(どの先生に対しても同じ態度をとります)突っ掛かってくると思いましたが、「おっしゃーみんな野球しようぜ。」といって言うことを聞いてくれました。素直に嬉しかったです。野球をとおして距離が縮まったのがさらに嬉しかったです。そういえば彼は学校から児童館に帰ってくるといつも仲間を従えて野球をしていました。しかも始めはみんなを整列させてから始めるのです。そしてプレー中もみんなに掛け声をかけさすのです。「よろしくお願いします。」「ピッチャービビッてるー!」「○○ヒット一発!」「さぁーこい!」など常に自分も声を出していました。自分のチームが攻撃の時は低学年の子といっしょに応援歌を歌うのが特に可愛いです。確かに口は悪いのですが(「お前下手だからあっちのチーム!」「おめぇー何やってんだよ。最後まで走れ馬鹿っ。」「ふざけんなぁ。セーフだろ、バ馬鹿っ。」など。)いっしょに野球をしていて『彼は本当に野球が大好き。』だと感じました。ちなみに彼はリトルリーグでピッチャーをしてるそうです。土曜日が試合だそうです、晴れることを願ってます。子供と(大人もですが)コミュニケーションをとる時は、何か一つでも彼・彼女の好きな物、得意なこと、興味があることを見抜いてやることが大切だと再確認しました。「うるせぇ。馬鹿っ。死ねっ。」と言う言葉を浴びせてきた子供が、ある一つの切っ掛けで180度変わった現実を見て、子供への教育に対しての希望が沸きました。『Children Learn What They Live』 ドロシー・ロー・ノルト子供たちはこうして生き方を学びます批判ばかり受けて育った子は 非難ばかりしますひやかしを受けて育った子は はにかみ屋になります心が寛大な人の中で育った子は がまん強くなります敵意にみちた中で育った子は だれとでも戦いますねたみを受けて育った子は いつも悪い事をしているような気持ちになりますほめられる中で育った子は いつも感謝することを知ります思いやりのある中で育った子は 信仰心を持ちます仲間の愛の中で育った子は 世界に愛を見つけますはげましを受けて育った子は 自信を持ちます公明正大な中で育った子は 正義心を持ちます人に認めてもらえる中で育った子は 自分を大事にします