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カテゴリ:2006年12月読書
[1] 読書日記
奇しくも、寺尾聰主演で映画化された作品を立て続けに読む事になった。 小川洋子 「博士の愛した数式」(新潮文庫) 読了。 タイトルは知っていたし、第1回本屋大賞受賞作品だ何だと何かと話題に上る事の 多い本程度の認識はあったが、映画も未見で、作品自体に触れるのが今回が初めて。 読後感想を一言で述べれば、「面白い作品だった」に尽きる。 昨日読み終えた「半落ち」は、世間で言われていた程の感動にまでは至らない小説で あったが、この作品については恐らく世評で騒がれているのと同程度には感動。 ラストの数ページは目頭が熱くなった。 実に巧い小説で、恐らく誰が読んでも面白いと感じるであろう作品。 とまぁ、それはさておき。 実はこの文庫版の本には、実は読後の気分を台無しにされる凄い付録つき。 それは、 <解説 藤原正彦> の文章。 本文が自意識の発露を抑えたストイックな文体であるのとは対照的に、自分の事を話したくて 話したくて仕方のない自意識の塊のような解説。 初っ端から、作者の小川洋子が新潮社を通して、氏に取材を申し込んだ際の事に触れつつ、 <数学者といえば、なぜか「純粋」とか「奇人」が通り相場だ。 もし「純粋」を主題にしたいのなら、 私よりもっと立派な数学者に会った方がよい。 「奇人」を主題にしたいのなら、 余りにも健全な常識と円満な人柄をもった私はまったく参考になりそうもない> と言及し、自分の出演したテレビ番組がそのきっかけになった事を知るや否や、 <番組を見ていたのなら、週一で八時間も出ていたのだから、 私が純粋でも奇人でも大数学者でもないことくらい分かっているはずである> 更に余念なく、謙遜の衣を一応程度に身にまとった自己の喧伝を積み重ねるのである。 その後も、この短い解説の中で、 <時折、数学界の巨星ガウスに似た鋭い視線を私に送ったり、> などと訳のわからない修辞を駆使しつつ、最後まで自分の事を語るので一杯一杯という 風情の自己満足の一品(珍品?)に仕上がっている。 この人物は、「国家の品格」(未読)という大ベストセラーを書き上げた御仁らしいが、 この文章からはとても品格は感じられない。 という訳で、本書を文庫本で読む際には、買うや早々巻末の「解説」部分をびりりと 破いて、ちり紙交換に出す新聞紙と一緒にリサイクルに回す事を強くお薦めします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月19日 20時41分42秒
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