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マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2007年07月09日
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カテゴリ:2007年07月読書
[1] 読書日記


   <世界がもし百人の妹武将だったら――

    五八人はお兄ちゃんに甘えてみたいもののふで、

    三一人はお兄ちゃんにほめられたいもののふで、
    
    八人はちょっぴりすねてみたいもののふで、
  
    三人は本気で下克上を狙っています



   古橋秀之 「超妹大戦シスマゲドン」<1>(ファミ通文庫)

   

  を読了。

  ライトノベル。
  「ブラックロッド」、「ある日、爆弾がおちてきて」(共に電撃文庫刊)の作者に
 よる作品。

  操縦者の妹を無敵の超人に変える“妹コントローラー”を手に入れた兄妹が、秘密
 結社〈プリオン〉と特務機関〈COMP〉の争いに巻き込まれ、“妹コントローラー”
 で超人と化した数々の妹たちと、出遭ったり、戦ったりする物語。

   <「これぞ、最新型妹オーラ増幅装置!
     ブーストアップ時の妹ゲインは従来の五倍(当社比)だッ!!」


   <航空機から一瞬にして生まれ変わったその姿は、最新科学によって武装した、
    音速の戦乙女――彼女こそ、特務機関〈COMP〉の妹技術の結晶、
    次期主力型多目的戦闘妹、キャシィ・ノーマンその人なのだ


   <「みんな大丈夫か!? 返事しろ!!」
     あたりから、少女の声が何重にも上がった。
    「は~い、兄上」
    「兄っち」
    「兄すけ」
    「兄アニ」
    「兄ダー」
    「兄む~」
    「兄ポン」
    「兄りゅん」
    「兄ッピー」
    「兄ゴラン」
    「兄スター」
    「兄ゾーマ」
    「――よし、全員無事だな!」
     その様子を横目で見ていたサトルが、ぽつりと言った。
    「……なんだあいつ、妹が十二人もいるのか?」
    「わ、それってスゴい大家族?」
    「ふむ、世の中には不可解なことがあるものだな」
     ソラと獅子神が相づちを打ったところに、
    「ふふふ、なんのそれしき!」
     と、割って入る男があった。手にはトランプのようなカードを持っている。
    「わが妹たちは便宜上タロットカードの暗示で分類されているッ!!」
    「――ってことは、二十二人か!?」
    「なんと!」
    「ひゃー!」
     だがそこに、和風の甲冑をまとい、陣太鼓を持った男が現れた。
    「甘いな、わが家では毎年年末に四十七人の妹を率いて吉良邸に討ち入りをする!!」
    「なにィッ!!」


   < ♪ジャーンジャーンジャンジャカジャッジャ、
      ジャッジャッジャッジャッジャッ!
     ♪守るも攻むるも黒鉄の
      浮かべる妹ぞ頼みなる――

    「ふむ? この音楽は――」
    「もしかしてパチンコ屋さん!?」
    「いや、軍艦マーチ……だな」
     サトルがつぶやくと同時に、岩場の陰から、海上を滑るように巨大な影が現れた。
     鋼鉄の城を思わせるその姿は――
    「せ……戦艦!!」
    『うはははは!』
     戦艦の甲板から、軍人風の男が身を乗り出した。
    『この湾一帯の制海権はわれら大和兄妹にあり!
     わが大艦巨砲妹・撫子の四六サンチ砲を受けてみよ! ――撃ェ――――ッ!!』

 
  と、ありとあらゆるギミックとネタを「妹」と結合させて、作品全体を「妹」の一字を
 もって強引に統一した、文字通りの異種格闘技戦。

  現在までのところ、一応物語と呼ぶべきものはあるものの「このあとはどうなるんだ?」
 と惹かれる程のものでもなく、読者の興味の行方(ページを捲らせる動因)は、この様々な
 ネタや、その盛られ方のデザインを楽しむことに尽きるか。

  良くも悪くもライトノベルらしい作品。

  2巻まで発売中。

  






最終更新日  2007年07月09日 12時28分00秒
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