2007/11/08(木)03:19
ハーラン・コーベン 「沈黙のメッセージ」
[1] 読書日記
今まで「唇を閉ざせ」や「ノー・セカンドチャンス」といったノンシリーズものは読んで
いたが、この作者のシリーズ作品を読むのは初めて。
ハーラン・コーベン 「沈黙のメッセージ」(ハヤカワ・ミステリ文庫)
を読了。
ミステリ。
ハードボイルド。サスペンス。謎解き部は本格を装備。
「マイロン・ポライター・シリーズ」第一作。
【概要】
マイロンはスポーツ・エージェント。彼は現在、未来を嘱望される大型新人のフットボー
ル選手クリスチャンの契約交渉を行っている。しかし過去に例を見ない契約金を前に、交渉
は難航し、オーナーはクリスチャンの恋人の失踪事件に、クリスチャンが関与している疑い
を指摘し、契約金の値下げを要求する。時同じくして、一年前に行方不明になっていた恋人
のヌード写真が載っている雑誌がクリスチャンの元に届けられ、その恋人の父親が数日前に
何者かに殺されていることをマイロンは知る。マイロンとその事務所の仲間たちは、ことの
真相を突きとめる為の調査に乗り出す。
【感想】
ハーラン・コーベンの作品らしい、途中下車不可のジェットコースターのような作品。
展開もさることながら、ウィットに富んだ文章おかげで、飽きずに一気に読める。
どんでん返し的な、意外な真相も、期待を裏切らない。
マイロンの仲間たちをはじめとした登場人物たちも皆魅力的で、キャラクター小説として
読むことも可能。主人公のマイロンにしても、元バスケのプロ選手でありながら、マッチョ
でも無ければ、タフガイでもないのも、個人的に高感度が高い。
ただ、出だし数ページが、契約交渉シーンの描写なので、物語に早く入りたい読者や、そ
の手の交渉やスポーツにまるで興味がない人には、多少の我慢を強いるか。