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カテゴリ:2007年10~12月読書
[1] 読書日記
最近、読み終わった本を片っ端からダンボールに放り込んでいるのだが、ごく稀に手元に 残しておいて、時々読み返したくなるような本に出会う。 そんな本はダンボール行きの変わりに、読後本ばかりを集めた本棚か、今こうしてパソコ ンを使っていても手の届く位置にあるカラーボックスのどちらかに、置かれることになる。 言うまでも無く後者が、前者より一層の、自分のお気に入りの書架である。 そこに新たな本が一冊加わることとなった。 エッセイ本では、初である。 米原万里 「魔女の1ダース」(新潮文庫) ![]() を読了。 <同一の事象や現象が、視点を違えるだけで全く別なものに見えてきたり、同一の単語 や語句が、文化的歴史的背景や身分階級時代など、置かれた文脈によって思いがけな い意味をおびたり> <ある国や、ある文化圏で絶対的と思われてきた「正義」や「常識」が、異文化の発想 法や価値観の光を当てられた途端に、あるいは時間的経過とともにその文化圏そのも のが変容を遂げたせいで、もろくも崩れさる現場に何度立ち会ってきたことだろう> といった事を扱った、通訳を生業とする著者の手によるエッセイである。 <「絶対絶対なんていうけど、物事に絶対なんてことは絶対にないんだからね」> これは著者である米原女史が、通訳術の師として仰ぐ中川研一氏の発言を、本書の中で 名言として取り上げているものであるが、まさしくこれが本書を貫くテーマである。 本書の内容については、彼女がもう一方の師と仰ぐ徳永晴美氏が、本書巻末で書いている 解説に詳しい。 <期待どおり本編でもシモネタが豊富。(中略)それらが哲学、言語学、心理学、文化 人類学的な文脈で顔を出し、「常識」に冷や水を浴びせる。 他方、通訳、異文化コミュニケーション論、IMF・ロシア・国際経済論、人類史、 宗教、文学、読書、教育、ハンサム、恋愛論、アリストテレス以来の政治学など、目 が回るほどのテーマ展開で、逆転の発想を披露する。宝石箱と汲み取り式便槽の中身 を一挙にブチマケタような、おぞましい知の万華鏡の世界だが、恐れてはならない> (※上記、「(中略)」は筆者による。このブログ上にて使用不可能な文字を含んでい た為に、徳永氏には失礼かとも思いますが、削らせていただきました。) 本書の中で、<情報の送り手と受け手が相対峙するのではなく、同じ方向を向いていると いう関係>という言葉が出てくる。これは、エッセイにしても当てはまることではないだろ うか。この<同じ方向を向いているという関係>的な、同じ感覚を共有していることの再確 認みたいな内容よりも、やはり<相対峙する>内容であった方が読んでいて楽しい。そして 本書は、まさにその好例ともいえる本である。 更に、随所に散りばめられているエピソードは、日常会話の中で話のネタとして使えるこ とも、請け合いである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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