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マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2008年02月18日
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カテゴリ:2008年01~03月読書
[1] 読書日記


   <「水力発電の知識のない時代には、水を見てもエネルギー資源とは思わなかった
     だろうし、ウランを含んだ鉱石が大変なエネルギー源だとは、夢にも考えなか
     ったにちがいない。ウランの鉱石なんて、もともとただの石っころさ。エネル
     ギー源は原子力の知識のほうだ、と考えるのが自然じゃないかな。原子力資源
     の初期、原爆の情報は高度の国家機密、それを外国にもらして処刑された学者
     もあった。その時においても、ウラン鉱石を拾ったって、べつになんというこ
     ともなかった。エネルギーをうみだすもとは、情報のほうさ」
    「だんだん、そんなふうに思えてきたよ。音楽をかなでるのはピアノかピアニス
     トかとなると、ピアニストのほうの肩を持ちたくなるものな」



   星新一 「声の網」(角川文庫)

   

  を読了。

  電話から聞こえてくる謎の「声」を軸にして、同一マンションの各部屋を舞台に展開す
 る、12ヶ月12の物語を扱った連作短編集。

  名作!
  家庭電話というアイテムこそ、今となっては前世紀の遺物といった感が強まりつつある
 が、この小説の核となるアイデアは不変を思わせる。
  星新一という作家の凄味を堪能できる一冊。






最終更新日  2008年02月18日 19時19分25秒
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