J.K.ローリング 「ハリー・ポッターと賢者の石」「-と秘密の部屋」
[1] ベストセラーを読む 浦島太郎というわけではないので、日本あるいは世界におけるその人気ぶりは重々承知し ていたが、さすがに驚いた。近所の古本屋で自分が買ってきて、読み終えた、その本の奥付 を何気なく見てみると、 <二〇〇一年一〇月三十一日 初版第二六七刷発行> となっている。 しかも、<一九九九年一二月八日 初版第一刷発行>からわずか二年足らずの期間で、で ある。世界歴代第三位のベストセラーという事実を、改めてこの身に実感させられた思いで あった(諸説あるが、歴代一位は聖書、二位はマルクス、あるいは毛沢東だとか)、 J.K.ローリング 「ハリー・ポッターと賢者の石」(静山社) J.K.ローリング 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(静山社) を読了。 そして現在、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を読書中。 今まで、映画も一本も観たことなかったので、「ハリー・ポッター」という物語との接触 は今回がはじめて。 感想については、面白い、ミステリ(特に「本格」の)ファンならば読んでおいて損はな い作品というのが正直な感想。 個人的な感想では、別にこれまで散々耳に入って来ていたほど、特につづきの気になる話 ではなかった、というところ。別に「賢者の石」で完結しても納得する。ただ、つづき云々 ではなく、物語として面白いから現在「つづき」を読んでいる、というところ。現に、起承 転結でいうところの「起」だった「賢者の石」よりも、「承」の「秘密の部屋」の方が面白 かった。 物理的な感想としては、本の規格、文字の大きさ、漢字横のいちいちのルビという体裁に 目が慣れておらず、自分のリズムで読み出せるまでに随分と苦労させられた、というのが一 番。二番目としては、それは翻訳の文体によるところも大きいか、というもの。もう少し柔 らかな書き方でも良かった気がする。 これ以降の作品も手に入ったら順次読んでいくとは思うが、多分、映画は観ないと思う。 というか、何故に映画で観る必要性があろうか?