カテゴリ:読書(哲学)
ロックは非常に謙虚だ。
序文で、これらの論文は既に博学な人々には必要ないであろうと断っている。 元々、数人の友人間で交わせた議論をまとめたもののようだ。 謂わば覚書だ。 ともあれ、当時、「同一のものは同時に存在したりしなかったり出来ない」などのような抽象的観念も生得的だと考えられていたようだ。 余程、神がすべてお膳立てしてくれていると思っていたのかもしれないが、現代からすればとんでもない話だ。 当然、ロックもそれに反対する。 勿論、幼児も持つ快不快の観念等は別だが。 そして、そのことを「神は人間に理性と手と材料を与えたのであるから、人間に橋や家を造ってやる必要はなかったのである」と形容したのは秀逸だった。 ロックはあくまで謙虚で自分の知性はニュートン等の天才に遠く及ばないと認めている。 しかし、この明晰な思想家を執拗に攻撃したバークリは所詮二流の根性曲がりではないだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/03/09 12:00:05 AM
コメント(0) | コメントを書く
[読書(哲学)] カテゴリの最新記事
|