カテゴリ:読書
まだ途中だが、カラヴァッジョによる二点の「洗礼者ヨハネ」についての考察が興味深かった。
結論として、カピトリーノ美術館にある方は、ヨハネではなくイサクであるらしい。 理由として、様々な要因が挙げられていたが、特に、角の生えた雄羊と笑みを浮かべる少年が印象に残った。 あの笑みは、父アブラハムによって神の生贄にされそうになったイサクが辛くも助かった瞬間を表すと見るのだ。 なにやら、キリストの象徴は、本来、角の生えていない子羊であるらしい。 一方、ボルゲーゼ美術館にある方は、洗礼者ヨハネで間違いないらしい。 だが、こちらには、殺人の罪で死刑を言い渡されていたカラヴァッジョが恩赦を訴える意図が隠されているらしい。 この場合、洗礼者ヨハネと受難のキリストを重ね合わせ、かつ、キリスト教徒の象徴である羊からそっぽを向いているという解釈が必要である。 いずれにせよ、論文だから当然かもしれないが、詳細な調査と分析に裏付けられた説得力に感心した。 フロイトによるミケランジェロのモーセ像の分析を読んだ時の興奮を思い出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/10/02 06:42:57 AM
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